日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い北陸へ 2015 - 全行程終了

2015-02-08 22:35:22 | 甲信越
列車は直江津発車時の遅れを5分ほど縮めて越後湯沢に到着。上越新幹線のホームに上がると、こちらも10分ほど遅れているとの表示が出ていました。結果としては余裕綽々の乗り継ぎとなり、只今11分遅れで発車しています。
富山県下の各駅で新幹線の開業を知らせている「きときと君」の立看板を最初に見たのは、去年の三月に富山駅で降りた時でした。そのとき「1年」とだけ表示されていた開業までの期間は、今日の時点で34日となりました。その間北陸への汽車旅を何度も繰り返し、それぞれに印象深い場面があったため、今回の活動がとりわけ上出来だったとまでは思いません。しかし、国鉄色の「北越」に三度も乗車を果たしたこと、見事な立山連峰を車中から眺めたことを含め、やれることはやり尽くしたという実感があります。今後の展開次第で流動的な部分はあるものの、北陸への汽車旅はこれにて打ち止めということになりそうです。

★越後湯沢2224/とき352(352C)/2340東京
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春まだ浅い北陸へ 2015 - ほくほく線

2015-02-08 21:06:47 | 甲信越
言われるままに直江津で降りると、本来ならば接続しないほくほく線の快速列車が、こちらの到着を待っていました。只今定刻より30分遅れて発車したところです。この先交換する可能性のある列車は三本しかないため、遅れが拡大する可能性は低いでしょう。終点の越後湯沢までこの遅れを保った場合、長岡から乗るはずだった上越新幹線に数分という絶妙な間合いで接続するため、これでとりあえず一安心です。
「北越」での移動がほくほく線に振り替わったのがやや拍子抜けではありますが、485系といっても3000番台にそこまでの思い入れはありません。冬の日本海縦貫線らしい緊迫した場面を最後に体感できたという点では、これでよかったと納得しています。

★直江津2035/3853M/2149越後湯沢
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春まだ浅い北陸へ 2015 - デッドセクション

2015-02-08 20:38:57 | 甲信越
糸魚川を発車した後、室内灯が一瞬消えました。交流と直流を切り替えるデッドセクションです。この一年、北陸への汽車旅で何度も通過してきたこの区間も、新幹線開業前はこれで最後になる可能性が高くなってきました。
新幹線の開業後、この区間を行く普通列車は気動車に置き換えられることが決まっています。一日一往復だけ残ることになっている485系の快速列車を除けば、室内灯が消えるという場面も見られなくなってしまうわけです。そのことに気付いた瞬間、わずか数十秒の消灯時間が、少しでも長く続いてほしいと思う自分がいました。最後の時が容赦なく近付いていることを、否が応でも実感する一幕です。
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 突然の別れ

2015-02-08 20:18:33 | 北陸
泊を通過したところで突如通告が入りました。信越本線内で強風による遅れが見込まれるため、直江津でほくほく線へ乗り継ぐようにとのお達しです。高岡を出る前に運行状況を確認したつもりが、その直後に状況が変わったようで、改めて確認すると、たしかに信越本線内で遅れ発生との情報があります。
日本海縦貫線を北上し、長岡駅でテールランプが消えるのを見届けてから上越新幹線へ乗り継ぐつもりが、別れの時は唐突に訪れました。485系での移動が、ほくほく線の現代的な電車での移動になってしまうのが少々残念です。とはいえ、少なくともあと一回は、惜別乗車で信越本線に遠征するつもりでいます。今回の借りはそのときに返せればよしとしましょう。

★高岡1922/北越9(1059M)/2051直江津
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 北越9号

2015-02-08 19:35:31 | 北陸
ほぼ計算通りの時間に店を辞去し、ロッカーの荷物を引き取りホームに下りました。強風による「サンダーバード」の遅れが波及したか、最終の「北越」は高岡を8分遅れで発車したところです。この遅れを回復する余裕が全くないことは経験上分かっています。しかし、幸いにもこの先は平常運行とのことです。長岡での乗り換えは若干慌ただしくなりそうですが、当座は気を揉むこともないでしょう。

