日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

早春の飛騨を行く - かがやき518号

2018-02-25 21:02:53 | 北陸
金沢に到着した時点では、二軒のはしごもできそうに思われました。しかるに駐車場の確保と帰りの支度にやや手間取り、「わり勘」に入った時点で六時台の前半でした。帰りの列車の時刻から逆算すると、実質的な持ち時間は二時間であり、はしごするなら駆け足にならざるを得ない状況です。案の定時間が足りなくなってきたため、二軒目は潔く切り「わり勘」に腰を据えることにしました。それでも最後は時間が押し、店を出たのは八時過ぎ、金沢駅に着いたのが発車の20分前で、切符を手配し改札をくぐり、列車に乗り込んだのは5分前でした。バスがすぐに来たからよいものの、一本逃せば10分前後遅れていたことになり、相当慌てたと思われます。余裕を持って動くつもりが、終わってみれば今回も紙一重でした。

★金沢2100/かがやき518(3518E)/2332東京
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早春の飛騨を行く - わり勘

2018-02-25 18:25:13 | 居酒屋
駐車場の算段をつけ、あとは一杯やって帰るだけです。今回寄るならここしかないと決めていた店があります。先月振られた「わり勘」の暖簾をくぐりました。
先月の汽車旅で唯一最大の誤算だったのが、この店がまさかの臨時休業だったことです。とはいえそれほど落胆しなかったのは、翌月再訪することを決めていたからです。そのときの構想では再び列車で訪ねるつもりが、自走でたどり着くというやや異なる結果ではありましたが、ともかく借りを返せたのは幸いです。暖簾をくぐるやいなや、女将に「お久しぶりです」の第一声で迎えられ、なじみの場所に戻ってきた実感が押し寄せてきました。

夜はともかく日中は気温以上に暖かく感じる日が多くなり、近付く春を実感する場面が増えてきました。とはいえ五点盛りの中央には立派な鰤が三切れ鎮座しており、かぶら寿し、カキ、ナマコなどの文字が並んだ品書きは、今なお冬の北陸らしい華々しさに満ちています。そのような中、唯一異彩を放っていたのがホタルイカです。酢味噌和えといわずに「ぬた」と称するところも気にかかって注文すると、やがて出てきたのはホタルイカと浅葱、菜の花を盛り合わせた小鉢でした。先月ならばあり得なかった、早春をしみじみ実感させる心憎い演出です。
日頃教祖の導きに多くを負っているからこそ、自ら発掘した店にはなおさら愛着が湧いてくるものです。その中でも足を運んだ回数で群を抜くのが弘前の「はすや」であり、これほどの出会いは後にも先にもなかろうと先日申しました。しかし、付き合いの長さでは及ばないものの、居酒屋としての完成度に関していえば、「はすや」に勝るとも劣らないものがこの店にはあります。
自力で見つけた店の中でも、「はすや」と並ぶ出色の三軒として過去度々引き合いにしてきたのが、福井の「紋や」と京都の「きのした」ですが、あちらはいずれも居酒屋というより料理屋、割烹に近い店です。純然たる居酒屋としては、ここが「はすや」と並ぶ双璧といっても過言ではなく、御三家は四天王へと変わりつつあります。今回も盤石の安定感でした。

わり勘
金沢市野町4-3-6
076-244-2280
平日 1700PM-2215PM(LO)
日祝日 1600PM-2115PM(LO)
月曜定休

常きげん二合・立山一合
刺身五種盛
牛すじ
自家製つみれ
かぶら寿し
ほたるいかのぬた
たらのあら汁
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早春の飛騨を行く - 豪雪の爪痕

2018-02-25 17:42:53 | 北陸
福光で高速道を下り、そこから国道304号線を経由して金沢に着きました。高山からの走行距離は110kmほどで、そのうち高速道が約半分でした。ほぼ全区間が対面通行だったにもかかわらず、交通量が少なかったこともあり、正味の走行時間は二時間半にとどまりました。飛騨から金沢までは思ったよりも近いというのが実感です。
出発から約468km走ったところで第一部の走行は完結です。高山の雪は驚くほどでもありませんでしたが、福光からここまでの積雪はまるで違いました。田畑は深く埋もれており、沿道にはかき集められた雪が壁のように積み上がって、市街地でも新潟並みに雪が残っていました。金沢市街でも、先月訪ねたときより多く残っているような気がします。
北陸が記録的な大雪で騒がれたのは今月の上旬でした。それから半月以上経ってもこれだけ残っているという事実に、今季の豪雪の爪痕がありありと窺われます。これなら数日経っても眺めは大きく変わらないでしょう。復帰後の第二部も楽しみです。
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早春の飛騨を行く - 糸吉言侖

2018-02-25 15:33:45 | 東海
一週延ばすかどうかという問題に結論が出ました。名残惜しさはありながらも高山を後にし、東海北陸道で金沢へ向かっています。
富山と金沢は先月の汽車旅で訪ねたため、来週行くとするなら福井です。しかるに福井ではなく金沢を目指すのは、金沢の方が近い上に、帰京と復帰の際にも都合がよいという事情によります。金沢から帰るなら九時まで時間の猶予ができ、あちらで一杯やる時間もとれるでしょう。一筆書きの切符を使えば、復帰の際は名古屋から金沢まで「しらさぎ」に乗り通すこともできます。これに対して福井を起点にした場合の利点は、復帰次第即現地で活動できることですが、金沢を起点にしたときの利点はそれを上回ると考えました。
只今飛騨トンネルの手前で休憩をとっています。その先にあるのは白川郷と五箇山ですが、「休日は身動きとれないほどの大混雑」とツーリングマップルにあることからすると、高山をもはるかに超える混みようなのでしょう。それでは近寄る気さえ起こりません。福光までは粛々と走るつもりです。
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早春の飛騨を行く - やよいそば

