クマゼミ ー 単眼

2015年09月29日 | 昆虫
 クマゼミ・シリーズ最後です。

単眼のお話しです。どのセミも、単眼の数は三つ。



 それはなぜかというと、またgoogleからです。

セミ、ハエ、バッタ、トンボ、ハチなどの単眼は3個で、三角形に配列されている。飛ぶときに前方の単眼で身体の縦揺れ、後方の2つの単眼で横揺れを検知して、飛行姿勢を調整している。
単眼は明暗分布を素早く検知するだけで、きちんとした像を捉えることはできない。

縦に揺れるようにして飛ぶチョウの単眼は2つで、カブトムシには単眼がない。

また、クモには複眼がなく、頭胸部に8個の単眼があるだけで、ハエトリグモなどいくつかの種を除きクモの目はほとんど見えていない。その為、触毛や聴毛などの感覚器官を使って獲物の場所などを把握する。
ハエトリグモの8個の単眼はそれぞれが異なった働きをするので(周囲の動くものを素早く探る役割をする単眼とその正体をじっくり見定める役割をする単眼)機敏に動くことができる。

はーっ、なるほど。





クマゼミ、ということでー口吻

2015年09月28日 | 昆虫
 これが樹皮にねじ込まれるんですね。真ん中に筋溝があります。きっと毛管現象によって導管や師管の樹液が吸い込まれて行くのでしょう。
周囲の細毛は刺さり込む方向の逆を向いています。樹皮の繊維を掻き分けるように挿入する際に、力加減を調整する為のセンサーの役割をしているのでしょう。

  口の部分です。筋溝を覆うようにしていますが、ここにセミの「舌」にあたるものがあるかもしれません。水分の多い導管からの樹液なのか、養分を多く含む師管のものなのかを感じとっているのかも。

 うわぁーっ出た!  バルタン星人!  大迫力。
本当にこんなのが、人間サイズか怪獣サイズで現れたら腰ぬかしますよね。




たぶんクマゼミですが。

2015年09月27日 | 昆虫
 「何の蝉だったかわすれましたが」の続きです。
クマゼミ、としたのは背中部分に残る独特の青緑色が決め手です。


 向きを変えてみました。腹背部にも若干、青緑色の部分が残っています。経年劣化(褪色・分解・剥がれ)するのでしょうか。

 背中と翅以外は茶色くなり、脱皮する前のような色合いに。
大きな二つの複眼の間に、赤いルビーのような単眼が三つありますね。



裏返してみました。口吻の付け根の部分です。迫力がある、と言いますか女性はこういうのは苦手なんではないでしょうか。男性は、怪獣シリーズやら仮面ライダーで慣れてますが。
 セミの口(口吻)は“樹皮”に刺しこまれ、その中の導管・師管まで届けば樹液が吸える、ということらしいです。

夏の木の樹皮は爪で傷がつけられる程度の堅さであることと、口吻が針状であるために、木の繊維質を切断せずに繊維と繊維の間を分けるように刺し込むことができる。googleで調べたらそうありました。納得。





何の蝉だったか忘れましたが(3)

2015年09月26日 | 昆虫
 今度は腹側から見てみましょう。
nano・capture(2)1はこちら)はLEDライトで照らして撮影します。LEDの明るさのため、半透明であっても内部に光は浸透せずに乱反射した光を優先して拾ってしまうのでしょう。
画像左上が尾部です。
私たちの体の、乾いた爪の感じに似ている気がしますね。ということは、同じプロテイン成分でできているのでしょう。



  ぐーっと寄って胸元です。樹液を吸う口吻(ストロー状?というよりも筋の入った剣のよう)の先端が見えます。

 さらに胸元のアップ。

 あちこちに「毛」があります。自然は無駄なものを作りませんから、これらの細かい「毛」には何らかの役割があるものと思われます。
再び腹部のアップ。透明に近く、LEDの光が一部浸透しています。

  そしてまた尾部にやってきました。茶色をしています。細い毛は、空気の流れや湿度などを感じ取る役目でもはたしているのでしょうか。

  死んでからずいぶん経っているというのに、光沢があって瑞々しささえ感じられます。




何の蝉だったか忘れましたが(2)

2015年09月25日 | 昆虫
  いわば蝉のミイラです。水分というものがすっかり抜けて、乾燥状態の色彩が残っています。

  腹部は茶色に変色したようです。翅は乾くことによって、人工的な質感をもつパーツに変化しています。このまま、現代的なメガネ・フレームのデザインにでも採用されそうな。


 


