富士市を中心の郷土史

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富士市今泉の昔話(107)

2014年06月06日 14時52分07秒 | 昔話
富士市今泉の昔話(107) 今泉周辺の年譜(15)

内山の地に明治25年植林始めてより、「富士ひのき」の林業地が
逐次形成されたが現在その名残は少ない。我が家の明治40年植
林地の一景を残す。既に100年を超え記念樹としたい。107歳。
100年杉。平成元年に高さ12mの枝打ち完了。





100年檜。枝打ち12m。






我が家の口伝に家祖「嘉平」が明治末年間50万本の植林と聞かさ
れ、誇大と考えていたが古い家祖の手紙を調べたところ、明治
37年~38年の間に苗木購入の書状が在り驚いた。
書状合計で杉86万本、檜36万本であり、家祖の努力を改めて知
った。個人の植林にしてはあまりに大きく、或いは組合の仕事だった
かもしれない。
林業に関しては別稿を考えたい。





年次    西暦    事項
明治30 1897 1月。吉原商工協会設立。(吉原市)
          3月。県訓令市(よしはらまち町村区設置規
          則発令。(吉原)
          4月。焼失により新築中の吉原町島田村組合
          役場完成す。(吉原)
          7月9日。吉原町島田村組合役場の位置を伝法
          字南川原に変更す。
          (7月22日稟議認可在り)(吉原)
          7月25日。根方往還(吉原町―沼津町 4里
          半余)改良に付き、今泉村と吉原町外3ケ村と
          の間に契約成立せしも遂に未着手に終われり。
          (吉原)
          9月9日。潤井川出水、堤防決壊120間。
          (吉原)
          9月9日。暴風雨・津波。暴風雨により各河川
          が氾濫した。180棟以上の家が全壊し、田畑
          に大きな被害をもたらした。(市)
          9月9日。暴風雨被害大。全壊家屋11、同納
          屋12。半壊家屋19 、同納屋11.破損家屋
          279、同納屋132 計家屋損傷309、納屋
          損傷155。(原田)
          9月30日。潤井川・赤淵川洪水。暴風雨の為堤
          防が切れて崩れ、柚の木、五味島、本市場新田、
          蓼原、高島に大きな被害をもたらした。又赤淵川の
          氾濫により、富士岡、中里に大きな被害をもたら
          した。(市)
          この頃ハンケチの製造業始まる。(武田万吉)(須津)
          隔離病舎の工事完了。(吉原)
          明治30年以前の手製の製麺業が水車の動力を利用
          せる製麺機を以て製造を開始せり。(今泉)
明治31 1898 4月。吉原小学校新築落成。(移転)(吉原)
          6月5日。潤井川増水。(吉原)
          6月5日。潤井川洪水。大雨により、潤井川の堤防
          が切れて崩れた。(市)
          7月。民法及び戸籍法実施さる。(吉原)
          衛生組合設立。(今泉)
          夏。機械を用いてラムネ、サイダーの製造を始む。
         (木下熊太郎、吉原町)
          竹行李製造業開始。(佐藤増次郎、先久保に仮工場
          を建て)(須津)
          工業の先駆竹行李製造輸出を始む。(吉原町堀内氏)
          最初工場を三島に設け後に伝法にも工場を作れり。
          (吉原)
          田子の浦に大津浪押しよす。町村の人畜に被害なか
          りしも、耕地は多大の被害を被れり。(吉原)
          赤痢病流行す。(伝法)
          9月3日~7日。潤井川洪水。本市場新田、五味島、
          蓼原の堤防が切れて崩れた。岩本村では、死者2名、
          行方不明者1名の被害が出た。(市)
          9月10日。潤井川洪水。堤防が切れて崩れ、宮下、五
          貫島の家屋、田などが流失した。(市)
          12月。裁判事件僅少なるの故を以て吉原区裁判所裁
          判事務を廃止す。(吉原)
明治32 1899 4月28日。潤井川新川開発工事竣工。(山橋―富安橋
          間439間)
            (吉原)
          6月。岳南製紙会社、蒸気、電気の動力を用いて製糸
           を主としたる製紙業を始む。(今泉)
          8月。隔離病舎建築。(吉原)
          9月。青年補習教育開始。(吉原)
          10月7日。田子の浦村海嘯に襲わる。原田小学校全
          職員全児童見舞金として1円12銭5厘を贈る。(原田)
          10月7日。田子の浦津波。午後3時20分頃、田子浦
          村に大津波が在り、付近の沿岸一帯に大きな被害をもた
          らした。死者57名、負傷者162名、家屋の全半壊
          105棟、流失348棟、床上浸水510棟、床下浸水
          340棟。(市)
           赤痢病流行。(市)
          10月。田子の浦村海嘯罹災者救助に活躍せし事に対し
          木杯1個下賜を以て本村表彰さる。(原田)
           11月6日。原田村に住民救護会創立。(原田)
           11月30日。原田村隔離病舎建築。(原田)



庭の盛りであった「箱根山椒薔薇」が散り始め、未央柳の黄色が賑やかとなった。
下野草の色濃も有り難い。