日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北陸信越縦断ツアー 2016 - あら川

2016-08-13 22:49:54 | 居酒屋
一軒目に「親爺」を選んだことにより、10時で看板の「真酒亭」はその時点で事実上の見送りとなりました。その結果選択肢は必然的に絞られ、今回も「あら川」との黄金リレーとなります。

正月に訪ねたときもこの双璧の組み合わせでした。そしてどちらも横綱相撲と形容するにふさわしい堂々たる内容でした。ところが、今回は様子が少々違いました。まず違ったのが店内の雰囲気です。店を出る間際でも盛況だった「親爺」に対し、こちらの先客は二組のみです。落ち着いて呑めるという点ではありがたい反面、前回経験したような大衆割烹の賑わいは感じられません。
後者の面をより強く感じてしまうのは、品書きが前回に比べると格落ちのように思えたからでもあります。まず違うのは、カウンターに並んでいた大皿がなくなり、小鍋の類もありません。教祖が絶賛する珍味についても、これまでは品書きを眺めるだけで想像を掻き立てられるような品々がいくつもあったのに対し、今回はこのわたなどてらいのない品がほとんどで、一方価格はそれなりでした。

このような変化もあり、品書きを熟読してもズバリこれだという組み立てが思い浮かばず、昆布〆を肴に呑み切りボトルを一本空け、最後はまたもあら汁で締めくくるという結果です。もちろん悪くはなかったものの、今日に関していえば「親爺」の方が明らかに上回っていました。それも向こうの出来が普段を上回ったということではなく、こちらが本来の持ち味を発揮できなかった上での結果なのが少々残念です。相撲でいうなら白鵬が10勝5敗に終わったようなものとでもいえばよいでしょうか。10勝なら十分な成績とはいえ、横綱としては物足りなく感じられたというのが実情です。
もっとも、小鍋がなかったことについては、夏場であることを考えれば当然ではあります。冬などに再訪すれば、本来の充実ぶりを取り戻しているのかもしれません。そうなることを期待しつつ席を立ちました。

あら川
富山市桜町2-2-22
076-441-9369
1700PM-2300PM
日祝日定休
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 親爺

2016-08-13 21:05:12 | 居酒屋
8号線のバイパスが全通してからというもの、糸魚川から富山まで北陸道を使うことがほぼありません。本日も8号線を快走して富山に着きました。
先週末に泊まった奈良ほどではないにしても、富山の店の看板は総じて早めです。わざわざ泊まって呑むからには、少し早めに着き、酒場で呑むことに注力したいという考えがありました。しかるに夕日を眺め、上記の通り一般道で下ってきました。しかも一日汗をかき続け、何よりもまず風呂に入らなければ何事も始まりません。さらには宿の駐車場が満車で、少し離れた駐車場へ車を置きに行くといった野暮用も加わり、一軒目に入るのが九時過ぎという、筋書き通りの結果となりました。「親爺」が開いていればまずそこへ、万一休業、満席で振られたときは「真酒亭」へというつもりで現地へ向かうと、幸いにして袖看板の明かりがついていたため、そのまま入るという展開です。

どれほどの人気店であっても、九時を回ればお客が一巡し落ち着いてくるのが常です。ところがこの店の場合、そのような場面に遭遇した記憶がほとんどありません。前回は開店と同時に入って一番乗りを果たしましたが、その日は予約満席でした。教祖のいう「四時開店、即満員」の評は決して大袈裟ではなく、それどころかほぼ満員の状況が序盤から最終盤まで続くわけです。
しかし、それでも入れてしまうのがこの店の不思議なところでもあります。暖簾をくぐると、一番手前、奥の方、一番奥に合わせて三つの空席があり、奥の方に案内されるという結果です。二人以上では断られる状況でも、一人なら何だかんだで入れてしまうという点では、「大甚本店」のようなものとでもいえばよいでしょうか。