  あー、捨てずに取っておいてよかった。ミクロの写真がこれほど感動を与えてくれるとは。

 やはりこれはクマゼミでしょうね、背中の模様と色の名残が、どうもそのように思えます。



何の蝉だったか忘れましたが。

2015年09月24日 | 昆虫
 一昨年、捕獲して保存しておいたものを「nano.caputure」(sightron japan製)で撮影しました。
これは翅の付け根の部分です。
一年以上経過しているのに、色鮮やかに撮れています。




ついで、翅の写真。同じく、透明なセロファンの様な被膜がそのままに。感嘆すべき造形美です。

  まるで、ミニチュアのステンドグラス。背後に見えるグリッドはひとマス5mm。

 たぶん、これはクマゼミでしょうね。




アシナガグモ

2013年06月18日 | 昆虫
ゴメンナサイね、ふだん恰好よくあんなに颯爽としてらっしゃるのに MHに捕まったばっかりに・・・・。ご自慢の鋭角に切り立った超々長~い長脚がご覧のようになってしまって  とても反省しています。
MHはあなたを前後左右縦上横下、完璧な立体使用でデジタルに載せたかったのであります。
ファーブル先生の頃には、スキャナーなんてありませんでしたから。

でもはっきり申しまして、まだまだ、夢ですね。デジタルは限界にきております。それでは次の技術は何か、と申しますと それは ホログラム なのですが、少なくともこの4~5年の間 全く噂にさえも登ってきません

一体なにがあったのでしょうか。


 こんな小さな本体で

  四方八方こんなにして全体をコントロールする。

 カンブリア爆発の末裔ですか、あなたは?

しなやかなアンテナ

2013年06月17日 | 昆虫
昆虫の目が、ものをどのように捉えどんなふうに知覚しているかは それこそ昆虫になってみないことには分かりません。

人間ならば、自分の見えているようにして他の人も同じ映像を捉え同じ神経信号が脳に届いているらしいことは おおよそ理解できます。 その後の心理的な脳内処理は多分に個性の問題になってきますので、あくまでも「見え方」についてのみの話ですが。

このハチは、頭部の触覚を非常になめらかにあやつり、そこに何があってどんな形状をしているのかまで探っています。もしかしたら、臭覚もこのアンテナに備わっているのかもしれません。ムチのようピアニストの指先のように部屋を掃除するメイドさんのように、細かなすき間のひとつも逃さず感知しています。
その超精密アンテナは、なんと顔の真ん中から直立しているではありませんか!

 第三の目ですね。




犯人探し

2013年06月13日 | 昆虫
では一体、ハーブの葉っぱを食害したのは誰?

アブラムシは 吸汁専門。  
葉っぱのあちこちに丸いフンがあり、テントウ幼虫のものかも知れませんが、これはどうも何かのイモムシがしたものではないか。

  食われた虫の死骸をみつけましたが、これはクモに体液を吸われたもののようです。糸がたくさんからまりついていますから。

で、やっとこれを一匹発見しました。   

兵隊さんたちは、葉っぱを食べるこのイモムシを食べていたと思われます。そしてほとんど食べつくしてしまい、このような事が始まったのかと。

そろそろ変態(さなぎになる)次期の、活動が弱まった仲間を両方からかじっている様子です。 

   共食いに遭うと、完全変態できなくなって、こんなような姿になってしまうのでしょう。

麦と兵隊

2013年06月12日 | 昆虫
麦秋、と申しまして 早くも麦の取り入れの季節になりました。穂は色づき茎葉は黄金色に変わりつつあります。
その小麦の充実期を、アブラムシは逃すことなく穂にとりつきます。ちょっとピンボケな写真で申し訳ありません、これ一枚なもので。      グルテンをたっぷり含んだ、おいしい小麦のデンプン・ジュース や、やめてくれっ誰か何とかしてーっ。



そこで写真撮ってるあんたさんには、何の縁も義理もありませんが、こいつらと戦わせてもらいます。

 兵隊さんがきてくれた。

 
つ、強そうーっ
。 
  
     な、なにっ?あいつらが現れたの。早く逃げなきゃ。  
ムシャムシャ
  おぃおぃーっ。こいつらは俺たちの家畜だぜ、勝手に食ってもらっちゃぁいかんぞぉっ。とアリさんマーク。  ママが来ました、ママが来た。  
おほほほほほほっ。なーに言ってんのよ、食べたもん勝ちに決まってるじゃないの。さぁ子供たち。思う存ーーーっ分、食べなさいねっ。  あっ、でも食べるのは他の種族だけにしておいた方がいいわよ って、共食いしたらいけません。

