日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in東北 2018 - はすや

2018-02-11 21:59:10 | 居酒屋
昨晩「しまや」と「弦や」を訪ねたため、今夜は「山水」に顔を出せれば理想的だったのですが、雪燈籠まつりに寄ったことで残念ながら時間切れとなってしまいました。宿に一旦荷物を置き、手ぶらで「はすや」に乗り込みます。
連泊するなら呑み屋も代えるのが順当であり、実際金沢ではそうしています。しかし、弘前では馬鹿の一つ覚えのごとく「はすや」に通い、それは五連泊したときであっても同様でした。これは、金沢ほど呑み屋が豊富でないという事情もさることながら、日参しても趣向を変えて楽しめるという事情によるところが大です。たとえば昨日と同様刺盛りを注文したところ、蟹、北寄、ツブ、鯨ベーコン、ウニ、ヤリイカ、蛸、それに鮪と縁側の九点が出てきました。数の多さよりも注目すべきは、九点の中に魚類が二種しかなく、しかもそのうち一つは縁側で、鮪も炙ったものだということです。趣向を変えたい二日目には好適な、いわば変化球主体の盛り合わせは天晴れでした。
呑み屋を一軒限りで終えるなら、久々に「藪きん」のカレーそばでもいただくかという考えがありました。そのつもりでじゃっぱ汁を中締めにしようとすると、店主からは真だらこめしもあるとの一言が。実は、昨日所望したにもかかわらず品切れで、代わりの品をいただいたのでした。間合いが絶妙だったこともありつい注文。鱈を始め鰊、タツ、ソイなどの文字が並ぶ品書きには、北陸とも北海道とも一味違う津軽の冬らしさが感じられます。次に戻ってきたときは、どのような品書きに様変わりしているのでしょうか。次は桜の咲く頃にお会いしましょう…

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

田酒・豊盃
お通し(鱈豆腐)
刺盛り九点
馬すじ煮込み
合がもと菜の花の巻揚
真だらこめし
じゃっぱ汁
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汽車旅in東北 2018 - 雪燈籠まつり

2018-02-11 21:42:04 | 東北
雪燈籠まつりを見物し、九時の消灯まで粘ってから切り上げました。一旦投宿してから向かったため、実質的な持ち時間は一時間足らずでした。まっすぐ行っていればというよりも、前夜が全く使えなかったのが結果としては惜しまれます。
とはいえ、今夜の寒さを考えると、屋外に何時間も滞在するのは厳しかったでしょう。絵になるものだけ記録できれば十分だったともいえます。その点、舞い散る雪と燈籠が照明に浮かび上がる光景は様になっていました。フィルムの感度では写し止めることのできない、デジタルでしかものにできない名場面でした。
それにしても、昼過ぎからの気候の変化は劇的でした。積雪こそそれほどではなかったものの、天候の急変ぶりという点では、これまで津軽を訪ねた中でも一番ではないでしょうか。積もった雪で路面は白くなってきており、一夜が明ければ眺めが一変しているかもしれません。
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汽車旅in東北 2018 - 平川温泉

2018-02-11 18:47:02 | 温泉
気温は氷点下4度に下がりました。しかし、体感温度は数字よりもはるかに低く、全身がこわばって手足がうまく動きません。雪燈籠まつりを残した段階ではありますが、何はさておき熱い風呂に浸かりたい気分でした。弘前までの経路上に何軒かの心当たりがある中、久々に「平川温泉」を訪ねます。
以前訪ねたときの印象は強烈でした。雪国らしい無骨な建物に、力強い大きな文字で「公衆浴場平川温泉」と書かれた佇まいがまず独特。外観と同様に浴場にも飾り気はなく、大きな浴槽に熱いお湯が滔々と掛け流されていました。しかし今回再訪すると、その記憶をも超える熱さに驚かされます。浴槽がおよそ三対二に分かれており、一方が熱湯、もう一方が温湯なのかと思いきや、どちらも同じ熱さです。
「大鰐も顔負けの熱さ」というのが当時の記録ですが、あちらでさえ徐々に慣らせば頭からかぶることはできます。ところがこちらの場合、肩から浴びるのも憚られ、ましてや頭からかぶるなど到底無理に思えてきます。熱い風呂で温まりたいにもかかわらず、あまりに熱くて浴びることすらできないという、何とも歯痒い状況に陥りました。
しかし、今日は芯まで冷えた身体が熱いお湯を何よりも欲しています。長い時間をかけて徐々に慣らすと、同じ温度に思えたお湯が、やはり熱湯と温湯に分かれていることに気付いてきました。さらには肌触りの滑らかさについても。普段なら熱すぎるというだけで終わりかねないところ、このお湯のよさをしみじみ体感できたという点で、今回再訪した甲斐はあったといえそうです。

