ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

44巻-427話 ここが地獄じゃあるめぇし(ためらいの橋の戦い-10)

2016年09月07日 | エニエス・ロビー編





ロブ・ルッチは、ルフィが仲間達に笑顔を見せたのを冷ややかに見て言った。
「現状お前の言った通り全員生きてたな、たいしたものだ。だが数分後に同じ顔をしていられるかどうか、見物だ。”悪”はこの世に栄えない!!!」





ルフィとロブ・ルッチの死闘は続く。
だが、じょじょにルフィの【ギア】の効果が落ち、息があがっていく。
逆にロブ・ルッチは闘いながら饒舌に喋った。
「たとえこの島の形が滅んでも、『世界政府』の志向を邪魔するあの女は、地の果てまでも追って、おれが消し去る!!!”闇の正義”の名のもとに!!!」

ルフィが絶え絶えの息の中で言い返す。
「そこからロビンを逃がす為に、おれ達は来たんだ!!!」




ルフィにとってのおれ達は、もちろん”麦わらの一味”とそれを助けてくれたウォターセブンの同盟者達のことだろう、けど、それは800年の”闇の正義”に囚われて沈んだ”歴史”を開放するDの名を持つ者達のことなるかもしれない。


ルフィは【JETスタンプ】を放ったが、威力の落ちたそれは難なくかわされ、再びルフィの腹に【六王銃】が撃ち込まれた。
今度は血を吐いて倒れ、その体は小刻みにガクガクと震え、意識はなかった。
2人の間に、静寂が流れる。




ルフィの異変に気付いたそげキングは、海兵との戦いを抜けて橋の端へと駆け寄った。
ルフィが気絶?・・・いやもしかすると・・・。
倒れてピクリとも動かないルフィを見たそげキングは、仮面を取って、大声でルフィの名を呼んだ。
「ルフィ!!お前何やってんだよォ!!!起きろー!!ルフィーーーーー!!!!」





無防備に叫び続けるウソップの元へ海軍が行かぬよう、ゾロはウソップを守って戦っていた。

ルフィに、その声は届いていた。ルフィが意識を取り戻す。
「ウソップ・・・?お前・・・・来ていたのか・・!!?」







ルフィの目にウソップが映る。
もう二度と会う事はないと思っていた、仲間・・・。
自分が弱いばかりに守りきれず、失うしかなかったウソップがそこに居る。
出来る事ならば・・・。ルフィは、もう誰も失いたくはなかった。



ウソップはまた意地を張った。
「カン違いすんじゃねぇぞ!!おれはロビンを助ける為にここへ来たんだ!!お前の顔なんか見に来たんじゃねぇ!!!
おいコラ、ボスネコ!!俺様が相手してやる!!!かかってこい!!!」


ロブ・ルッチはその声の方へ向き直って、今にも飛び立ちそうだった。
ルフィは焦った。自分でも手強いのに、ウソップだと一発で殺されてしまう、だが体は思うように動かず、ただ叫ぶしかなかった。
「やめろよ、お前!!・・ハァ・・ハァ・・あいつに手ェ出すな・・!!!」
だが、敵が言う事を聞くわけもなく、敗北したルフィに見向きもせず、ウソップを睨みつけている。


ルフィの焦る心配をよそに、ウソップはロブ・ルッチを饒舌に挑発し続ける。
ルフィは動かぬ体で、必死になるあまりに怒りを増していった。
「バカか!!!やめろウソップ、殺されるぞ!!!こいつはおれがブッ飛ばすんだ!!!」

「だまれ!!!じゃあ死にぞこないのお前に、何が出来るってのか!!?
だったらすぐに立てよ!!!だったら死にそうな顔してんじゃねぇよ!!!お前らしくねェじゃねぇか!!!
爆炎で黒くたって空も見える、海も見える・・・、ここが地獄じゃあるめぇし!!!お前が死にそうな顔すんなよ!!!心配させてんじゃねェよ、チクショーーー!!!」


ルフィは立ち上がった。
「・・・わかってる・・・ここは地獄でも何でもねぇ・・・!!!」

立ち上がろうとするルフィに、ウソップが叫ぶ。
「勝って!!!みんなで一緒に帰るぞルフィ!!!」




ルフィは「当たり前だ!!!」と叫ぶと、再び体中のエンジンを再起動させたかのように煙を巻き起こした。だが、その四股はガクガクと小刻みに震え、先ほどまでとは明らかに違っていた。



ロブ・ルッチの方もハァハァと息は荒かったが【生命帰還】を解除して肉体を強化させた。
「一思いに潰してやろう、ハァ、仲間のことは心配するな!ハァ・・一人残らず同じ地獄へ送ってやる!!!」

ルフィはもう二度と【六王銃】だけはくらうまいと思っていた。
だが、豹の尾で体をがっちりと捉えられ、身動きできないまま、【指銃・斑】と【最大輪・六王銃】をその体にまともに受けてしまう。
ルフィの意識は一瞬でふっとんだ。




だが、ルフィは倒れなかった。
仲間達が戦う声が聞こえるから。
ロビンの抱える深い闇が哀しすぎるから。
全てを失くし、全世界を敵に廻してたった一人で生き続け、誰も信用できなくなったその先で、自分達をために死のうとしたロビン。
ナミの声が頭の中で回る。「ロビンは私達の為に死ぬつもりなのよ!?」
「生きたいっ!!!」と泣いたロビンを、この鳩の男は地の果てまでも追い詰めるだろう。
自分が、この男を倒さねば、ロビンは救えない。
その思いがルフィの底知れぬ力となっていた。

【ゴムゴムの・・・JET・・・銃乱打(ガトリング)】!!!!

その連打は一体何発繰り出したのか、本人にもわからない。
ただひたすらに、ただがむしゃらに、残る力の全てを拳に賭けて撃ち続けた。




ロブ・ルッチはなすすべもなく壁に激突し、その壁すらルフィの拳が打ち砕き、第一支柱は大きな爆音とともに半崩壊した。

ロブ・ルッチは倒れた。
その傷まみれの背に、今までどこにいたのか鳩が舞い降りた。
鳩は、もうこれ以上の手出し無用といいたげに男の背で「くるっぽー」と鳴き続けていた。




ルフィも倒れこんだ。だが意識ははっきりしている。
息も絶え絶えだけど、これだけは伝えないとならない・・・。
ルフィは大きく息を吸って、叫んだ。
「一緒に帰るぞォ!!!!ロビ~~~~~~~~ン!!!!」

その声はロビンに届く。
それは、あの日、サウロが命掛けで教えてくれた事だった。




同時に海軍側にも届き、全艦に報告が入った。
「全艦へ報告!!ロブ・ルッチ氏が海賊”麦わらのルフィ”に敗れましたァ!!!!」






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