日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -親爺-

2014-10-12 21:23:50 | 居酒屋
富山まで列車に乗ったということは、取りも直さずここで呑むということでもあります。駅前の呑み屋街を歩いて「親爺」にやってきました。
流れ上必然的に決まった選択ではありますが、こうなるに至って一つだけ懸念がありました。というのは、過去に何回訪ねても、この店のカウンターは常に賑わっており、下手をすれば満員札止めという事態も考えられたからです。他の選択肢が豊富な普段はともかく、連休中日の日曜という条件からして、少なくとも手持ちの駒はここ以外にありません。頼みの綱に振られれば、一挙に事態が暗転するという状況の中、そうなる可能性が少なからずあることが懸念材料だったわけです。
一抹の不安を抱えながらも角を曲がると、見慣れた袖看板の明かりがあり、少なくとも早じまいはなかったと一安心。しかし二重の玄関から中をのぞくと、カウンターは満席かと思えるほどの盛況です。不安が的中したかと思いながらもよくよく見ると、中ほどに一つだけ空席があります。今回もあわやのところで無事入店と相成りました。

ホタルイカ、桜鱒、さよりといった品々が黒板を埋めていたに対し、本日の目玉は必ずしも判然とせず、やはり北陸の秋は半端と改めて実感させられます。だからといってめぼしい品がないわけではなく、百花繚乱というべき冬と春に比べてやや地味というだけのことです。当然ながら一つに絞れるはずもなく、例によってまず刺盛りを注文します。昆布〆二点を含む豪勢な八点盛りは、値段もそこそこ張るものの、わざわざ富山へ来たなら出し惜しみする方がかえって損というものでしょう。
そして、この時期の北陸には魚に勝るとも劣らない逸品があります。一夏越して蔵出しされたひやおろしです。日替わりの品書きには五種ほどが並び、当然ながらどれを呑んでも外れがありません。この時期に来てよかったとしみじみ感じるひとときです。

親爺
富山市桜町2-1-17
076-431-4415
1630PM-2300PM(日祝日定休)

三笑楽・幻の瀧・越中懐古・よしのとも
突き出し(きんぴら)
お造り八点
げんげ干物
たら汁
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -前言撤回-

2014-10-12 20:43:33 | 北陸
前言撤回です。魚津を素通りして富山へ向かいます。
魚津で呑むと決めたはずが、舌の根も乾かぬうちに変節したのは、やってきたのが急行色の475系だったからです。この列車を10分ほどで降りるのかと思ったとき、富山まで乗るという選択肢がにわかに浮上し、そこへ計ったように車掌が通りがかって、思わず富山までの切符を求めてしまいました。
これにより、魚津で呑むという貴重な機会を棒に振ったことになります。しかし、急行型電車に乗れる機会も新幹線の開業までです。結果としてはこれでよかったのでしょう。

★西入善2029/572M/2107富山
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -園家山再訪-

2014-10-12 19:40:11 | 北陸
魚津で呑むとは申しましたが、魚津に泊まるとは申しませんでした。昨晩世話になった園家山キャンプ場に戻ってきたところです。
どういうことかと申しますと、このキャンプ場が、西入善の駅までどうにか歩ける位置にあり、魚津の呑み屋も駅から至近距離にあるため、ここに泊まって列車で行けばよいということに気付いたのです。宿泊費を浮かせるという目的もさることながら、酒場めぐりとキャンプの両立という、至難の業に挑戦しようとする意図もあります。
このような奇策に走ったのは、天気予報によるところも少なからずあります。今朝の時点では、明日の朝から降ると言われていた雨が、最新の予報では昼からに延びたのです。台風が来るかどうかに気を揉んでは興ざめなのに対し、この予報なら安心してキャンプができます。現に気温は18度と絶妙で、昨夜と違い風も全くなし。朝方に一時雨が降るとはいわれているものの、その程度の雨を恐れていては、そもそもキャンプはできません。これはもうキャンプをするしかなかろうと思い立った次第です。
今し方、上りの普通列車が彼方を通過して行き、次の列車は50分後です。おそらく20分ほど歩けば駅には着くため、一息入れてから出発します。
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -給油-

2014-10-12 19:10:05 | 北陸
出発からの走行距離がゾロ目の555kmに達しようとするところで、前回の活動終了時に入れたガスをほぼ使い切りました。富山か金沢まで走り、そこで最初の給油をするのは、北陸の旅ではよくある展開です。
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -下田温泉-

2014-10-12 18:42:12 | 温泉
市街の至る所に湧水がある魚津ですが、不思議なことに温泉は全くといっていいほどありません。手近なところを探した結果、本日は銭湯で一風呂浴びることにしました。立ち寄るのは「下田温泉」です。
日が落ちてから急に冷え込み、熱い風呂が肌身に沁みた昨日に対し、今日の日中は20度台の前半で軽く汗ばみ、この時間になっても20度とさほど気温が下がりません。これが内陸と海沿いの違いなのでしょう。

