日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - パレブラン高志会館

2015-03-15 09:31:19 | 北陸
出発します。昨晩世話になったのは「パレブラン高志会館」でした。
三週前も昨夜も富山に泊まったことからすると、今夜は金沢に宿をとるのが順当というものでしょう。それにもかかわらずまたしても富山泊となったのは、早い話金沢の宿がどこもかしこも満室だったからです。富山の宿もやや混んでおり、「桜橋ビジネスホテル」も「富山地鉄ホテル」も満室という状況の中、代わりに選んだのがこの宿でした。

深夜のチェックイン対応、駅からの近さ、低価格という条件で選んだ前夜の「ホテルプライム」に対し、予算を逸脱しない範囲でなるべく楽しめる宿をという観点で選んだのがここです。名称から察しがつく通り共済関係の施設であることからして、以前金沢で世話になった「兼六荘」と同様、ビジネスホテルにはない居心地を楽しめるのではないかと期待したわけなのですが、その見立てに誤りはありませんでした。
駅から東へまっすぐ五分強歩いた場所にある建物は、円筒をいくつも組み合わせたような複雑な形状をしており、結婚式場と宴会場を主にして、宿泊施設も併設しているというのが実態のようです。客室は建物の形状に合わせて扇形に配置されており、正月に泊まった「函館国際ホテル」のように特別な空間としての雰囲気が漂います。年季が入っていながらも室内は十分に広く、調度品と照明も上質です。
そして何より特筆すべきは、富山駅の東側の線路と平行に建ち、富山地鉄と北陸新幹線を一望できることです。新幹線の高架の背後には旧北陸本線が通り、彼方にはライトレールも一瞬とはいえ見えるため、富山市内を走る列車のうち、高山本線と市内電車以外が全て見られるという、鉄道好きにとっては特等席ともいえる環境です。しかも、左にカーブを切る新幹線の高架の彼方には、立山連峰が屹立するというおまけつきです。
一階の喫茶でいただく朝食も秀逸でした。松花堂のように折を使った一人前の朝食は見た目にも美しく、なおかつ鰤の煮付けに昆布巻など郷土色も織り込まれており、価格に見合った価値は十分にあります。高い天井と、そこまで届く大きな曲面ガラス、天然木のテーブルに竹を編んだ椅子など雰囲気も上々で、優雅さの点では「富山地鉄ホテル」のバイキング以上かもしれません。それに加え、朝も入れる浴場まであるのですから完璧です。

門限が0時と決まってはいるものの、富山の呑み屋の看板が総じて早いことを考えると、実質的には何の問題もありません。「富山地鉄ホテル」に泊まったときは、ここ以上の宿はないだろうと思っていたところ、それと同等以上の宿が出現するとは思いませんでした。富山での宿選びは今後ますます混沌としてきそうです。

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