★高岡1922/北越9(1059M)/2142長岡
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 居酒屋たかまさ

2015-02-08 17:38:13 | 居酒屋
一泊二日の小旅行にも仕舞いの時が近付いてきました。旅の終わりは一献傾けて締めくくります。トリを飾るのは「居酒屋たかまさ」です。

一見するとうらぶれている高岡市街ですが、よくよく見れば地方都市にありがちなシャッター街ではなく、相当数の店が日曜も盛業中です。呑み屋についても例外ではなく、ところどころに明かりが灯っています。それらの中から選んだのが、「酒場放浪記」にも登場したこの店です。
駅を背にして電車通りを少し歩き、そこから右に折れたところに、何軒かの呑み屋が集まっている一角があります。その中に屋号を記した赤提灯が灯っていました。暖簾をくぐると、L字の角を大きく切り取ったカウンターがあり、右にはテーブルが一つ、奥には小上がりという構成。二階には宴会場もあるようで、お客が三々五々現れては階段を上っていきます。カウンターはダウンライトで明るく照らされ、中央にある冷蔵ケースの前に田中将大似の若主人が、やや左にあるおでん舟の前に瓜二つの店主が立ち、その奥の厨房ではもう一人の料理人が忙しそうに立ち回っています。この三人に接客のお姉さん二人という布陣は、昨日訪ねた富山の「親爺」を彷彿とさせ、大衆的な雰囲気はまことに秀逸です。

手元の品書きはさほどの参考にならず、主役はあくまで日替わりのホワイトボードです。刺身に始まり焼物、酢物、揚物、一品と過不足なく揃い、なおかつ北陸らしさと冬らしさに満ち満ちていて、眺めるだけでも楽しめます。注文した刺盛りは鰤を主役に平目、子付け、〆鯖、サス、カワハギの六点。品書きがあまりに豊富で選びきれず、結局盛り合わせてもらうという展開も道中三度目ではありますが、立派な鰤が盛り込まれ、その他の品も彩り豊かで、なおかつ一手間加えるべきものにはしかるべき手が加えられるという仕事ぶりは、どこへ行っても変わりません。冬こそ北陸という分かり切った事実を再認識する瞬間です。この盛り合わせにおでんを二品、さらにブリカマを奮発したところで、腹も相当満ちてきました。最後は鱈の粕汁で締めくくります。
「酒場放浪記」に登場した数百に上る店の中でも、八割はどうでもいい店、一割はそこそこよい店、行ってみたいと思うのは残りの一割だと以前申しました。そのような中、行ってみたいと思う数少ない店の一つだったのがここです。店はその期待に見事応えてくれました。

居酒屋たかまさ
高岡市末広町42
0766-24-5745
1500PM-2400PM(日祝日 -2200PM)
正月休業

羽根屋・成政
突き出し(梅貝煮付け)
造り盛合せ
おでん二品
ブリカマ
たらかす汁
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 万葉線再び

2015-02-08 16:36:23 | 北陸
来た道を引き返して高岡に戻ります。およそ十年ぶりに乗車した万葉線でしたが、うらぶれた高岡市街に始まり、怪しげな除雪車がたむろする米島口の車庫、軒先をかすめるような能町と伏木の併用軌道、貨物線の跡が並走するこれまた怪しい区間、郊外電車の趣漂う新湊の専用軌道、さらには庄川の長い長い鉄橋など、めくるめく移り変わる場面が秀逸でした。唯一惜しむらくは、あいにくの雨にたたられ撮影にならなかったことです。天気がよい日に再訪してみたいものだと思います。終点からの渡船も含めれば、おそらく終日注ぎ込んでも退屈はしないでしょう。

★越ノ潟1622/90レ/1709高岡駅
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 富山県営渡船

