日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

早春の津軽を行く - 弦や

2020-02-22 22:35:42 | 居酒屋
風景印をもらい、そのまま「はすや」へ向かったところ、信じがたい光景が待ち構えていました。遠くからでも一目分かる緑色の行灯が見当たらないのです。それ以前に気付いたのは、そもそも路地の眺めが違うということでした。郵便局に立ち寄って、逆方向から向かったため勝手が分からず、違う路地に入ってしまったのかと最初は思いました。しかし、改めて見回すと周辺の建物は確かにあります。それらとの位置関係から気付いたのは、建物もろともなくなっているという衝撃の事実でした。
あれほど繁盛していたところが、突然店を畳むというのはいかにも不可解です。まず思ったのは、どこかへ移ったのだろうということでした。ところが電話をかけても繋がりません。次なる可能性として浮上したのは店舗の建て替えです。かつての商店兼家屋の二階に間借りした店は手狭で、大地震にでも見舞われたときのことを考えると心許ないものがありました。建物の基礎らしきものが跡地にできていることからしても、建て替えの間だけ休業している可能性は考えられます。とはいえ今はこれ以上のことを確かめようがありません。潔く目標を切り替え、「弦や」の暖簾をくぐるという顛末です。
あれほど愛用してきた店が忽然と姿を消せば、呆然と立ち尽くすことになるかと思いきや、自分でも意外なほどに冷静です。繰り返すように、不振で店を畳むということは考えられません。新天地で再出発するのであれば、むしろ楽しみにさえ思えてきます。いずれそうなるまでの間は、趣向を変えるよい機会といってもよいでしょう。明晩は「弦や」でとことん呑むのも一興、「山水」が開いていれば久々に訪ねてみるのも一興、初見の店を試してみるのも一興といったところです。

弦や
弘前市本町76
0172-34-9951
平日1100AM-1330PM(LO)/1800PM-2330PM(LO)
土曜及び祝日 1800PM-2330PM(LO)
日曜定休

香るエール
めっ
お通し(真鱈カレー炒め)
花椒辣醤香菜焼餃子
葉くるみ
パッタイ
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早春の津軽を行く - 弘前郵便局

2020-02-22 21:57:58 | 東北
近年頓に食が細り、三軒以上のはしごは体力的に厳しいものがあります。続けざまに次へ行っても時間を持て余すだけです。宿に一旦退却し、小休止を経て出直しました。二軒目へ向かう道すがら、弘前郵便局に立ち寄ります。目当ては2年2月22日付の風景印です。
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早春の津軽を行く - しまや

2020-02-22 19:08:44 | 居酒屋
花見の旅では「はすや」に頼り切りですが、それ以外の時期なら他の店を尋ねる余裕が出てきます。久々に「しまや」の暖簾をくぐりました。
教祖が長年激賞してきた北東北の聖地の一つです。信者はもちろん、観光客が少なからず訪れる有名店でもあります。よりにもよって土曜の七時に乗り込むこととなったとき、先客で混み合ってはいないかが一抹の不安材料でした。ところが何のことはない、暖簾をくぐるや先客皆無のカウンターに拍子抜けさせられました。雪が少なく観光客が寄りつきにくい状況に流行病が追い打ちをかけ、あまつさえ本降りの雨にたたられて、今夜は商売上がったりということでしょうか。しかし、こちらにとっては心ゆくまで呑むまたとない機会です。中程で燃えるストーブの右隣、女将の定位置の正面を借り切っての贅沢なひとときと相成りました。

しまや
弘前市元大工町31-1
0172-33-5066
1500PM-2200PM(LO)
日曜及び月曜定休

酒三合
ババガレイ煮付け
もずく酢
貝焼き味噌
ほっけのつみれ汁
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早春の津軽を行く - 酒の柳田

2020-02-22 19:01:00 | 酒屋
四時過ぎに早々と投宿したはよいものの、雪燈籠まつりは既に終わりました。暗くなるまでの間に行きたい場所も浮かびません。しかも外は本降りの雨です。すぐに出直す意欲も湧かず、部屋でしばらく休息した後、傘だけ持って出直しました。呑み屋へ向かう道すがら「酒の柳田」に立ち寄ります。
まず目に止まったのは「豊盃」のしぼりたてですが、今季は既にいただいています。趣向を変えて「田酒」のうすにごりなる珍品を選びました。

