日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

早春の越後を行く - ひろ坊餃子

2015-03-07 21:59:36 | 居酒屋
車掌の粋な計らいもあり、乗車については完全勝利に終わった本日の活動ですが、それは居酒屋に関して妥協した上での結果でもあります。ただでさえささやかな直江津市街にあって、10時に迫る時刻では店の選択肢も自ずと限られ、事前に当たりをつけていた数少ない店の一つも看板となってしまいました。しかし、こうなるのを承知の上で乗車を優先した以上、今日は呑むことに関してさほどの執着はありません。並以上であってくれればよいと割り切り、同じく当たりをつけていた店の一つに飛び込みます。その名も「ひろ坊餃子」です。
駅のロータリーに面して赤提灯がいくつか灯る一角に店はあります。暖簾にも提灯にも「餃子」と「お酒」の文字があることからして、中華料理、ラーメン屋の類ではなく、餃子を肴に一杯やれる店なのでしょう。古びた店構えからしても、地元客が三々五々出入りしている様子からしても、これなら大きく外すことはないだろうと見込んだ次第です。そして、この判断は誤っていませんでした。

染め抜きの暖簾をくぐると、鈍角に曲がった朱塗りのカウンターがあり、地元の勤め人で七割、八割方が埋まる盛況。奥に二つある小上がりも先客で埋まっており、教祖よりも「酒場放浪記」が好みそうな、御常連御用達と形容するのがふさわしい店内です。カウンターの角に立つ威勢のいい女将が店の要をなしており、その隣に立つのは跡取りでしょうか。餃子を焼く丸鍋、炒め物に使う中華鍋、湯気を立てる煮込みの鍋が三つ並んだカウンターは機能的で、背後の冷蔵庫から取り出された食材が華麗な手さばきにより調理されて行きます。この二人を中心に、店主、若女将と思しき二人を加えた四人による家庭的な雰囲気も秀逸です。
壁には黄色い短冊の品書きが張り出され、餃子を筆頭に煮込み、焼鳥、炒め物といったてらいのない品々が揃い、どれも量が多くて価格も良心的です。日本海の幸に比べて華やかさには欠けるものの、駅前で軽く一杯ひっかける向きには、屋台のような品書きもあながち悪くはありません。むしろ、日頃から通うならこれで十分でしょう。勤め人で賑わう理由も宜なるかなの名店でした。

ひろ坊餃子
上越市中央1-1-29
025-543-4251
1630-2330PM(LO)
日曜定休(第三日曜は営業し翌日休業)

生ビール・酎ハイレモン
牛すじ煮込み
餃子
野菜炒め肉入り
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早春の越後を行く - 心憎い演出

2015-03-07 21:45:28 | 甲信越
名残は尽きないものの、30分の乗車は瞬く間に過ぎ、鉄道唱歌のオルゴールが流れて終点の直江津に着きました。到着した編成が引き上げるのを見届け、北陸本線のホームに停車している北陸色の413系を撮影して切り上げたところです。
所々音欠けした年代物のオルゴールは、当然ながら前回乗ったときと同じものです。しかもそのオルゴールに続いて、奇しくも同じ車掌による案内放送が流れてきました。いかにもベテランらしい手慣れた口上の後、もう一度鉄道唱歌が流されたのはもちろんです。
この車掌なら何かをやってくれるだろうという期待は、果たして見事に的中しました。直江津に到着するやいなや「回送」に変わるはずの方向幕とヘッドマークが、引き上げる直前までそのままだったのです。おかげで到着した編成を一通り撮影することができました。一度ならず二度までも、印象的な場面を演出してくれたことに感謝します。
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早春の越後を行く - 妙高5号

2015-03-07 20:53:35 | 甲信越
二本木で列車を降り、長野から下ってきた「妙高5号」に乗り込みました。これが最後といいながら、結局何度も乗車してきた「妙高」とも、おそらくこれでお別れとなるでしょう。最後の乗車を国鉄色の編成で飾れたのは幸いです。
乗車したのは5号車、着席したのは日中ならば妙高山が見える左側です。たとえ暗かろうとも着席位置にこだわるのは、先々週「北越」に乗車したときと同様、慣れ親しんだ席で終わりたいという心情の表れに他なりません。

ちなみに、「妙高」が最後となる以上、二本木で乗り降りするのもこれが最後となりそうです。スイッチバックばかりが注目されがちなこの駅ですが、寄棟屋根の木造駅舎、改札から延びる雁木になった廊下、その廊下から地下道をくぐって上がる、緩やかにカーブした島式ホーム、ホームの上の待合室に駅舎脇の危険品庫と、一つ一つのものが模型の世界を見ているようで、小一時間滞在しても退屈しない場所でした。その二本木に短い時間とはいえ滞在し、スイッチバックも体験できて、もう何も思い残すことはありません。有終の美を飾れたことに感謝します。

