日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 全行程終了

2015-03-15 22:24:47 | 北陸
10時を回ってから下りの貨物列車が二本続けて通過して行きました。切りのよいところで全行程終了とします。
昨年ここで北陸本線時代最後のキャンプに参加したとき、終了時刻が今回と同程度で、帰着が三時台だったという記録が残っています。しかし、今回はかなり疲れているのを自覚しており、さらに延びる可能性もあろうかと懸念しているところです。そのときにも申した通り、ともかく前に進まなければ始まりません。粛々と走って帰ります。次は帰着後にお会いしましょう…
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 暗闇のキャンプ場

2015-03-15 21:39:00 | 北陸
当初から意図していたわけではないものの、結果として旅の終わりがこの場所となったのは感慨深いものがあります。大トリを飾るのは通称「北陸本線キャンプ場」こと海浜公園キャンプ場です。期間外のキャンプ場に街灯の明かりはなく、松の木に吊るしたランタンだけを頼りに投稿しています。
日中10度を超えた気温は現在5.5度まで下がりました。しかし風はなく波も穏やかで、体感温度は数字ほど寒くはありません。これならどうにかキャンプもできるのではないでしょうか。一昨日がこの天候であってくれればと、またしても嘆かずにはいられません。

目の前を行き交っていた「はくたか」も「北越」も、「トワイライトエクスプレス」も姿を消し、普通列車さえ単行の気動車に置き換えられてしまいました。待てど暮らせど何一つやって来ない目の前の線路からは、かつての北陸本線の面影すら感じられません。昼間常願寺川のお立ち台を訪ねたときも、同様のことを思いました。ひっきりなしに行き交っていた特急が一本残らず姿を消し、やってくるのは短編成の軽薄な普通列車のみ。長大な、しかし閑散としたホームに、たった一両、二両の普通列車が発着するだけという空疎な光景が、これからの日常となって行くわけです。
我が国の鉄道史上において、これほど両極端ともいえる輸送体系の変貌が、一夜にして起こったことが果たしてあるのでしょうか。近年早春の風物詩となってきた寝台列車の廃止は、極論するなら一列車の廃止に過ぎず、他の列車はそのままでした。かつて東北新幹線、上越新幹線が開業したときも、「つばさ」「あいづ」など一部の特急は残り、急行も相当数が残りました。長野新幹線の開業時には、碓氷峠の線路こそ断ち切られたとはいえ、115系の普通列車は残り、今日も走り続けています。それが今回は、大幹線が一夜にして寂れたローカル線に転落してしまったわけです。
もはや死んだに等しいかつての北陸本線を前に、ただ立ち尽くすしかないほどの絶望を感じています。覚悟していたはずの現実が、これほどまでに残酷だとは思いませんでした。
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 朝日さざ波温泉地中海

2015-03-15 20:34:05 | 温泉
今回は富山市内で日没を迎えたこともあり、時間が次第に押してきました。北陸からの帰りに決まって立ち寄る白馬の「倉下の湯」は時間的に厳しくなったため、先に一風呂浴びてから移動を開始します。立ち寄るのは毎度おなじみ「たから温泉」、ではなく「朝日さざ波温泉地中海」です。
実は、さる正月ここに泊まった活動仲間から、列車の見える露天風呂があると聞き、一度泊まってみたいという考えはあったのです。しかし、宿泊は二名以上とのことで断念せざるを得ず、果たせないまま北陸本線の終幕を迎えてしまいました。今更といった感はありながらも、北陸詣でを終えるにあたり、温泉だけでも立ち寄っておくかと思い立った次第です。
近辺にはたら汁の看板を掲げた店や旅館が散らばっており、その多くがドライブイン、宿泊施設、温泉の中から複数を併設しています。8号線の旧道が現道から分岐した直後にあるこちらは、旅館、温泉、食堂の全てを備えた施設です。ただし、旧道沿いという立地からして大型車の駐車場はなく、宿泊中心で日帰り入浴と食堂もやっているというのが実態のようです。かつては海水浴客などで賑わった旅館が、時代の流れとともに寂れて行ったと思しき佇まいに味があります。
目当ての風呂は二階にあります。内湯も露天風呂もささやかながら、とにかく線路に近く、大袈裟に言えば手を伸ばすと届きそうに見えます。聞けばその向こうには日本海が広がっているとのことです。北陸本線ありし頃、明るいうちに来てみたかったと思うのは、鉄道好きにとっては人情というものでしょう。今となっては全てが後の祭りとはいえ、入浴中に上りの貨物列車が通過し、往年の雰囲気を多少なりとも味わえたのがせめてもの救いでした。

