日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い北陸へ 2015完結編 - 暗闇のキャンプ場

2015-03-15 21:39:00 | 北陸
当初から意図していたわけではないものの、結果として旅の終わりがこの場所となったのは感慨深いものがあります。大トリを飾るのは通称「北陸本線キャンプ場」こと海浜公園キャンプ場です。期間外のキャンプ場に街灯の明かりはなく、松の木に吊るしたランタンだけを頼りに投稿しています。
日中10度を超えた気温は現在5.5度まで下がりました。しかし風はなく波も穏やかで、体感温度は数字ほど寒くはありません。これならどうにかキャンプもできるのではないでしょうか。一昨日がこの天候であってくれればと、またしても嘆かずにはいられません。

目の前を行き交っていた「はくたか」も「北越」も、「トワイライトエクスプレス」も姿を消し、普通列車さえ単行の気動車に置き換えられてしまいました。待てど暮らせど何一つやって来ない目の前の線路からは、かつての北陸本線の面影すら感じられません。昼間常願寺川のお立ち台を訪ねたときも、同様のことを思いました。ひっきりなしに行き交っていた特急が一本残らず姿を消し、やってくるのは短編成の軽薄な普通列車のみ。長大な、しかし閑散としたホームに、たった一両、二両の普通列車が発着するだけという空疎な光景が、これからの日常となって行くわけです。
我が国の鉄道史上において、これほど両極端ともいえる輸送体系の変貌が、一夜にして起こったことが果たしてあるのでしょうか。近年早春の風物詩となってきた寝台列車の廃止は、極論するなら一列車の廃止に過ぎず、他の列車はそのままでした。かつて東北新幹線、上越新幹線が開業したときも、「つばさ」「あいづ」など一部の特急は残り、急行も相当数が残りました。長野新幹線の開業時には、碓氷峠の線路こそ断ち切られたとはいえ、115系の普通列車は残り、今日も走り続けています。それが今回は、大幹線が一夜にして寂れたローカル線に転落してしまったわけです。
もはや死んだに等しいかつての北陸本線を前に、ただ立ち尽くすしかないほどの絶望を感じています。覚悟していたはずの現実が、これほどまでに残酷だとは思いませんでした。

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