兵隊さんは大変なのであります。

変態②

2013年06月11日 | 昆虫
 その変態三男はこんな顔をしておりまして 
  頭のトゲトゲがおしゃれなメッシュになっていますね。  やんちゃで暴れまわっていた頃は  パンク・ファッション をバリバリにきめておったのです。

疑ってごめんね、天道(テントウ)一家は葉っぱを食べる連中を退治してくれていたんだ。
 
彼らは肉食で、お百姓にしてみれば 益虫 でした。 裏↓
 蛹からまた成虫になっても害虫を平らげてくれるそうですから、

ゆっくり 変態 して下さい。


※これらは健やかな変態ですが、           ⇒これは多分、変態失敗。共食い?にあった可能性あり。⇒    

きゃー変態っ

2013年06月10日 | 昆虫

へっへっへっへー
危うし、おヨネ(米)さん
大事にしているハーブが虫食いだらけになり、それでもイモムシらしいものも見つからず、へんだなーと思ってあちこち葉っぱを調べていると こんなのが。
次男もへんたい長男も      口から黄色いボンドを出して
     葉っぱに貼りつき ↓ (これ三男) 
 
変態の真っ最中なのでございます。

ジョウカイボン

2013年06月06日 | 昆虫
こないだの キクスイカミキリかと思いました
でもつかまえてみますと、カミキリムシらしくなくて何だかクニャッとしています



比べてみますと  キクスイの方がずっとスリムですね。 米粒で比較してみて下さい。 キクスイより大きいですね。

裏側はこうです。     頭部を拡大しますと      鋭い牙が一対。おぬし、肉食であるな。 

幼虫・成虫とも肉食で、他の小昆虫を捕食しますし、成虫は花粉や蜜なども食べるそう。 ジョウカイボン と申しまして、カミキリムシではなくホタルに近い種族だそうです。

ぽっかり開いた口からベロが出ているようにみえますが、アンモニア昇天させていますので、おそらく閉じていた口が開いてしまった状態なんでしょう。 もし閉じていれば、富士山型のクチビルになっていたかも。



 昇天後。 

キイロサナエ

2013年06月05日 | 昆虫
最初、シオヤトンボのメス=ムギワラトンボかと思いました

いつもの早朝、神社下のアスファルト道路に死んでいたので、拾い上げてみますと 複眼がどうも違う



シオヤトンボはこのように青みがかったグレーの複眼です。
  さらに拾得物の方は、よく見ますと両眼がくっついておらず離れています
この個体は死後数時間以上経過しているものと思われ、胸部(翅の付け根より上の部分)がやや萎んでしわがよっているのが分かります。よく車にひかれなかったなー。


シオヤトンボのアップです。複眼はくっついています。  
裏側です。
大きさは6cmぐらいの小ぶりですが、これはムギワラというよりは ヤンマ の一種では



胸部の黄色いL字模様から、これは キイロサナエ だと思われます。晩春(ちょうど今頃まで)に現れるトンボらしいのですが、初めて見ました。

神社下のこの道路のその下にきれいな里川が流れています。ヤゴはそこで育ったものでしょうか。

翅の使い方②

2013年06月03日 | 昆虫
コアオハナムグリ は外の固い覆いを少しだけ開いて、中に収納してある柔らかい翅を使って飛びます。



ゴミムシ、じゃなかった、この種類は クロキタオサムシ というのだと思われますが、せっかくですので覆いを開いてみました。



ごめんね、君、腹ペコだったんだね、しばらく獲物にありついてなかったんだ。ペシャンコの腹部でした。

それにしても 翅が見当たりません

オサムシは、翅を捨て 強靭な脚を持ち、優れた感覚神経と運動神経を発達させながら 地上の狩人となって肉食生活を始めたのです。
空中に飛び立てるということには色々と利点があります。敵から身を守る、餌場が探しやすい、交尾相手に会えるなど。しかしその半面、体は軽くする必要があるし翅は収納部からの出し入れで痛みやすい。なによりも、一部でも破損したら飛ぶことができないといった欠点もあるわけです。

彼らのように、翅を退化させ地上生活をするようになった種族、それもミミズや他の昆虫などを食べて高カロリーのタンパク質を摂取する種族は自ずと 命の恩恵を得られたようです。事実、彼らは 冬越しして何年も生きる そうですから。   他に冬越しする昆虫にカメムシがいますが、きゃつらはチビですし居心地のよさそうな布団や毛布に遠慮なしに潜り込み、うっとうしいことに飛びもします。 第一 臭いしMHの中では ゴミムシじゃなかった、オサムシよりランクは下であります。

あ、お食事中の皆様申し訳けありませんでした。