朝日さざ波温泉地中海
下新川郡朝日町境733-1
0765-83-3353
800AM-2130PM
入浴料500円
泉質 アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
泉温 43度
湧出量 150l/min
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - ドライブインきんかい

2015-03-15 20:12:14 | B級グルメ
昨秋何度か世話になった園家山キャンプ場と西入善駅を通ってから8号線に戻り、北陸最東端の朝日町に着いたところで腹ごしらえです。たら汁の看板を掲げたドライブインが何軒かある中、今回も初見のところをと思ったところが、八時を前にほぼ全て看板という予想外の事態が。これなら生地の漁港で済ませてくればよかったかと後悔しながらも、やはり昨秋世話になった「きんかい」だけが空いていたためこちらに飛び込みました。先客はドライバーと思しき一人客が二名と、四人連れの家族が一組。小上がりにあぐらをかいて、たら汁とおぼろ昆布の大きなおにぎりをいただきます。
線路と並走する8号線沿いに建ち、疾走する北陸特急を正面に眺めることができたこのドライブインですが、北陸本線は一昨日限りで役目を終え、窓の外には長距離トラックが行き交うに過ぎません。「沈黙の春」がとうとう来たと実感する光景ですorz

ドライブインきんかい
下新川郡朝日町宮崎25-1
0765-83-1870
1030AM-2200PM
第二木曜定休
たら汁600円
おにぎり200円
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 清水の里

2015-03-15 19:04:15 | 北陸
とっぷりと日が暮れて、四日間の旅にも終わりが近付いてきました。あとは粛々と家路につくのみですが、8号線を少し外れて、清水の里こと生地の町に立ち寄って行きます。ただしこの時間では漁港の市場は閉まっており、もちろん夕日も見られません。「幻の瀧」の蔵元で酒を買い、湧水で喉を潤すだけです。昨秋は何度となく立ち寄ったこの町にも、今回は申し訳程度となってしまいました。
何度も訪ねるうちに、町の中は地図に頼らず走れるようになってきました。現在漁港の出口の海岸からこの文を投稿しています。日が落ちてから、上着なしではさすがに肌寒くなってはきたものの、引き続き風は一切なく、波音すらほとんど聞こえないほど静かな海が印象的です。早春らしい夜を体感できただけでも、寄り道をした甲斐はありました。
北陸本線の終焉という大義名分がついに失われ、北陸に通いつめた日々はこれで終わります。さすがに次はある程度の間が空くでしょう。夏の終わりに、キャンプがてら戻って来たいというのが今のところの見通しです。その頃にまたお会いしましょう…
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 呉羽山

2015-03-15 17:15:34 | 北陸
立山連峰が見える場所を求めて呉羽山にやってきました。富山市街の向こうに剱岳を中心にした立山連峰が立ち上がり、富山駅を出た新幹線が神通川を渡って金沢へ向かうという眺めは、同じく誰が撮っても様になる絵葉書的な光景です。開業直後ということもあり、見物客の数が今までとは違います。
惜しむらくは、先ほどまで夕日に染まっていた剱岳の山頂が陰ってしまったことです。先ほどの貨物列車にしてもそうでしたが、今日はあと一歩のところで決定的な場面を逃すという展開が続いています。とはいえ、これほど見事な立山連峰も、去年の花見の時以来です。今からでは他の場所と掛け持ちすることもできないため、時間の許す限りこの絶景を眺めてから移動します。
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 東岩瀬駅

2015-03-15 16:27:17 | 北陸
続いては、富山港線時代の駅舎が残る東岩瀬駅を訪ねます。小洒落た車寄せを備えた半切妻の木造駅舎からは、臨港線華やかなりし頃の面影が偲ばれます。郊外電車然としたこの路線に、かつては旧型国電や急行型電車が走っていたというのですから、今となっては隔世の感があります。
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - ポートラム

