どこへ行っても獺祭獺祭と大騒ぎの昨今ですが、一昔前、これに近いもてはやされようだったのが「黒龍」です。移り気な世間の関心が他の酒に向き、往年の狂騒は去った感がある中、一世を風靡した味わいを確かめるべく、定番の純米吟醸を手に取りました。
雑味がなくて切れ味がよく、陳腐な言葉を借りれば「呑みやすい酒」です。しかし、典型的な淡麗辛口だった「幻の瀧」に比べると、味の濃さは歴然としており、ラベルに書かれた「爽やかな味わいに米本来の旨味」の触れ込みも納得できます。ただし、旨味といっても燗で広がる旨味ではありません。おそらく冷やで呑むのを前提にした設計なのでしょう。「獺祭」を筆頭に、華やかな吟醸香を押し出した流行の酒とは明らかに路線を異にし、なおかつ昔ながらの淡麗辛口とも、燗上がりのする食中酒とも一線を画すところに、当時の流行が偲ばれます。
★黒龍 純米吟醸酒
黒龍酒造(福井県永平寺町)
原料米 福井県産五百万石
精米歩合 55%
アルコール分 15度
長野県松本市 山崎精一商店にて購入
雑味がなくて切れ味がよく、陳腐な言葉を借りれば「呑みやすい酒」です。しかし、典型的な淡麗辛口だった「幻の瀧」に比べると、味の濃さは歴然としており、ラベルに書かれた「爽やかな味わいに米本来の旨味」の触れ込みも納得できます。ただし、旨味といっても燗で広がる旨味ではありません。おそらく冷やで呑むのを前提にした設計なのでしょう。「獺祭」を筆頭に、華やかな吟醸香を押し出した流行の酒とは明らかに路線を異にし、なおかつ昔ながらの淡麗辛口とも、燗上がりのする食中酒とも一線を画すところに、当時の流行が偲ばれます。
★黒龍 純米吟醸酒
黒龍酒造(福井県永平寺町)
原料米 福井県産五百万石
精米歩合 55%
アルコール分 15度
長野県松本市 山崎精一商店にて購入