★二本木2048/妙高5(3325M)/2119直江津
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早春の越後を行く - あと六日

2015-03-07 20:01:43 | 甲信越
そのようなわけで、「妙高5号」を出迎えるべく、直江津から信越本線を上ります。運用につくのは長野色の115系、それも堂々たる6両編成で、富山発の普通列車と、新潟発の「北越10号」からの乗り換え客を拾って発車しました。
ちなみに、前と隣のボックスにいずれも同業者が陣取っています。ホームでカメラを構える同業者も、先週末に比べて一段と増えました。しかし、最後の週末である以上、これも当然の結果ではあります。もはや同業者の数を気にしている場合ではありません。泣いても笑ってもあと六日です。

★直江津2000/362M/2032二本木
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早春の越後を行く - 直江津泊

2015-03-07 17:07:19 | 甲信越
結局午後は曇ってしまい、さしたる収穫もなく終わりました。とはいえ、さほどの期待をしていなかった状況で、午前だけでも完勝といえる結果を残せただけで十分です。光量も大分落ちてきたため、今日は早々と切り上げて投宿します。

結論から申しますと、今日は直江津に泊まります。しかし、夜の部をどう組み立てるか、そのためにどこでで宿をとるかついてはかなり逡巡しました。
現在地を考えれば、直江津に泊まるのが最も自然な成り行きであり、翌日の行動を考えた場合にも何かと好都合です。しかも先週と同様、車を置いて「妙高5号」にも乗れます。ただし、直江津に泊まった場合の唯一にして最大の難点は、呑み屋の心当たりが全くないということです。
ここで浮上してくるのが、長岡の「魚仙」で呑むという選択です。長岡まで移動するのは一仕事だとしても、たとえば柏崎に泊まって電車に乗れば、十分行き来できる距離ではあり、115系の普通列車にも乗れて一石二鳥です。その結果、居酒屋を妥協する代わりに「妙高」に乗るか、心ゆくまで呑む代わりに115系で妥協するかという、非常に甲乙付け難い選択となり、必要以上に逡巡してしまった次第です。
そのような中、結局直江津に落ち着いたのは、「妙高号に来週はない」という差し迫った事情からです。長野で呑む機会をあえて切った前回と同様、今しかできないことは何かと考えた結果、このような決断に至りました。

長岡で呑むかどうかでこれほど逡巡したのは、キャンプとの二者択一で迷った昨秋以来です。それだけに、長岡を切るという選択が最善なのかどうかは、現段階では何とも言いようがありません。とはいえ、日本海縦貫線の要衝が最後の賑わいを見せている今、当地に宿をとるのも一興というものでしょう。唯一の懸念材料である居酒屋についても、先ほど市街を通ってきた限りでは、並以上の店でよければいくつか選択肢はありそうに見えます。直江津には古きよきMOSもあるため、それらを含めて楽しめるだろうと期待しています。
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早春の越後を行く - 谷浜駅

2015-03-07 15:22:33 | 甲信越
直江津の隣の谷浜駅に立ち寄ります。県境の市振駅によく似た庇付きの木造駅舎がよい味を出しており、「はくたか」と「北越」が長いホームを次々に通過して行く光景は、大幹線の風格十分です。しかし、一週間後に両雄は姿を消し、単行の気動車が一、二時間に一本発着するだけになるというのですから、世の無常というものを感じずにはいられません。
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早春の越後を行く - 給油

2015-03-07 13:26:54 | 甲信越
柿崎から再び北陸道に乗り、上越で下りました。出発から350kmを走ったところで給油を済ませます。残量はまだ半分あるものの、8号線沿いの宇佐美が意外にも少なく、ここを逃すと東は見附、西は黒部まで一つもないため、早めに補充しておこうという算段です。
ちなみに気温は10度、しかし薄ら寒さは相変わらずで、人並外れた暑がりの自分が、今日は一貫してインナー付きの上着を羽織っています。そこそこの気温と日差しがあり、なおかつほとんど無風にもかかわらず、これほど寒く感じる理由は何なのでしょうか。
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早春の越後を行く - セーブオン再び

2015-03-07 12:39:56 | B級グルメ
貨物列車を仕留めたところで午前の部は終了。これでようやく一息つけます。柿崎市街に入ったところで再びセーブオンが現れたため、小千谷で買ったおにぎりにホットスナックを買い足して、これを今日のお昼とします。
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早春の越後を行く - 鯨波