富山の酒場が最も華々しい時期といえば、何といっても鰤を筆頭に日本海の幸が出揃う冬場です。花見で訪ねたときも、ホタルイカ、さより、桜鱒など春らしい品が豊富なのに感心させられました。それに対してやや中途半端といわざるを得ないのが秋です。それでは今はどうなのかという関心がありました。その結論としては、この品が最高だったとズバリ即答できるほどの品はなく、その点では秋とおおむね同様の結果です。とはいえそれは相対的な問題であり、豪華八点の盛り合わせは彩り豊かで、富山湾の豊かさがありありと感じられる逸品でした。
新幹線の開業前に散々足を運んだ結果、どうにか顔を覚えてもらえたようだと前回申しました。今回もそろそろ仕舞いかという状況で、女将からのありがたい心遣いが。最後に味噌汁をごちそうになれるとのことでした。公演、握手の類に何度も通い、推しに覚えてもらうことを「認知」というそうですが、こちらもいわば「認知」の段階に至ったことになります。ヲタたちはこうして深みにはまって行くのだろうと想像させられました。
とはいえこちらは大衆的な価格の居酒屋、それで身上を潰すことはありません。ありがたく好意に甘えて辞去します。

親爺
富山市桜町2-1-17
076-431-4415
1600PM-2300PM
日祝日定休

太刀山・幻の瀧・親爺
突き出し(げそぬた)
お造り八点
真鯛の煮こごり
すり身揚げ
あら汁
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 生地再訪

2016-08-13 18:56:58 | 北陸
西日は次第に傾き、やがて日本海の彼方へ沈もうとしていました。現在地からしても、夕景を眺めるならここしかないと思い立ち、生地の町に戻ってきました。しかし海岸に出てみると、つい先ほどまで西の空にあったはずの夕日が影も形もありません。
漁港を通ったとき、今にも雲の陰に隠れそうだったとはいえ、次の瞬間影も形も分からなくなるなどということがあり得るのでしょうか。昨日はっきり見通せた能登半島の影もありません。これも悪くはないものの、過去ここで眺めてきた印象的な夕景に比べれば、中途半端な印象は残ります。
明日の流れ次第では、再びこの近辺で日没を迎える可能性があります。印象的な夕景で締めくくれることを期待しています。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 糸合シ由

2016-08-13 18:48:49 | 北陸
六時まで粘って撮影終了です。出発からの走行距離は570kmを超え、甲府で入れたガソリンを八割方消費しました。ここで道中二度目の給油を済ませます。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 稲穂と電車

2016-08-13 16:44:30 | 北陸
終点の宇奈月温泉まではあと六駅、日没までにどうにか回れそうな情勢ではありますが、これ以上先には進まず電車を撮ります。浦山と栃屋の間の田圃でカメラを構えました。
若栗では稲穂が徐々に色付き始めていたのに対し、こちらの田圃では直立していた稲穂がようやく頭を垂れ始めた段階で、絵になるまでにはもうしばらくかかりそうです。実っていれば手前の稲穂を主役に作画するところではありますが、電車を大きく写すてらいのない構図を選択しました。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 浦山駅

2016-08-13 16:38:35 | 北陸
続いて訪ねるのは浦山駅です。舌山駅とよく似ているものの微妙に違う、間口が狭く背が高い木造駅舎が特徴です。淡い緑を基調にしていた舌山駅に対し、こちらは壁面が白、屋根が青、庇が赤という色とりどりの出で立ちをしています。しかしホーム側に回ると、屋根も庇も青で壁面が赤という組み合わせに変わり、さらには三角形のファサードが二つ並んでいて、表と裏で大きく異なる趣です。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 栃屋駅

2016-08-13 15:57:45 | 北陸
栃屋駅を訪ねます。トタンの待合室のみなのは同様ながら、鮮やかな緑色に塗り替えられた壁面が西日を浴びていました。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 若栗駅

2016-08-13 15:47:33 | 北陸
続いて訪ねるのは若栗駅です。トタン張りの待合室のみなのは長屋駅と同様ながら、妻面の屋根の形が少し変わっています。木製のベンチには座布団が掛けられ、ささやかな文庫も置かれるなど、大切にされている様子なのは幸いです。駅前の田圃の稲穂が色づき始めています。田圃の片隅にはコスモスが。北陸にも秋の気配が近付いてきました。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 舌山駅

