眺めのいい部屋

人、映画、本・・・記憶の小箱の中身を文字に直す作業をしています。

『土を食らう十二ヵ月』

2023-02-20 19:31:52 | 映画・本

ごくごく個人的な「ひとこと感想」その5。


水上勉は、私の母親の故郷出身の人で、私にとっても個人的に「距離の近い作家」だった。なので、こんなところで映画として出会うとは… という驚きから観にいった映画。(晩年こういう生活をしていたとは知らなかった) 

映像として出てくる風景は母の故郷ではないけれど、湿った雪の積もり方などがよく似ていて、台所の様子や料理するときの風情、葬儀にまつわる会食風景にも、古い記憶を呼び起こされた。

と言っても、いちいち「これってちょっとオカシイ…」「そうじゃないと思うけど」「そんなに手放しで喜べることじゃなかった(とコドモながらに思った)けどな…」などなど。

田舎暮らしの台所って、あんなにキレイごとじゃすまない…というのが土台にあったんだと思う。

それに、ああいう土地は「本当に寒い」のだ。持病のある高齢者が一人暮らし出来るとしたら、相当な費用が費やされてると思うけれど、それは「映画としての都合」で触れないままになっているので、余計にヘンな感じがしたのかもしれない。

それでも、京都の禅寺仕込みというお料理はとても美味しそうだった。そのためにイロイロ省略されるのが当然… そういう映画だったのかな…なんて思った。

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2 コメント

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Unknown (お茶屋)
2023-02-26 16:17:55
水上さんの全集で近松門左衛門の原作の小説が一番面白かったと父が言ってたんで、なぜ近松門左衛門?と思っていたところ、お二人さんは同郷らしいです。プチ情報でした。
(^-^;
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Unknown (ムーマ)
2023-02-27 10:54:47
へぇ~近松門左衛門は越前の人っだったんだ。
そう聞くと、水上勉の小説の感じと近松のあのしっとり感が
なんとなく細い糸で繋がってる気がしてくるから不思議(シロートはコワイ(^^;)
でも近松作品に、なんか意味不明?の親近感も湧いてきました(^^;
(教えてくれてありがと~デス)
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