妻籠の花と道④

2013年05月31日 | 
これなどは里山でごくありふれた山すその田んぼ道です。




来る人のために道は残され、砂が敷かれ歩き固められて輪郭がはっきりしています。しかし、下の田んぼはもう作られて(耕作されて)いません。放棄されてまだ日は浅いでしょう、田んぼの原型がはっきりと見てとれますから。

この道は、まさにこれから来る人々のために手入れされており、椿の赤と桜のピンク 道の白さがキレイでした。



妻籠の水の流れ

2013年05月30日 | 
馬籠までの道中にある、雄滝(おたき) と 雌滝(めたき) です。




落差の大きい方が多分、雄滝でしょう。 吉川英治 作品の小説宮本武蔵 の決闘場面の舞台にもなったそうな。
いいですなー。 お通(つう)さん
従順を旨としながら、命をかけて決闘を繰り返す 宮本武蔵につかず離れず寄り添った、永遠の女性



妻籠の花と道③

2013年05月29日 | 
これは明らかに人の意識によって作り出された産物ですね。とても美しい。    一本の木に二色の花、中には濃淡を変えてさらに複数の色が混在している木もあるような気がします。

 誰もが目を奪われる見事さです。

しかしこちらの山桜の、この配色はどのようにご覧になられますか。

  辺りの木々や、背景に見えている大きな樹、さらにその奥にある青い空、流れていく雲・・・。
山桜の花色があって、旅人は初めて気づき ここのスポットエリアに目を向ける。

ああ、綺麗だ。それだけのことなのですが、地味で見慣れた日本の建築家屋のようにして山桜はそこで棲息し続けているわけなのであります。万葉集だったか古今和歌集だったか、敷島のやまとごころを人問わば・・・・・の歌みたいですね


妻籠の花と道②

2013年05月28日 | 
を歩きます。そこここに、大小の花があり、特に意識してそうしたわけでもないと思いますが、偶然がそうしたにしましても何か見えない演出家がいるような不思議な感じがします。

花、とはそれが進化してきた上ではおそらく全くの偶然が重なってできてきた産物であろうかと思います。人間が感情移入して楽しんだり利用したりするためのものでは、ないでしょう。でももしそんな冷めた物言いで花を片付けて割り切ってしまうのも、文字通り味気ないものになってしまいますから ここは素直に 木曽路の人々の生活の間に息づく花々を愉しみながら歩いていくことに致しましょう。
 

 
 

妻籠の花と道

2013年05月27日 | 
南木曽から旧街道を歩いて、妻籠(つまご)宿→・・・・→馬籠(まごめ)宿と辿りました。
 木曽川の手前の広場には鯉のぼりが泳いでおり、紅白咲きの花桃が木曽路の春の訪れを祝っているかのようです。
歩いてみると結構な道のりがありました。疲れましたが道々目に入ってくる花々に心癒されました。のどかな山里の田園を縫うようにして、街道が続いています。 古木に咲いた花。 

今なら、木曽川づたいの国道を車がスイスイ、高架橋上を通された高速道路が車をピュンピュン運んでいます。時間を極度にケチった結果が、きっとそのようにさせたのでしょう。

旧中山道は、人間が自分の脚で旅した実物です。もちろんそれなりに時間に限りはあったにせよ、旅人達は今MHが辿っているような風景を眺めながら次の宿場をめざしたことでしょう。


こんなに寂れてしまってますが、当時の街道筋は色んな人が意外な場所で意外な風に過ごしていたのかもしれません。あと何年かすると、リニアが通り、増々こんな時間の止まったような(止まったように見える)旧街道は忘れ去られてしまうのかもしれません。

捕食者

2013年05月26日 | 昆虫
の散歩中に見つけました。
舗装道路を急いで横断中。道路反対側の山中へ移動していたのでしょう、とても敏捷でエネルギッシュです。 MHは今までこれを ゴミムシ と呼んでいました。ごみ溜めのような所にいて、セカセカムシャムシャと餌をあさる、ハゲタカみたいな奴。何か不潔そうだし、噛まれるようにも思えてこれを捕まえたことはありませんでした。
この日はちょうど、例のゾウムシさんが出現したその直ぐ後に 現れたものですから、ゾウムシを入れた 容器を彼の急ぎ道中先に置いたところ、あっさりとお入りになったのです。

ゾウムシと一緒にアンモニア・ルームへ案内しました。



彼は間違いなく ハンター です。入れてすぐに大股で動き回り、一刻も早くアンモニアから逃れようと必死になりましたが、神経系が発達している証拠に 短時間で手足をピクピクと痙攣させてひっくり返ってしまいました。



ゾウムシの方は、その何倍も動き続けていましたが、彼はあっけなかったです。
 ゴミムシ、と呼んでもあながち間違いではありませんが、この仲間は オサムシ と呼ばれ、愛好家がたくさんいらっしゃるそうです。
中には、虹色に輝く美しい種もあって、かの有名な漫画家の 手塚治虫さんの名前はこの虫にちなんでいるとか