2015-03-15 15:29:10 | 北陸
貨物列車を撮り損なうという非常に痛い失敗をしてしまいましたが、二度と撮れない「北越」「はくたか」に比べれば、いずれ再挑戦の機会が残されているだけ幸いではあります。気を取り直して岩瀬浜に移動し、通称ポートラムこと富山ライトレールを撮ることにしました。定番でもある運河をまたぐ橋の上でカメラを構えます。鉄橋を渡る小さな電車と、正面に屹立する劒岳との取り合わせは、誰が撮っても様になる絵葉書的な光景です。
ちなみに現在の気温は10度、早春らしい薄日が差して風はなく、先ほどから上着を脱いでいます。凍える寒さだった一昨日までが、嘘のように思える穏やかさです。
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 因縁の場所

2015-03-15 14:36:29 | 北陸
二日遅れの晴天に誘われ、常願寺川のお立ち台にやってきました。もちろん、今更訪ねたところで、花形である「北越」と「はくたか」は姿を消しています。忌まわしき521系など撮りたくもありません。しかし、午後に一本だけくる上りの貨物列車の時刻と頃よく重なったため、それを狙った次第です。
ところが、余裕を持って向かったつもりが、どういうわけか時間を消費し、着いた頃には通過時刻を過ぎてしまったようです。結局、撮りたくもない521系の普通列車を一本撮って終わりという、何とも徒労感の残る結果となりました。これほど見事な立山連峰が撮れる機会は、少なくとも自分にとっては再び訪れるかどうか分かりません。千載一遇の好機を逃したのはあまりに痛いものがあります。
実は、ここで以前「はくたか」を目の前で撮り逃がすという苦い経験をしました。この撮影地との相性がどうもよくありませんorz
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 西町大喜

2015-03-15 13:05:58 | B級グルメ
車に続いて自分も給油を済ませます。このところ北陸を何度も訪ねておきながら、「8番らーめん」を素通りし続けているため、久々に寄りたいという考えはありながらも、手近なところに「大喜」があったためこちらを選択。前回訪ねたときに残った富山ブラックをおかずにご飯をいただくという宿願が、わずか一月少々で実現と相成りました。
果たせるかな、大量のチャーシューはもちろんのこと、黒胡椒を振った塩辛いメンマがとにかくご飯に合い、丼一杯分の「ライス」でもやや物足りなく思えてきます。大食漢ならなおさらだろうと思ったところ、後から来た地元客が「大ライス」を注文しました。やはり同じように考える人々は相当数おり、裏メニューとなっているのでしょう。腹具合に十分な余裕があるときは、大を試してみるのもよさそうです。

西町大喜 中島店
富山市中島3-7-14
076-445-1710
1100AM-2100PM
火曜定休
中華そば小750円
ライス160円
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春まだ浅い北陸へ 2015番外編 - 給油

2015-03-15 12:48:41 | 北陸
立山連峰を最初は左に、やがては後方に望みつつ、8号線を快走して富山市街に入りました。ここで直江津以来となる給油を済ませます。出発からの走行距離は800kmに迫っており、復路の移動を含めると1200km少々の行程となりそうです。
ちなみに、本日の単価はレギュラー132円、ハイオク143円です。少し前までハイオクがほぼ常時160円を超えていたことを考えると、一割以上は下がったでしょうか。高速料金の実質的な大幅値上げから一年が経とうとしている今、ガス代の値下がりで多少なりとも吸収されつつあるのは助かります。
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 悪循環

2015-03-15 11:47:33 | 北陸
夢の跡と申したばかりではありますが、実は乗客の数が激減したわけではなく、改札口にも待合室にもそれなりの人は出ています。普通列車はそのまま残り、新幹線の乗客も富山から乗る可能性が高い以上、それが当然というものでしょう。
ところが、今まであったみどりの窓口が閉鎖され、一ヶ所の出札窓口に集約された結果、そこに長い列ができています。これまで窓口に二名の係員が常駐し、目の前のホームから特急が頻発していたにもかかわらず、今や切符一枚買うにも長い列に並ばされ、富山駅まで混雑した521系に詰め込まれて移動しなければならないのですから、魚津駅の利用客にとってはまさに踏んだり蹴ったりです。
折しも到着した上りの普通列車には、着いた時点で既に立ち客が出ていました。魚津で相当数の乗客を拾い、さらに滑川などにも停車して行けば、富山に着く頃にはどれだけ混むかは推して知るべしでしょう。傍目に見ても不愉快な光景です。しかし、富山地区などまだましかもしれません。単行の気動車に置き換えられた新潟県側では、当然ながら立ち通し必至の混雑となっており、あまつさえ積み残しが出たり、乗降にも支障を来たしているという話が伝わってきているからです。
新幹線の開業により在来線が少なからぬ影響を受ける状況であれば、それを活性化するように施策を打つのが本来の姿というものでしょう。ところが今回在来線を引き継いだ事業者は、将来的に乗客が減るという前提で、接客水準を大幅に落としてしまいました。これではさらなる鉄道離れを招くだけです。「真酒亭」の亭主も嘆いていた通り、彼等が在来線を守ることは期待できそうにありません。
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 魚津駅