2015-02-08 15:54:34 | 北陸
新湊出身の大物落語家の名調子による車内放送が流れる中、小一時間の乗車を経て終点の越ノ潟に到着。慌ただしく撮影を済ませて渡船に乗り、対岸の堀岡に渡ったところです。
富山新港の入口を結ぶ、所要5分の小さな渡船は、洞海湾をまたぐ若戸渡船にどことなく似ており、すぐそばを巨大な橋がまたぐところも同じです。しかし、あちらが天然の湾だったのに対し、こちらはもともと地続きで、そこを掘り込み港が造られたのでした。渡場に突き当たって途切れる万葉線の線路が、かつては富山までつながっていたなど、事前に知らなければ想像もつかないでしょう。
自分一人を乗せてきたた渡船は、着くやいなや越ノ潟へ空気を運んで行きました。次の便が出るのは30分後です。結果として、自分がいなければ船を出す必要などなかったわけで、何やら申し訳なく思えてきます。しかも、こちらが次の便まで待つと知るや、係員のおじさんが待合室のストーブに火を入れてくれました。重ね重ね恐縮ではありますが、ともかくありがたい心遣いには違いありません。暖まってから帰りの便に乗り込みます。
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 万葉線

2015-02-08 14:28:14 | 北陸
ロッカーに不要な荷物を預けて万葉線に乗ります。新型の低床電車が代名詞のように扱われてはいるものの、大半の列車はかつての都電8000形によく似た古い電車で運転されます。この電車に終点の越ノ潟まで乗り、さらにそこから出ている渡船に乗って戻れば五時過ぎです。最終の新幹線に接続する「北越」まで二時間という絶妙な時間が残るため、駅前で一献傾けて帰ろうかと思っています。

★高岡駅1430/77レ/1519越ノ潟
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 小移動

2015-02-08 13:48:11 | 北陸
列車を乗り継ぎ高岡へ移動します。車両は特段面白味のない521系、わずか二両の車内には例によって立ち客が出ています。文字通りの移動と割り切らなければ、とても乗れない代物です。
黒部を出た頃から降り出した雨が、富山で本降りに変わりました。これでは万葉線を往復する程度の使い道しかないでしょう。湖西線内が強風のため、「サンダーバード」を米原に迂回させるとの案内放送が流れています。今のところ信越方面は平常運転ですがどうなるでしょうか。

★富山1349/448M/1407高岡
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 西町大喜 富山駅前店

2015-02-08 12:50:29 | B級グルメ
富山に着きました。高岡方面への列車を待つ間に腹ごしらえを済ませます。今回は駅前の「西町大喜」で通称富山ブラックをいただきます。
県外ではご当地B級グルメとして名高い富山ブラックですが、自身にとってはこれが初見となります。閉店が10時と早く、呑んだ後に行くという選択が考えられない上に、ほぼ車に頼ってきた近年の北陸での活動においては、白昼堂々富山の中心街に入ることが一切なかったためです。
大中小の中華そばに生卵、ご飯、飲み物のみという潔い品書きの中から注文したのは、中華そば小750円也。龍を描いた丼に、その名の通りの黒っぽいスープを満たし、太めのストレート麺、チャーシュー、メンマ、大きめに刻んだ葱という組み合わせです。チャーシューはこれでもかというほど大量に使われ、他店なら間違いなくチャーシューメンを名乗っているでしょう。スープと同様の濃い味付けで、とろけるほどに柔らかく煮込まれています。麺はボソボソとモチモチを合わせたような独特の食感です。
そして最大の特徴であるスープは、評判通りの塩辛さでした。黒っぽいスープといえば思い出すのが徳島の中華そば、 それに京都の「新福菜館」ですが、それらがなんだかんだで飲み干せてしまうのに対し、こちらのスープは終盤になればなるほど塩辛さが際立ち、必然的にご飯がほしくなってきます。やはり徳島の中華そばと同様、大量のチャーシューをおかずにして白飯をかき込むのが、富山ブラックの正しい食し方なのかもしれません。次の機会があったときにはもちろん試してみたいと思います。