★酒の柳田
弘前市親方町32-1
0172-32-1721
1000AM-1900PM(日祝日 -1800PM)
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早春の津軽を行く - 大鰐線

2020-02-22 15:58:30 | 東北
駅に戻って跨線橋を渡り、止まっていた電車を撮ると発車の時刻になりました。持ち時間を余すことなく使い切り、投宿地となる弘前へ向かいます。
大鰐線の列車にあと少しのところで接続しなかったと先程申しました。これは時刻が変わったということでもあります。昨秋の改正で、大鰐線、弘南線のいずれについても減便されていたのです。それだけならまだしも、気になるのは所要時間も引き延ばされていることです。大鰐線が脱線事故で運休に追い込まれたのは去年の四月でした。一連の事実から察せられるのは、利用客の減少もさることながら、車両も線路も限界に近く、減便と減速で対応せざるを得なかった可能性です。そうだとすれば、今や死に体同然となったJR北海道の後を追っているようなものともいえます。そこまで深刻だったとは、恥ずかしながら初耳です。
せめてもの救いは、「乗って繋ごう」を合言葉にした沿線の皆様方による取り組みです。乗車した編成には、鉄道華やかなりし頃の思い出話を綴った文が、それぞれの窓につき一枚ずつ掲げられていました。それを見てふと思い起こされたのは、西春別の鉄道記念館で上映される標津線の記録映画です。全国的には無名でも、一方ならぬ思い入れが伝わってくる点で、あの名作と相通ずるものを感じるとでも申しましょうか。しかし一つだけ違うこともあります。こちらの路線はまだ現役だということです。余所者にできることなどたかが知れてはいるものの、自分もできる限りの貢献をしてきたいものだと思います。

★大鰐1530/19レ/1605中央弘前
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早春の津軽を行く - 若松会館

2020-02-22 15:15:16 | 温泉
大鰐温泉で列車を降りました。一風呂浴び、弘南電車で弘前へ向かおうという寸法です。それは毎度のお約束ではありますが、今回は見送ろうとも考えました。というのも、県境を越えた頃から本降りの雨になってきたのです。温泉街まで歩いてもたかだか五分少々とはいえ、全ての荷物を担いだ上に、傘までさすのはいかにも煩わしいものがあります。風呂に入りたいだけなら弘前でも事足りるため、投宿して荷物を置き、身軽になってからにした方が楽ではあったのです。しかるに、大鰐線の列車にあと少しのところで接続せず、次の列車は出るのは一時間近くも先でした。手持ち無沙汰で過ごすなら、やはり一風呂浴びてくるかと思い立ち、雨の中を歩いてきたという顛末です。
実は一昨年も大鰐で雨に降られました。同じく二月のことでした。北信越ならともかく、津軽で雨かと面食らったことが思い出されます。しかし、直近三年のうち二年が雨ということになると、二度あることは三度あるの諺がちらついてきます。暖冬もここまで来たかと実感させられる出来事です。

★若松会館
南津軽郡大鰐町大鰐58
600AM-2100PM
第二火曜定休
入浴料 200円
泉質 ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性中性高温泉)
泉温 68.8度
pH 7.0
湧出量 毎分940リットル(掘削動力揚湯)
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早春の津軽を行く - つがる3号

2020-02-22 12:57:20 | 東北
千秋公園を一周すると、帯に短し襷に長しの半端な時間が残るだけとなりました。これ以上粘っても仕方がありません。早々と駅に戻って終了です。「つがる」で奥羽本線を下ります。
「あけぼの」のヒルネという恰好の題材が失われてからというもの、秋田に泊まる理由もなくなり、近年は乗り継ぎの合間に寄っているだけなのが実情です。今回も、中華そばをすすった後、城址を一周しただけというお粗末さでした。曲がりなりにも「滞在した」と実感するには、少なくとも四時間前後は要るという経験則があります。しかるにたかが二時間半で足りるはずがありません。分かり切ったことを実証するだけの結果に終わりました。
分かっていながら同じ轍を踏んだのは、秋田から先の移動手段が限られるからに他なりません。悪名高き701系の普通列車を除くと、次の列車は三時間以上も後になってしまい、逆に時間を持て余すのです。この現状をどうにか打開できないかと考えてはいるものの、いまだに妙案が浮かびません。せめて雪が積もっていてくれれば、多少なりとも楽しめたにもかかわらず、雪どころか雨に降られてしまってはどうしようもありませんでした。今回は詮方なしといったところです。