★平川温泉
南津軽郡田舎館村大袋樋田3
0172-58-2160
630AM-2200PM(月二回不定休)
入浴料350円
泉質 アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
泉温 49.5度
pH 8.74
湧出量 393l/min
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汽車旅in東北 2018 - 冬の田んぼアート

2018-02-11 18:29:06 | 東北
今日の寒さは尋常でなく、屋内で暖まっても、中華そばをすすっても、身体の芯は冷えたままです。一刻も早く熱い風呂に浸かりたい気分でした。しかし、店を出ると雪が止み、さらには西の空が晴れていました。すぐさま来た道を引き返し、田舎館の道の駅にやってきました。目当ては田んぼアートです。
昨日大鰐から電車に乗ったとき、「冬の田んぼアート」なる催し物があることを備え付けのチラシで知りました。稲穂で描く田んぼアートに代わり、雪の積もった田んぼに地上絵を描くもので、夜間は照明もつくという触れ込みでした。吹雪が止んで空が晴れ、西の空が暮れていく中、田圃の絵が照明に浮かんでくるなら、一見の価値はあろうと思い立ち、急遽戻ってきた次第です。
チラシには、展望台から南西を向いた写真が載っていました。夕方に撮られたもので、手前の田圃に描かれた地上絵が、斜めに差し込む西日に浮かび、線路の向こうには広大な田圃が開けるという一駒でした。そのまま日が暮れていけば、彼方には弘前市街の明かりも浮かび、さぞや絵になるだろうと思ったのが、ここを訪ねた直接の決め手でもあります。
ところが、今年は展望台を挟んだ反対側に描かれていて、残照がないばかりかすぐ先を国道の築堤が横切っており、全体の眺めとしては何とも半端に成り下がっていました。これでは地上絵をそのまま撮る以外に工夫の余地がなく、まあこんなものかとしかいいようがありません。少なくとも、300円の料金に見合った価値はないというのが率直なところです。
しかし、主役の田んぼアートは今一つでも、チラシに載った南西側の眺めは上々で、電車を俯瞰で撮るにもお誂え向きに見えました。今日のように吹雪いてしまえば仕方がないものの、雪が止めば明日もう一度ここに登り、電車を狙ってみるのもよさそうです。
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汽車旅in東北 2018 - サンライズ食堂

2018-02-11 16:06:08 | B級グルメ
よされラインこと県道13号線を走って浪岡にやってきました。ここで遅めのお昼をいただきます。立ち寄るのは「サンライズ食堂」です。
黒石では「コロの家」の焼そばを愛用してきましたが、先ほど訪ねたところ、何故か休業中の張り紙が出ていました。もちろん他にも店は多々あるものの、焼そば自体そこまでしていただきたいと思うほどでもありません。焼そばよりも中華そば、それも地元客御用達の老舗という条件で探したところ、浪岡に旅館を併設した店があると分かって、車を走らせてきた次第です。
旅館の看板と「ラーメン」の看板が、沿道に二つ並んで建っていました。箱形をした飾り気のない、いかにも雪国の商人宿然とした佇まいです。しかし、四時台という最も半端な時間にもかかわらず、駐車場は半分以上埋まっていて、これは間違いなかろうという期待感が漂ってきます。
暖簾の奥の店内は、やはり商人宿の食堂のごとくに飾り気がありません。しかし、自分の後にも切れ目なくお客が入ってくることからして、人気のほどは一目瞭然です。中華そばを主体に定食、丼物、そば、うどん類を一通り備えた品書きには死角なし。11時から深夜の11時半まで、盆正月以外は無休という鉄人ぶりも頼もしいものがあります。
注文したのはチャーシューメン680円也。雷文と龍の絵をあしらった丼に透き通ったスープを満たし、細い縮れ麺と歯応えのあるチャーシュー四枚、それに葱とメンマと麩を乗せた出で立ちは、昨日食した「支那そば伊藤」の中華そばと同様に完成されています。鰺の煮干しと昆布を使うところも同様ながら、淡い魚介出汁を特徴とした昨日の「支那そば伊藤」よりも、旨味を強く感じるスープです。四種の煮干しを使った津軽ラーメン、創業以来の名物という焼きそばなど、他の品も試してみたいと思わせる名店でした。

サンライズ食堂
青森市浪岡女鹿沢西種本13-1
0172-62-2408
1100AM-2330PM(LO)
盆正月休業
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汽車旅in東北 2018 - 松の湯交流館

