44巻-420話 バスターコール (ためらいの橋の戦い-3)

ウソップからフランキーに届いた"全ての鍵"を試し、5番の鍵でニコ・ロビンの手錠は外れ、
フランキーからウソップへ「解除」の連絡が入った。
「よしっ!!!」3人に笑顔が出た。







子電伝虫からロビンの「長鼻君、ありがとう」という元気な声が聞こえた。

長鼻君はそげキングとして伝える。
「礼なら全てが済んでから、必死に鍵を集めた者達に言いたまえ。君は紛れもなくルフィ君達の仲間だ!!もう思うままに動けばよい!!」
そう言う自分は、もうルフィ達の仲間ではないのだが・・・。

ウソップに指示を受けたロビンは、「ええ、存分にやらせて貰うわ」と答えるとくるりとスバンダムの方を向き、その悪魔の実の能力【六輪咲き(セイスフルール)スラップ】でスバンダムに激しい平手打ちを食らわせた。ロビンは手錠さえ外れれば強い。




しかし、希望の光が差し込んだかと思えば、ますぐに暗雲が立ち込める。
「海軍本部」から『バスターコール』の軍艦が到着し、早速「エニエス・ロビー」を取り囲む防御柵が砲撃によって破られた。さすがに海軍本部の軍艦、一発の破壊力がけた外れである。

先ほどまで激しく渦巻いていた海流が納まっているのは、「正義の門」を全開にした為のようである。渦は巨大な門に阻まれた海流が生み出していたようだ。


サンジは事態を読んでそげキングに、直ちに塔から飛び降りるように言った直後だった。
軍艦からの砲弾が、そげキングの立つ「司法の塔」を直撃し、砕け散った塔は深い滝へと呑み込まれるように落ちて行った・・・。




ゾッとして青ざめるサンジとゾロの前に、飛び降りたウソップが墜落してきた。
肋骨を激しく損傷したが、無事である。




ゾロとサンジは、ウソップを連れてロビンのいる「ためらいの橋」を目指して地下通路をひた走った。地下通路の前方には、ナミ、チョッパー、ココロさん、チムニーと猫が先を走っていた。


地下通路の先、「司法の塔」の支柱ではルフィとルッチが戦っていた。
ルフィはギア2でなんとか互角になったものの、その効力が切れ、反動で息があがっていた。
ルッチは【ギア】のシフトアップの仕組みを理解する。
足をポンプにして血流を加速させ、血圧を極限まであげる。常人なら心臓が張り裂けるが、血管までゴムで出来ているゴム人間なら耐えられる。
身体能力は極限以上に跳ね上がるが、体力そのものが強化に耐えかねている、これは命を削る強化方法である。

だがルフィはひるまない。
「目の前でいろんな物を失うよりマシだ!!!やれる事は全部やってやる!!!」




ルッチは諭した。
「お前は全てを望み過ぎている!!!全員助けて無地脱出しようというお前のぬるい考えが、どこまで叶うか見せて貰おう」と言うと、【嵐脚】で塔の壁を壊した。これで海底に位置する地下通路に大量の海水がなだれ込み、地下通路にいる海賊共は溺れ死ぬ。

ルフィは「何やってんだお前ェッ!!!!」と動揺した。



「ためらいの橋」からは軍艦の群れが肉眼で確認できる距離まで軍艦が迫っていた。
ロビンは過去の恐怖が蘇り、その身を竦ませた。