★秋田1239/つがる3(2043M)/1435大鰐温泉
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早春の津軽を行く - 千秋公園

2020-02-22 12:07:57 | 東北
中華そばをすすって出ると11時を過ぎでした。列車が出る時刻から逆算すると、実質的な持ち時間は知れており、そう遠くへは行けません。月並みながら千秋公園を訪ねました。
去年も雪は少なかったと記憶します。しかし、千秋公園だけは雪に埋もれていて、新雪を踏みしめながら歩きました。小雪の今季といえども、多少は雪があるだろうと思って訪ねたのが真相です。ところが何のことはない、かき集められた雪が若干残っているだけに過ぎません。寒さもどうということはなく、時折小雨が降ってきます。冬らしくもなければ春らしくもない、拍子抜けする天候です。
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早春の津軽を行く - 末廣ラーメン本舗

2020-02-22 10:57:06 | B級グルメ
踏切支障とやらの影響で盛岡から若干ダイヤが乱れるも、大曲まで走る間に回復し、秋田にも定時の到着となりました。不要な荷物をロッカーに預け、身軽になったところで腹ごしらえを済ませます。
青森行の「つがる」が出るまでの間合いは二時間半、ただ待つだけなら長いものの、滞在時間としては決して長くありません。秋田なら大館の鶏めしも買えます。お昼をそれにしておけば、持ち時間も捻出できて一石二鳥だったのです。しかし今日は朝からやけに空腹でした。さらに二時間引き延ばすより、手早く腹を満たしたかった次第です。
頭の中にあったのは、市民市場の支那そば伊藤、ではなく駅前の末廣ラーメン本舗でした。都内にも支店はあり、秋田でしかいただけない味というわけではありません。しかるに何故そこなのかといわれても、そのような気分だったからとしかいいようがありません。本家の新福菜館とも微妙に違う味わいは、忘れた頃にいただきたくなる中毒性を持っています。

末廣ラーメン本舗 秋田駅前分店
秋田市中通4-15-1
018-825-1118
24時間営業
月曜定休
中華そば800円
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早春の津軽を行く - こまち45号

2020-02-22 06:32:34 | 関東
時期は若干変わったものの、今のところ経路については例年通りの予定です。まずは秋田へ下ります。
新幹線で下るときは、始発列車をあえて避け、後続の臨時列車に乗るという自衛策が有効となり得ます。ただしあくまで混雑を避けるためであり、本来なら早く出発できるに越したことはありません。かような観点から好都合なのが東北・秋田新幹線で、多客期には本来の始発より30分以上も早く臨時列車が出ます。三連休だからといって必ず運転されるわけではないものの、今回はその恩恵に与ることができました。
あくまで臨時列車だけに、混んでもたかが知れているのは経験上分かっています。指定席の発売状況を見極めて、できる限り直前まで手配を引き延ばすのが常でした。しかし、今回はそのような対策すら必要ありませんでした。前日の晩になっても全く売れていなかったのです。大宮を出た時点で、前後の席はもちろんのこと、通路を挟んだ反対側も空いています。少なくとも仙台まではこのままということです。
これも偏に、件の流行病の影響で人々が出控えた結果でしょう。事態は自分が思った以上に深刻化しているようであり、「自粛」が叫ばれた頃を思い出すと申したのもそのためです。しかし、不要不急を理由に引きこもっていては、観光業も飲食業も死活問題に発展しかねません。人出が減ってむしろよかったと高を括ります。

★東京600/こまち45(5045B→5045M)/1009秋田
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