2016-08-13 15:23:04 | 北陸
新幹線に合わせて開業した新黒部を飛ばし、一つ隣の舌山駅にやってきました。間口は狭く背の高い、淡い緑に塗られた木造駅舎が特徴です。広い駅前と、それに接した瓦屋根の農業倉庫がよい味を出しています。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 長屋駅

2016-08-13 15:16:19 | 北陸
個性的な駅舎が多い富山地鉄にあって、数少ない例外の一つなのが長屋駅で、狭いホームに接する形で鎮座するのは、屋根も壁もトタン張りという簡素な待合室です。しかしこれはこれで味があります。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 荻生駅

2016-08-13 15:07:37 | 北陸
続いて訪ねるのは荻生駅です。踏切に接するホーム一面のみの小さな駅ではありますが、そのホームに接する形で切妻の駅舎があり、ホーム側の屋根は長く延びて上屋を兼ねるという造りになっています。淡緑の壁面と赤い屋根の取り合わせが鮮やかです。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 東三日市駅

2016-08-13 14:45:21 | 北陸
午後は富山地鉄の駅を訪ね歩きます。最初に立ち寄るのは電鉄黒部の一つ隣の東三日市です。
木造平屋の妻側にファサードを設けたというのが全体の造りではありますが、そのファサード側は寄棟、反対側は切妻の瓦屋根となっているのがまず独特です。加えて個性的なのが玄関の造りです。玄関はファサード側とその左側の両方にあり、その部分が本体から庇とともに張り出していて、壁面もモルタル塗りから煉瓦積みに変わります。しかも待合室がホームと同じ高さにあり、駅前からは階段を上がっていく形となるため、その階段がピラミッド状に見えるという仕掛けです。ファサード側には古風な字体の切り抜き文字で駅名が掲げられており、もう一方の玄関の上には盛岡のバスセンターのごとく、HIGASHI MIKKAICHI STATIONの切り抜き文字が三段で掲げられていた痕跡が残っています。「定期券拝見」の経木が下がった改札なども味わい深く、しみじみ鑑賞したくなる名建築です。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 四十物昆布

2016-08-13 14:07:27 | B級グルメ
鮮魚から干物、塩蔵品、加工品まで、魚介なら何でも揃う生地の漁港ですが、あいにくこの残暑の中では生物を持ち帰るという選択は許されません。そのような中、唯一持ち帰れる品があります。毎度おなじみ「四十物昆布」で土産を押さえました。

四十物昆布
黒部市生地中区339-5
0765-57-0321
800AM-1730PM(日祝日 900AM- )
元日休業
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 清水の里

2016-08-13 13:14:38 | 北陸
生地といえば清水の里の呼び名を持つほど湧水の豊富な町でもあります。松本にしてもここにしても、湧水の豊富な場所を渡り歩き、いつでも渇きを癒せる状況だったのは、結果として理にかなっていたわけです。
町内にざっと二十ほどある湧水の中でも、自分が神田の清水と並んで愛用しているのが神明町の共同洗い場です。小さな橋の袂の佇まいと、地元の人々によりいつ行っても清潔に保たれているところがよく、傍には屋根付きのテーブルとベンチがあって一休みするにも好適。縦方向に四つ並んだ正方形の水槽には、西瓜に加えていくつもの花束が浸されています。お盆らしい光景です。
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北陸信越縦断ツアー 2016 - 魚の駅 生地

2016-08-13 12:08:37 | B級グルメ
ここまで来たなら朝兼昼の選択肢は自ずと絞られます。生地の漁港にやってきました。
ここを知って間もない頃は、併設の食堂を利用していたこともありました。しかし今では、物販だけでも十分という考えに変わりました。海苔とおぼろ昆布のおにぎりは、大きな鮭の切り身が入り二つで250円也。一緒に売られている漁師汁には鱈の切り身が気前よく投入され、こちらも200円の奉仕価格です。それを併設のテーブルでいただけるのも助かります。

魚の駅生地 とれたて館
黒部市生地中区265
0765-57-0192
900AM-1800PM
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