2015-03-15 11:14:09 | 北陸
約一時間の乗車を終え、一昨日北陸本線終幕の舞台となった魚津駅に戻ってきました。列車を降りた瞬間思ったのは、これまでとは打って変わった閑散ぶりです。「北越」「はくたか」の両雄が去り、短編成の普通列車が発着するだけのローカル駅となった様子は、少し離れた富山地鉄のホームからでも一目瞭然でした。加えて、駅舎内にあったみどりの窓口も、待合室の売店も撤退しています。まさに夢の跡と形容すべき光景ですorz
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 富山地鉄

2015-03-15 10:21:34 | 北陸
直ちに撮影を始めたいのはやまやまながら、これほどの好天ならば、魚津までの移動も楽しむに限ります。521系に詰め込まれる旧北陸本線を避け、富山地鉄の電車でのんびり行くことにしました。運用につくのは元京阪テレビカーの10000系です。
期待通り、右前方には分厚く積雪した立山連峰が、巨大な壁のように屹立しています。水温む田畑との取り合わせは、まさに早春そのものです。

★富山1001/125レ/1056新魚津
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春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - パレブラン高志会館

2015-03-15 09:31:19 | 北陸
出発します。昨晩世話になったのは「パレブラン高志会館」でした。
三週前も昨夜も富山に泊まったことからすると、今夜は金沢に宿をとるのが順当というものでしょう。それにもかかわらずまたしても富山泊となったのは、早い話金沢の宿がどこもかしこも満室だったからです。富山の宿もやや混んでおり、「桜橋ビジネスホテル」も「富山地鉄ホテル」も満室という状況の中、代わりに選んだのがこの宿でした。

深夜のチェックイン対応、駅からの近さ、低価格という条件で選んだ前夜の「ホテルプライム」に対し、予算を逸脱しない範囲でなるべく楽しめる宿をという観点で選んだのがここです。名称から察しがつく通り共済関係の施設であることからして、以前金沢で世話になった「兼六荘」と同様、ビジネスホテルにはない居心地を楽しめるのではないかと期待したわけなのですが、その見立てに誤りはありませんでした。
駅から東へまっすぐ五分強歩いた場所にある建物は、円筒をいくつも組み合わせたような複雑な形状をしており、結婚式場と宴会場を主にして、宿泊施設も併設しているというのが実態のようです。客室は建物の形状に合わせて扇形に配置されており、正月に泊まった「函館国際ホテル」のように特別な空間としての雰囲気が漂います。年季が入っていながらも室内は十分に広く、調度品と照明も上質です。
そして何より特筆すべきは、富山駅の東側の線路と平行に建ち、富山地鉄と北陸新幹線を一望できることです。新幹線の高架の背後には旧北陸本線が通り、彼方にはライトレールも一瞬とはいえ見えるため、富山市内を走る列車のうち、高山本線と市内電車以外が全て見られるという、鉄道好きにとっては特等席ともいえる環境です。しかも、左にカーブを切る新幹線の高架の彼方には、立山連峰が屹立するというおまけつきです。
一階の喫茶でいただく朝食も秀逸でした。松花堂のように折を使った一人前の朝食は見た目にも美しく、なおかつ鰤の煮付けに昆布巻など郷土色も織り込まれており、価格に見合った価値は十分にあります。高い天井と、そこまで届く大きな曲面ガラス、天然木のテーブルに竹を編んだ椅子など雰囲気も上々で、優雅さの点では「富山地鉄ホテル」のバイキング以上かもしれません。それに加え、朝も入れる浴場まであるのですから完璧です。

門限が0時と決まってはいるものの、富山の呑み屋の看板が総じて早いことを考えると、実質的には何の問題もありません。「富山地鉄ホテル」に泊まったときは、ここ以上の宿はないだろうと思っていたところ、それと同等以上の宿が出現するとは思いませんでした。富山での宿選びは今後ますます混沌としてきそうです。
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