2015-03-07 11:12:32 | 甲信越
「くびき野3号」を見送ってから鯨波に移動するという展開は、昨秋と全く同様です。そのときでさえ「激パ」だったこのお立ち台が、最後の週末にはどれだけ混むかと身構えて乗り込んだところ、国道の駐車帯には十分な余裕が。下り方の小高い場所は、相変わらず取りつく島もない混みようながら、前回カメラを構えた上り方の場所を確保できました。
只今上りの普通列車が通過して行ったところです。この後小一時間の間に「北越4号」と貨物列車、それに国鉄色のT18編成による長野行の臨時列車が通過し、沿線は本日の最高潮を迎えます。
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早春の越後を行く - 貸切状態

2015-03-07 09:57:09 | 甲信越
唯一残っていた先客が去り、お立ち台に残ったのは自分一人となりました。一部の列車の通過時刻を除き、さほど混まないのは織り込み済みだったとはいえ、最後の週末に貸切状態が出現するとは予想外でした。何にしても僥倖ではあります。とりあえず、30分後の「くびき野3号」まではこのまま粘るつもりです。
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早春の越後を行く - 遠き日の思い出

2015-03-07 09:47:08 | 甲信越
「北越」に続いて通過するのが、115系6連の普通列車です。本日は長野色と新・新潟色の混結でした。
気温は6度でほぼ無風、しかしその割には薄ら寒く、長袖二枚の上にインナー入りの上着を羽織ってちょうどよく感じられます。快晴だった「北越」の通過時から少しずつ雲が出始め、今のところ薄日が差す程度です。しかし、早春らしい眠たげな光景も悪くはありません。今から二昔前、初めてここを訪ねたときも、今日とよく似た天候だったことを思い出します。遠き日の思い出が蘇るひとときです。
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早春の越後を行く - 北越1号

2015-03-07 09:01:17 | 甲信越
寄り道がたたって少々慌てる場面はありながらも、柏崎から再び高速道に乗り、「北越1号」の通過前に米山へ着きました。国鉄色のK1編成を狙い通りに仕留めたところです。
前日の「北越8号」に入った時点で、今日の1号となることは確定的でした。だからといって過大な期待をしていたわけではありません。天気予報は快晴とまではいかず、昨秋訪ねたときに比べて格落ちになりそうでした。加えて、最後の週末だけに相当混むのを覚悟しました。しかし、このお立ち台から「北越」を撮れるのも最後かと思うと、足を運ばずにはいられなかったというのが実態です。ところがいざ蓋を開ければ、彼方の雪山が鮮明に浮かび上がる快晴で、先客も十人前後と適度。その先客の大半が去り、目の前には静かな春の日本海が広がっています。これなら下手に欲張るより、終日滞在するつもりで腰を据えた方がよいかもしれません。
ちなみに、レンタカーで活動中の仲間に遭遇しました。考えることは皆同じのようです。
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早春の越後を行く - セーブオン

2015-03-07 08:02:52 | B級グルメ
小千谷市街に入ったところで、渡りに舟のセーブオンが現れました。撮影に追われる展開を見越して、最低限の食料をここで調達して行きます。
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早春の越後を行く - 越後岩沢駅

2015-03-07 07:30:03 | 甲信越
関越道を順調に飛ばし、小千谷の二つ手前の堀之内で下りました。行きがけの駄賃に立ち寄るのは、飯山線の越後岩沢駅です。
線内に数年前まで残っていた小柄な木造駅舎もことごとく建て替えられ、今やこの駅が奇跡的に残るだけとなりました。しかし、遠目にはまだ矍鑠としていても、雪止め付きの金属屋根が長年の雪の重みで波打っており、今後も残るかどうかは予断を許しません。最後の一週間を迎えた北陸本線、信越本線ほどの差し迫った状況ではないものの、次があるかどうか分からないという点では、この駅とて大差はないのです。そう思うと、多少時間が押しても立ち寄らずにはいられませんでした。
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早春の越後を行く - 出発

2015-03-07 05:39:24 | 関東
おはようございます。その後三時に起きて出発し、谷川岳のパーキングエリアに着いたところです。関越道に乗った時点で四時をわずかに回ってしまったものの、渋滞とは無縁の順調な走行だったのは幸いです。前回に比べて職場を一時間ほど早く上がれたのが、結果としては奏功しました。
現在の気温は氷点下0.5度、小雪が舞ってはいるものの、積雪はそれほどでもありません。この先上越国境を越えても、少なくとも関越道に関しては、路面まで積雪といった事態は避けられるのではないでしょうか。小千谷から柏崎に抜ける峠が唯一の不安材料といったところでしょうか。思った以上に積雪しているようなら、遠回りになるのを承知で全区間高速を走りますが、いずれにしても米山には狙い通りの時間に着きそうです。
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