2018-02-25 14:51:27 | B級グルメ
高山を出る前に中華そばをいただいていきます。久々の機会ということもあり、手堅く「やよいそば」を選びました。
朝食をたらふくいただき、いまだに空腹感が戻っていないだけに、並盛りでも十分だろうとは思いました。しかるに大盛りを注文したのは、麺だけでなくチャーシューも増えると知っていたからに他なりません。二枚ある並盛りのチャーシューを、六枚に増やすと300円増になることを考えると、麺が増え、チャーシューも一枚増えて100円増ならその方がよかろうというわけです。一枚増えるというのはこちらの記憶違いで、実際には切れ端の小さい部分がつくという形ではありましたが、それでも実質二枚半あるわけで、お値打ち品には違いありません。焙煎したような醤油ダレの味わいも、極細の縮れ麺の食感もよく、思いの外難なく完食と相成りました。

やよいそば 角店
高山市七日町1-43
0577-32-2088
1100AM-1800PM(冬季 -1700PM)
火曜定休
大盛850円
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早春の飛騨を行く - 穴場

2018-02-25 12:51:32 | 東海
いわゆる「古い町並み」は、有り体にいえば観光客向けに整備されたものであり、個人的には全く興味がありません。しかし、そのような一帯を少しでも離れると、得てして穴場があるものです。高山の場合、城山の東の麓がそれにあたります。曲がりくねった水路に沿って、古びた家々が並んでいるところが特によく、雪が積もるとなおさら趣が出てきます。俗な観光地と好対照の静けさは、金沢の卯辰山の寺院群を彷彿とさせ、山の麓に寺院が散らばるところもあちらと同様です。
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早春の飛騨を行く - 城山公園

2018-02-25 12:08:12 | 東海
寒い時期なら人出も少しは減るのかと思いきや、全くそのようなことはありません。観光客が闊歩する市街をすり抜け、城山公園にやってきました。
市街では路面の積雪もなく、かき集められた雪が残っているだけですが、こちらは一面雪に覆われており、木立も雪化粧をしています。散歩客がそこそこいることもあり、遊歩道は圧雪されて普通に歩ける状態ながら、斜面に積もった雪が先日訪ねた青葉の森より明らかに深く、仙台との気候の違いが窺われました。高台から見渡す雪化粧した家々の屋根なども絵になっています。この時期に訪ねてよかったと実感する眺めです。
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早春の飛騨を行く - 旅館清兵衛

2018-02-25 09:08:20 | 東海
昨晩世話になったのは「旅館清兵衛」でした。土地柄逼迫しがちな高山の宿泊事情を考えると、定宿を決めておくのは難しく、たまたま空いているところの中から選ばざるを得ません。今週末の場合、取り付く島もないほどの混みようではなかったものの、相場はかなり高めであり、駅前のワシントンホテルプラザが七千円台だったのを除けば、いずれも自分には手が出せない価格帯でした。そのような中、この宿が朝食付で七千円だったため、最後の一室を押さえた次第です。
駅の南側にある跨線橋の反対側で、濃飛バスの車庫の裏手という、初見ではやや迷う、しかし一度で必ず覚えられそうな場所です。駅まで行くのに歩いて五分少々はかかるため、呑み屋街からはやや遠いともいえますが、若松の駅前から呑み屋街までに比べればどうということはない距離です。朝食がつき、駐車も無料という条件を考えると、ビジネスホテルとの比較では実質五千円台の宿泊料ということであり、和室に泊まれることの価値を含めると、総合点では完勝ということになります。
その朝食が盛り沢山でした。お約束の朴葉味噌を主役に、小鉢が豚バラと大根の煮物、サツマイモの甘露煮、炊き合わせの合わせて三つあり、さらに生卵、味付け海苔、お新香と味噌汁がつくというもので、海産物が海苔しかないところに土地柄が現れています。品数が多い上に朴葉味噌でご飯も進み、すっかり満腹となりました。
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早春の飛騨を行く - 二日目

2018-02-25 08:33:44 | 東海
おはようございます。昨夜は「あじ平」に看板まで滞在して辞去し、日付を少し跨いで宿に戻りました。汗ばむ陽気だった甲府とは対照的な寒さでした。一夜が明け、窓の外には鉛色の空が広がっています。降雪はなく、終日曇というのが最新の予報です。
本日は出発に先立って決めなければならないことがあります。さらに一週延ばすかどうかについてです。今回限りで完結させるのであれば、松本に寄りつつ帰るのが順当です。さらに一週延ばすなら、北陸に車を置いて列車で帰り、週末に舞い戻って再開することになります。松本を通って帰るという案に特段新鮮味が感じられない一方で、この時期の北陸を走る機会は滅多にありません。「今しかできない方を選ぶ」という価値観に照らしても、「迷ったら買え」の鉄則からしても、拡大する方向に傾いているところですが、何分前例のない展開だけに、いささか迷いがあるのも事実です。もうしばらく考えてから宿を出ます。
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