西町大喜 富山駅前店
富山市新富町1-3-8
076-444-6887
1100AM-2200PM
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 逆戻り

2015-02-08 12:17:56 | 北陸
普通列車で富山へ逆戻りです。昨日魚津で乗ったのと全く同じ編成がやってきました。しかし、ロングシートに甘んじた昨日と違い、今日は立山連峰が見える進行方向左側のボックス席を確保。山頂付近は残念ながら雪雲に覆われてはいるものの、雪化粧した山肌が屏風のように連なる様子は絵になっています。
それにしても、今日の天候は昨日とは対極にあります。おそらく気温に大差はないでしょう。しかし、日差しがなくなり風が吹いてきたこともあり、吹きさらしのホームに立つとかなり冷えます。富山平野でこの風なら、海沿いの区間でダイヤが乱れる可能も覚悟しなければなりません。季節も冬へと逆戻りしたようです。

★黒部1204/546M/1234富山
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 黒部駅

2015-02-08 11:55:33 | 北陸
黒部で「北越」を降りました。上りの普通列車を待つ間に駅の構内を撮ります。
駅舎はコンクリート造の箱型で、特筆するほどのものではありません。しかし、今回も訪ねて気付いたのは構内の広さです。12両、いやそれ以上は止まれそうな長いホームが延びており、信号機で区切られた構内全体の長さはその倍近くあるようにも見えます。魚津と比べても長く感じられるのは、構内が一直線なのに加えて、駅舎と跨線橋が下り方に寄っており、なおかつ上屋が駅舎と跨線橋に近い三両分ほどの長さしかないからでしょう。いずれにしても、まさに大幹線の風格です。
しかし、来月新幹線が開業すれば、この駅に発着するのはわずか二両ばかりの普通列車だけとなり、この構内も文字通り無用の長物と化します。終焉の時まであと34日です。
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春まだ浅い北陸へ 2015 - 北越3号

2015-02-08 10:29:15 | 北陸
バスで金沢駅に移動し、特急券を買ってホームに上がると、狙い通りに国鉄色の編成が据え付けられていました。前日の2号に入った時点で、こうなることは確定的だったわけです。この活動だけでも三回乗車できたのは、幸運だったと改めて思います。
もう一本の国鉄色であるT18編成は本日「くびき野」の運用に入っており、この編成は金沢から新潟まで一往復すれば終了です。これにより、帰りの「北越」は必然的に3000番台となります。また、今回金沢と富山を両取りしたことにより、新幹線の開業前に富山へ戻ってくる可能性は低くなりました。つまり、国鉄色の485系で北陸本線を下るのは、これが事実上最後の機会ということになります。国鉄特急型電車の本領発揮というべき走りも、富山平野の車窓もしかと記憶に刻んでおきたいものです。

★金沢1034/北越3(1053M)/1137黒部
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春まだ浅い北陸へ 2015 - きくのや

2015-02-08 09:48:11 | 北陸
出発します。昨晩申した通り、今回も「きくのや」の世話になりました。和室の心地よさに加えて呑み屋街が至近という立地も申し分なく、やはり空きさえあればここを選ばない手はありません。
宿泊したのは前回と同じ六畳間で、玄関から階段を上がって奥へ進んだ突き当たりにあります。ここが素泊まり六千円なのに対し、それより広い八畳間は七千円のため、宿代に関する自分の金銭感覚からは出しづらいところではあるのです。そうすると、この宿に泊まれるのは一室限りの六畳間が空いている時だけということになります。
とはいえ、毎回同じ部屋に泊まるというのも悪くはありません。それを何度か繰り返せば、自ずとその部屋に対する愛着が湧き、実家に戻ってきたような気分になりそうだからです。この部屋に再び戻って来られる時が、なるべく早く訪れることを願っています。
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