日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

あれから八年経ちました

2016-08-01 22:42:04 | 旅日記
世間的には暇といわれる「二八」ですが、この中途半端な時期に我が職業人生が節目を迎えました。今の職場に移ったのが八年前の今日だったのです。
「ニート」なる言葉ができる前から時代を先取りし、若い身空を棒に振りました。三十路を過ぎてようやく職に就いたはよいものの、「石の上にも三年」と言い聞かせながら、あえなく挫折し二つの職場を辞しました。それが今の職場で初めて三年の壁を越え、今回「桃栗三年柿八年」の域に達したわけです。
入った当初は年相応の経験を期待されていたのかもしれません。しかし、長かったニート時代の代償はあまりに大きく、次第に欠点が露わになって、干された時期もありました。それが業容の拡大とともに分業が進んだ結果、適材適所に収まって、どうにか生き長らえてきたのが実情です。とはいえ、曲がりなりにも八年勤めて、諺通り板についてきた面はあり、先日はベストセラーの端書きにいけしゃあしゃあと載ってしまうという僥倖もありました。苦難に満ちた我が職業人生も、ようやく軌道に乗ってきたというのが実感です。

適材適所に収まって生き延びたということは、あくまで井の中の蛙であって、余所ではまず通用しないということに他なりません。以前職場における自身の立場を「代打屋」と評しましたが、そのような位置付けは何一つ変わりません。このご時世にあって奇跡的にも成長を続けてきた職場ではありますが、かつて勤めた職場は既になく、八年前に存在していた同業者も少なからず消滅している現実を考えると、いつか足をすくわれそうな予感は常にはつきまといます。そうなったとき、凝り固まった職歴と人格、さらには年齢の壁が災いして、再び路頭に迷う可能性は少なからずあるでしょう。
しかし、人生に悩みの種は尽きません。そのような可能性に一喜一憂するよりも、自分なりの職歴を極めることに注力するのがあるべき姿ではないでしょうか。今しかできないこと、自分にしかできないことを優先するという価値観は、活動のみならず我が生涯を貫いています。常々申している通り、心身とも健康でいられるのは長くともあと二十年しかありません。働き盛りはそれよりさらに短いのでしょう。一年一年を大切にしたいというのが、節目を迎えた今の偽らざる心境です。
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