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ワンピースまんがぱうち(レビュー・ネタバレ)

ワンピースをまとめながら、フラグとなる詳細を記録しつつストーリーを追っていきます。

644話 ゼロに   (図未挿入)

2017年04月14日 | 魚人島編




フカボシ王子が、ホーディに「お前は人間に一体何をされた、どんな恨みがあるのか!?」と問うた時、ホーディは「何も。おれ達は人間に裁きを与えるべく、天に選ばれ力を与えられた」と答えた。

-*---ホーディなにも

ホーディ達、”新魚人海賊団”を組織する若い世代は、人間に直接害を与えられたわけでもなく、直接何の恨みがあるわけでもなかったのだ。



ただ、物心ついた幼い時から周囲の大人達に、人間という存在がいかに下等で、いかに悪しき存在であるかをこんこんと聞かされ続けていた。
海賊時代開始後、魚人島で毎日人が死ぬのは人間のせい、人間が魚人を狩って奴隷にし、魚人の未来を潰したのは人間なのだ、
人間を殺した者は英雄なのだ、天に選ばれた魚人族の素晴らしい能力を畏れ、妬んだ人間が魚人族を迫害した。唯一魚人に勝る”数”という切り札で魚人族を海底に追いやったのが、歴史の真実だ。
人間は恐れている、いずれ来る「裁きの日」を、我々の報復の時を!!!歴史を忘れるな、死者達の無念を想像し、恨みを引き継げ!!!いいか、人間を呪え、これは聖戦だ!!!

--ホーディ子供 裁きの日

---アーロン「これは聖戦だ」


そうして植え付けられた人間への恨みと、英雄への憧れの中、その象徴であった奴隷解放の英雄タイガーが人間に殺されたとのニュースを耳にした次世代達は、怒りに突き動かされ、武器を持って立ち上がった。

人間に対する憎しみがあれど、直接人間に対峙したことのない若者達の怒りの矛先は、人間と仲良くする同胞の魚人達へと向かっていく。もちろん、人間との友愛を説くオトヒメ王妃や、国王も憎しみの対象でしかなかった。

劣悪な環境である「魚人街」に追いやった、魚人島本土の魚人達を仲間であるとの意識などなく育った子供達にとって、魚人島の人々も敵でしかなかったのだ。
復讐に捉われ、復讐をすべき使命だと信じて育った次世代の若者達は、それを実行する事だけが生きる目的となっていたのだ。
その使命を果たす為なら、凶薬にでも平然と手を出すことが出来た。


シラホシ姫を殺そうと追いかけてくるホーディの形相は、ES薬によってさらにいびつに異形と成り果てており、憎しみもまた留まることなく増幅の一途だった。
「これは聖戦!!命の限り人間を殺す準備を!!!おれ達は選ばれた!!復讐という”正義”を受け継ぐために!!!この報復におれ達は命を捧げる!!!」

---人間殺害のシンボル


フカボシの、涙ながらの声は続いた。
「手遅れだったんだ。いつしか疎通を失った『魚人街』は、まるで切り離された『魚人島』の暗黒の感情。我々は、海底深い無法の溝に蓄積し続けたいびつな”怨念”に見て見ぬふりをし、表面ばかりを整えて、前進した気になっていた!!
手遅れだったんだ!!!こいつらこそが母上が最も恐れていた存在!!!我らはまず、”内側”と戦うべきだった!!母は魚人島の怨念に取り殺されたのだ!!!あの人はそれに気づいていたのかも知れない!!!しかし、私は心のどこかでまんまと人間を恨んでいた。
死者の無念は死者のもの、”怨念”は生きる者が勝手に生み出し増幅させる幻!!僅かに人間を恨んだせいで見落としていた『魚人街』の怨念は、気づけば我らでは手に負えぬ程、強大な力になっていた!!このままじゃあ!!!魚人島は”人間を恨む心”で我が身を滅ぼす!!!
・・・”麦わら”頼む!!!過去などいらない!!!ゼロにしてくれ!!!この島をタイヨウから遠ざける亡霊を消してくれ!!!お前の手で!!!魚人島をゼロに!!!!」


---ふかぼしゼロにしてくれ

その頼みにルフィが答えた声が響いた。
「兄ほし!!おれの好きにしていいんなら・・・安心してろ!!広場に降りた時から、おれ達はジンベエと一緒に、魚人島は誰にも傷つけさせねェって決めてるんだ!!全部任せろ、兄ほし。友達じゃねェか!!」



---ルフィ友達じゃねぇか


この会話をきいた魚人島の人々は、逃げるのを辞めた。
こんな人間を・・・我々は疑っていたのか・・・。島に残り、共に戦おう、共に信じよう、人間を信じてみよう。



フカボシとルフィの会話の最中、「貯空庫」から発した巨大な泡は、ノアをすっぽりと包み、ノアの周囲に空気の層が戻った。
それを見たルフィは、「よわほ!!おれの近くにいてくれ、ケガはさせねぇから!あっという間に終わらせるぞ!!!」と言うと、【ギア2・武装ゴムゴムの火拳銃(レッドホーク)】でホーディを一撃で沈めた。

----ホーディを撃つ


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