汁のチカラ

2013年04月05日 | DIY
 今までは、カマや包丁などすぐ使う身近な刃物を研ぐ時、ある程度とぎ汁がドロドロになった時点で、その砥石ごと洗い水につけて、大切な砥石の細かい石粒を洗い流してしまっていました。カマとか包丁とかは比較的よく使う刃物なので、刃先がいつも鋭利な状態であり少々のサビや刃こぼれなどは気にせずいつもの砥石で手早く研いで、最後に油を少々施せばそれでOKだったからです。


 しかし、サビか゜浮いた刃物や素材か゜堅固な鋼などでできているもの、またはその両方となりますとチカラを込めて時間をかけてじっくりと研ぎあげる必要がでてきます。
例えばこんな例。昭和初期の曲面カンナです。今のホームセンターなどで売られているきちっとしたものと違って、カンナ台そのものも手作りの跡がはっきり見てとれます。当時はこれを作る専門の職人さんもいたのでしょう。あるいは当時の大工さんが直接手作りしていたのかも知れません。
  

 こんなカンナも。 
ふつうのカンナはカンナ台の根本を叩いて後ろに引っ込めてとりだしますが、この敷居カンナはそれとは反対に前にせり出させて取り出します。


 敷居カンナの外観です。      

その刃を研ぎます。   

 これらの刃に浮いてこびりついた、頑丈なサビを砥石で研ぎ落とすにあたってはやはり、日本の極意ですね、チカラまかせではいい結果は得られません、コツがあるようです。やや粗い、他の砥石であらかた研いでおきます。


研ぐうちにたまってきた研ぎ汁です。

水を少量つけて研いでいくうちに濁り水→泥水へと変化していきますが、この水を決して洗い流さずごくごくわずかずつ水を足していって研ぎ続けるのです。砥石の削られた微粒子が刃物と砥石の接点面で刃物の金属を滑らかにこそぎ取ってくれるようなのです。
これはカンナ刃専用の滑らか砥石。もちろん仕上げ近くで使いましょう。 






専用砥石で研ぐ一歩前の段階です。 
 二枚刃が多い
ようですね、昔のは一枚刃で刃の裏に紙などを挟み込ませて安定させている構造でした。  泥汁を洗い流さず使った本日の砥石さんたちです。 

 最後に今日の仕事のお披露目。  

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