なんじゃもんじゃ

2013年05月25日 | 
岩村町からの帰り道に、花白温泉 というひなびた温泉があります。


源泉は冷泉ですが、重油等を炊いて適温にして地域の人々に利用してもらっていました。
腰痛や通風に効能があるようです。
最近は間伐材を利用した 薪ボイラーを導入したりして、荒廃しつつある山林の手入れにもなるように考慮した経営がなされていると聞きました。
余力のある山林の持ち主が、山の手入れがてら間伐材や雑木を軽トラに積み込んで、決められた集積場へ行き、ある種の金券に交換したりするしくみが一部にできつつあり、花白温泉はそういった間伐材等を温泉沸かしに利用しているみたいです。

例の モリ券 発行もここらへんの地域でやられているようなのです。またそのうちに詳しく調べてみようと思います。

その花白温泉のすぐそばの民家に、立派な ヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)の木を見つけました。



  

栗の花にも似ているようですが、香りはほとんど感じられません。花が上品で清楚な印象です。


立派なオオゾウムシ

2013年05月24日 | 昆虫
象虫、とはよく言ったものです。


頑丈な装甲、象の鼻によく似た口吻皮膚の質感・・・歩いている姿も堂々としていて、鳥などの捕食者を怖れている風も見せません

1円玉(直径約2cm)との比較です。


実際、ゾウムシ の手足を見ますと カブトやクワガタのそれに近く、調べてみますと彼らは マツやスギの切り株から出現するそうであります。
子供はカブト・クワガタを好みます。MHもそうでしたが、ゾウムシなんてなんかのゲテモノついでのような印象で、興味の対象外でした。
そもそも、ゾウムシそのものが日常的ではなかったのです。

まずはその大きさ

一円玉くらい、なんですよ。コクワガタにも満たないような、コンパクトさです。

おまけ。
これで気づきましたが、アンモニア室が長すぎて(彼はまるで戦車です、鎧のすき間からアンモニアが効いていくのにすごく時間がかかりました)、触角の片方が欠けてしまっています。  

スキャナー写真の欠点で、立体感が今一つなのがとても残念なのであるわけですが、このゾウムシは クワガタの平べったさ と違い、カブトのモリモリ感とも違い、何か新しい指先玩具的な魅力が見いだせるように思います。
お寫眞撮りのために永久に動きを奪ってしまってすみませんでした。次回お姿を現していただける様でしたら、ゾウムシ様のお好みやら色々お調べしておきますので、ご遠慮なく出現下さいませ。  
敬具

岩村の雛祭り③

2013年05月23日 | イベント
岩村の町の名産 のひとつに、女城主 という造り酒屋の酒があります。

このお酒は、全国品評会で何度も入賞するほどの品質を誇っています。芳醇なお酒で、ウマイ


建物と建物の間には しゃれた庭空間が。ここを小川が横切っています。



出ました、呑兵衛おじさん達


 お猪口ひとつ幾らかで購入すると、樽酒が飲み放題?になるそうで、この人達はバスツアーかなんかで来られたのでしょう。ホールは人いきれと石油ストーブとお酒の匂いがいっぱい。 早々に退散してきました。


お土産用のお酒を購入して、早春の岩村を後にしました。




岩村の雛祭り②

2013年05月22日 | イベント
続きです。

   かつて藩主が女性であった時代がありますので 女城主の里 として近年アピールがされるようになりました。ステージの上が女性ばかりなのも、そのことによります。

三月三日はひな祭り。でも本当は、この地方は標高が高く寒冷地ですので月遅れの 四月三日がひな祭りです。観光向けに全国平均の三月三日にイベントをもってきたのでしょう。それにしても陽射しはやわらいではきたものの、風が冷たい!




年数は経っていますがキレイに手入れされた民家(街道筋の家ですから、昔は宿屋や商家だったのでしょう)の座敷を利用して、お雛様が飾られています。


なかにはこんなものも。
  

岩村の雛祭り

2013年05月21日 | イベント
少し前の、まだうすら寒さの残る高原の町、岩村町です。  この日は旧宿場通りの商店街も歩行者天国に開放され、多くの観光客が訪れました。
  美しい奥方と共にMHも訪れてみました。

 普段はもちろん、生活の場となっております中央通り。 
花の少ない時期、色のついた花餅で遅い春を待ちます

城下町にちなんで、イベントも開かれました。       

女王の風格、ローマの休日

2013年05月20日 | 昆虫
 って、嫌われ者ですよね。

なんかジタバタした動きばかり目立ち、それでどこか居汚いような、見た目 粉まるけ で 辺りを汚すし、第一、 蝶に比べて 華麗さがない

夜に電燈めがけて飛んできたりする。 ついでに 粉 をまき散らす。 かと思えば、あれ こんなところに。 窓辺の片隅に 朝っぱらから ひそかに羽を休めたりしている。 
    この子は MHの ふと目にとまり捕えられてしまいました。学名とか 俗名とかは、そのうち調べます、知ってみてもそう意味ないし、それよりも今見たことについてまずは、取り組んでみませんと。


