日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

あれから十年経ちました

2018-02-06 22:22:12 | 旅日記
2月6日はブログの日、それに先立つ立春の日に、このblogが開設から十年の節目を迎えました。
我が生涯を振り返ると、10年前が一つの転機だったと実感します。一年足らずの間に車を買い、blogを始め、さらには教祖の著作に出会って、いずれもがその後の活動に多大な影響を及ぼしました。今の職場に移ったのも同時期です。その頃からの出来事を、ほぼ毎日欠かさず綴ってきたこのblogは、人生の一部といっても過言ではありません。
人生の節目にblogの開設がたまたま重なったともいえますが、このblogが人生を変えたという面もあります。繰り返し申してきたのは、目の前で起きたことを文字で表現することを通じ、多角的に捉える習慣が身に付いたということです。文字による記録を残していくことで、経験が見える形で蓄積され、視野も広がり、旅はますます面白くなっていきました。それだけでなく、一見下らないことであっても文字で考える癖がつき、それを通じて物事の善し悪しが明確に意識されるようになり、興味のあることにはとことんのめり込む一方、その他のことには全くの無関心という二極化が進みました。言い換えると輪をかけて偏屈になったということでもありますが、いずれにしても我が生涯にblogが与えた影響の大きさは計り知れません。

様々な媒体が興亡を繰り返してきた中、何故blogだけが続いたかに関する考察を、すぐさま挫折したfacebookとの比較において述べたことがあります。年々簡素になっていき、長文の投稿に向かなくなった後発の媒体が、文字だけで延々綴る自分の流儀に合わなかったというのがそのときの結論です。しかし最近、それだけが原因ではないことに気付いてきました。
facebookが他の媒体と根本的に違う点として、まず思いつくのが実名制です。そしてこの実名制は「世間との関わり」を暗黙の前提にしています。他人様の発信したことに共感し、あるいは自身の発信したことが他人様の共感を呼ぶことで、好意的な感情の連鎖をもたらすための仕組みこそがfacebookの本質とはいえないでしょうか。世間と積極的に関わることを好まない気質が、この媒体を受け付けなかった根本的な理由だと、最近得心したところです。
十年続けてこられたのは、世間に迎合することなく、独白録として好き放題に綴ってきたからに他なりません。あくまで旅のついでと位置付け、なまじ読者を増やすための努力をせず、更新が追いつかなければ後から投稿する形をとってきたのもよかったのでしょう。わずかとはいえ読者の方がいらっしゃるにもかかわらず、それを蔑ろにしているともいえますが、上記の通り他人様の共感を求めているわけでもありません。これからも風の吹くまま気の向くまま綴っていくことになりそうです。
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