2018-02-11 15:05:50 | 東北
吹雪はなおも強まって、すわラッセル車出動かと色めき立つも、残念ながらやって来ず。いかんせん雪が湿っていて、いくら降っても積もらないからでしょう。上下の電車を一本ずつ撮って切り上げ黒石に移動してきました。かねて噂に聞いていた「松の湯交流館」を訪ねます。
こみせ通りの真打ちでもある中村亀吉酒造店の斜向かいにある、見越しの松が目印の旧宅が再生され、見学可能な施設になったのは聞いていました。しかし去年の冬に訪ねたときも、花見で訪ねたときにも時間がなく、今回ようやく立ち寄る機会が巡ってきた次第です。
家屋の造りを復元し、往年の生活ぶりを偲ぶことに主眼を置きつつ、部分的に改装されている点で、もりおか町家物語館、金澤町家情報館と同種の施設ということになるでしょうか。銭湯だった頃の名残がこの施設の特徴で、男湯と女湯に分かれた玄関が復元され、中には浴槽が残されて、裏手の土蔵は喫茶に改装されています。浴場の奥には主らが生活したであろう三間続きの和室があり、そこで休憩できるという寸法です。障子戸の向こうに見える雪に埋もれた庭からも、どれだけ立派な家だったかが偲ばれます。
それにしても、雪が降り出してから急激に冷えてきました。現在の気温は氷点下3度、明日の朝には氷点下7度にまで下がるようです。ここまで冷えると表には居ても立ってもいられません。短時間歩いただけにもかかわらず、身体の芯まで冷えたため、ここでしばらく暖まります。
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汽車旅in東北 2018 - 吹雪

2018-02-11 12:58:53 | 東北
秋田でも弘前でも雪が少なく、拍子抜けしていたところ、いよいよ本領が発揮されてきました。正午を回った頃から俄に雪が強まったのです。
雪はいまだに湿っており、大量に降った割には積もりませんが、このまま降り続ければもしやという期待が湧いてきます。ラッセル車が出動する可能性に賭け、只今尾上高校前に移動してきました。
吹きさらしの田圃の中ということもあり、西の方から容赦なく吹雪いてきます。あと30分ほどで上りの電車が通過し、その後をラッセル車が走るダイヤになっています。それまで粘ってみるつもりです。
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汽車旅in東北 2018 - 弘前公園

2018-02-11 10:05:54 | 東北
レンタカーを引き取って活動を再開します。本日の相棒はホンダフィットです。
宿から駅前の営業所までは傘を差して歩きました。この雪ではラッセル車の出番もなかろうと見て、弘南線の撮影は見送りました。しかし次第に雪が乾いて、さらには薄日も射してきました。とりあえず傘が要らない状況になったため、昨日逃した雪燈籠まつりを見に弘前公園を訪ねています。とはいえあくまで燈籠だけに、明かりが灯ってこそ本来の姿です。昼間に深入りするには及ばないため、駐車場が無料で使える一時間で切り上げます。
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汽車旅in東北 2018 - 朝食

2018-02-11 08:40:28 | 東北
朝食をいただいて出発します。看板はスマイルホテルに変わったものの、朝食の充実ぶりは弘前国際ホテルの頃から何一つ変わってはいませんでした。久々にいただいてみて思ったのは、惣菜の品数こそ飛び抜けて多いわけではないものの、ご飯の供がとりわけ充実しているということです。筋子とたらこ、二種のいくらにつがる漬が加わり、さらには生卵、納豆、カレーも揃うため、その気になれば何膳でもいただけるという仕掛けです。特に、果物を贅沢に使ったであろうカレーの味わいには改めて感心させられました。
かなりの収容力がある食堂はざっと八割方埋まり、宿泊客が全員来ているのではないかと思うほどの大盛況でした。たしかに、素泊まりではあまりに惜しいと思わせる充実ぶりだけに、ほぼ全員が注文していてもおかしくはありません。人気のほどが窺われる光景です。
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汽車旅in東北 2018 - 二日目

2018-02-11 07:23:21 | 東北
おはようございます。七時前に目覚め、しばらくすると雪が降ってきました。始めは細かい雪がまっすぐ落ち、今は大きな牡丹雪が舞っています。いずれにしても湿った雪です。昨日に続き、冬型の気候が一時的に緩んでいるということでしょう。
本日はレンタカーを利用しての活動となります。去年はまさかの雪晴れに恵まれて、急遽レンタカーを手配しましたが、今回は始めからそうしました。晴れるかどうかにかかわらず楽しめるのが経験上分かってきたからです。とはいえ昨日の雨ではさすがにどうしようもなかったでしょう。雪に変わってくれたのはこちらにとって好都合です。

雪ということになると、まず思いつくのが弘南鉄道のラッセル車です。ただし、この湿った雪ではいくら降っても積もりにくく、出動する可能性は低いといわざるを得ません。加えて、あまりに雪が強ければ撮影にはなりません。大量に雪が積もり、通過の瞬間だけ晴れるという虫のよい状況が重なって、初めて撮影できるわけです。
もっとも、これは、運に左右される部分が非常に大きいということに他ならず、幸運に巡り合うまでひたすら挑戦し続けるしかないということでもあります。初挑戦で完璧に仕留めた僥倖の再現を期待しているわけではありませんが、無欲の姿勢で待ち構えるのも一案でしょう。
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