 
堂々たるマントをまとった女王様が、たまのお出かけで MHオヤジにつかまってしまい、 アンモニア・ルーム など ワラワは嫌じゃ。手を触れるでない、この下僕が! と言わんばかりの彼女の姿ですが、本当は、朝の光のそのただ中で羽を休めていた彼女の姿は、こうではありませんでした。四枚の羽はピッタリと閉じられて、コンパクトな状態でいたのでありますが、誇り高き性分だったのでしょう、アンモニア水で責められてクターッとなりましたら、こういうふうになってしまわれました。 お寫眞のできが悪くて、ゴメンナサイ。女王様のせいではありませんので。 


 皆様、ご存じですか

昆虫は、私達人間の 反対の生き物であることを。  どういうことかと申しますと、体のつくりです。

地面に対して、犬猫は 腹を下 にして生活していますが、昆虫 はその逆で 腹を上 にして生活しているということなのです。もちろん生き物の常として例外は必ずありますが、今までの研究によりますとこうした表現で概ねオッケイみたいであります。

昆虫の皆様は、表を上に向けている
 
こういった姿↓は、彼らの正式写真なのであるわけです、

 
彼らの腹側、すなわち 正式な表向きの写真になるわけです。

  こちら側が、背中になるんですね。

土壁

2013年05月19日 | 田園
ときどき通りかかる場所に、このような所があります。



右手は舗装道路でして、車も人も通る広い道ですが 以前は左手の丘の斜面を削ってつくられた農道であったと思われます。長い年月かけて竹や木の根がしっかりと食い込み、苔や地衣類が生え、風雨によって下の方を少し削られて オーバーハング気味のみごとな 土壁 になっております。
 大昔は川であったのでしょう、下の部分には小石が目立ち、角が丸いことからそこそこの流量があったことが想像できます。
そこから上の部分は粘土質の赤土が堆積しているように見てとれますので、地形などの変化によって比較的ゆるやかな水流に運ばれてきたものなのではないでしょうか。
このように地層面が露出しますと、侵食作用により次第に露出面が変化していきます。
岩石土砂以外にも、植物がそこに関係してきますので、これはあくまで想像ですが、(1)風雨・雨水が崖の表面の細かな砂を運び去る。(2)崖下層部に多い丸石が脱落して穴があき、侵食が進む。(3)上部から中間層には植物の根が進入していくので、侵食の速度が小さくなる。
このようにしてオーバーハング土壁ができていくのでは。



土壁建築もこれに倣ってか、木や竹の骨組みにワラ簾さを練りこんで発酵させ粘りを出した 壁土 を塗りつけて整形していきます。古い民家の、崩れかけた土壁は ある種の貧乏くささや寂寥感を感じさせるものですが、目を転じて こういう天然の土壁状態 に評価を与えてみましょう。

なかなか、味わい深いと思いませんか。



麦カメムシ

2013年05月18日 | 昆虫
下の写真の頃に比べて、スズメの額畑の 麦の穂 も育って、花をつけています。


稲 の花と比べると、花期が長いようでもう2週間くらいは咲きっぱなし。穂をゆすってみると、おしべ の花粉がつまった 葯(やく) から花粉が振りまかれます。

まだ中身も詰まってきていないはずなのに、はやばやと カメムシ が来て麦の穂にとまっていました。



裏側になります。

 左側に置いた米粒を見て想像するのですが、こやつらは 穀類の 登熟期 に合わせて飛来し、ニュルニュルッ とくちばしを差し込んで栄養たっぷりの 濃いジュース を吸い込むのでしょう。ですが、米粒・麦粒まるまる一個分を吸い尽くすようなことをせずに、チュッと 味見?程度 に吸っては次に行っているのではないでしょうか。

そのせいで、カメムシ被害にあった 穀類は 醜い斑点がいくつも残り、特に米の場合は出荷時に等級が著しく下がったりしますので、農家からは嫌われています。

塩カラ?塩ヤ?

2013年05月17日 | 昆虫
 びっくりしました。

こんな早く、 シオカラトンボ(最初そう思いました) がうちの畑にとまっていたのです。普通シオカラさんは、夏ですよね、7・8月の。
 



 朝方の比較的気温の低い時でしたので、苦もなく捕まえることができました。上は生前の様子です。

別室処理の後スキャナー撮りしますと、背中の羽の付け根部分はこのようになっております。  たくましい羽を動かす筋肉群の迫力が感じられます。
で、裏側はこのようになっております。
 上から見るとシオカラトンボ、下から見ると ムギワラトンボ。
この種は シオヤトンボ(塩屋蜻蛉) といい、体長が約43mm、 シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)の体長55mmよりも小振りです。

両種とも最初は ムギワラトンボ(麦藁蜻蛉) の黄色と黒の縞模様ですが、 オス は成熟しますとご覧のような 青白い粉 を吹いてきて区別できるようになります。

シオヤトンボ の方は、粉の吹き方が背中全体・しっぽの先までに及ぶ点で、出現期は4月から6月までです。