下田温泉
魚津市本町2-12-4
1400PM-2200PM(木曜定休)
入浴料420円
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -日没-

2014-10-12 17:22:09 | 北陸
つるべ落としの日は瞬く間に落ち、それと同時に雲も厚くなったか、残照はたちまち失せて、灰色、あるいは紫色の平板な空に変わりました。これにより、列車撮影は否応なく終了です。もちろん全てを撮り尽くしたわけではないものの、限られた時間でやれるだけのことができたという点では満足しています。
この後は一風呂浴びて夜の部へ移行します。結論から申しますと、今夜は魚津で呑もうかと思っています。富山の「親爺」が開いているため、順当ならばまずここを選ぶべきところ、あえて注文相撲に走るのは、北陸詣でが続く今だからこそ、趣向を変える余裕が持てるからです。例年のように、年に一度か二度の北陸だとすれば、もちろん「親爺」に行くでしょう。しかし、新幹線の開通まで、北陸にはさらに何度か足を運ぶと予想され、富山の出番も当然ながら出てきます。これに対し、魚津で呑む機会などそう巡ってくるものではありません。新幹線が開通すれば、魚津は優等列車の停まらないローカル駅となり、ますます足が遠のくでしょう。このことからも、魚津で呑むには今回が千載一遇の好機というわけです。
魚津に二軒ある教祖の推奨店のうち、「ねんじり亭」は花見のときに訪ねたため、今回はもう一軒の「炉辺かねや」に入るつもりです。もう一軒という流れになれば、「ねんじり亭」を再訪してもよし、自力で開拓してもよし、あるいは列車に乗って富山へ行くのも一案ではないでしょうか。
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -西魚津駅-

2014-10-12 16:46:56 | 北陸
四時過ぎの「はくたか」を見送った後、朝日から北陸道に飛び乗り魚津で下りました。六角形のファサードが印象的な西魚津駅を定点観測します。しかし、ここへ寄るためだけに高速道を飛ばしたわけではありません。今回の主役は北陸本線です。遠い昔に一度訪ねた、北陸本線の列車が影絵になる築堤に、残りわずかな時間を賭けます。
昨日のような雲一つない夕空と違って、薄雲が出た状況では影絵の方が絵になると見込んでのことです。日没までに通過するのは、下りの特急一本と普通列車が上下合わせて二本。残照が続いてくれれば、EOS-1D Xの威力でもうしばらく撮れるかもしれません。
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -再び移動-

2014-10-12 15:08:05 | 北陸
再び富山県側に移動し、午前中に目をつけておいた泊の先の築堤にやってきました。先ほど上りの「はくたか」が通過して行ったところです。緩やかに左へカーブしつつ築堤を上る絵柄はよいものの、9両編成を収めようとした場合、彼方にある巨大な看板が写り込むのが惜しまれます。手前の田圃に稲穂があれば、それを補って余りある画になると想像されるものの、あいにく富山平野の稲穂は跡形もなく姿を消しました。やはり、北陸の稲刈りは早いという経験則に間違いはなかったようです。
ここまで奇跡的に持ちこたえていた青空に薄雲が広がり、先ほどの「はくたか」でも日が陰ってしまいました。30分後に来る「北越」では再び晴れてくれるでしょうか。
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秋の北陸信越銃弾ツアー 2014 -市振再訪-

2014-10-12 13:48:18 | 甲信越
お立ち台で「はくたか」と普通列車を撮った後、市振駅に戻ってきました。只今上りの貨物列車を狙い通りに仕留めたところです。トンネルを抜けた列車が迫ってくるかのような絵柄がよく、終日滞在するにもやぶさかではないものの、北陸本線を撮れる機会があと何回あるかと考えると、欲張りたくなるのが人情というものです。ほどよいところで切り上げて、三ヶ所目の撮影地を目指そうかと考えています。
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -俯瞰撮影-

2014-10-12 13:01:33 | 甲信越
「はくたか」「北越」の二本を仕留めたところで、西寄りのお立ち台に移動してきました。地滑りを修復したと思しき高くていかつい擁壁に、歩いて昇降できる階段が造られており、それを登り切って振り返ると、8号線に沿った市振の集落と、その向こうを行く北陸本線、さらには日本海を一望できるという、撮り鉄にとっては渡りに船の撮影地です。
鉄道雑誌にも紹介された有名な場所ながら、本日は先客なし。しかし、その気になれば二十人は立てそうです。来春の廃止間際は、ここが撮り鉄で埋め尽くされることになるのでしょうか。
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -市振駅-

2014-10-12 12:17:04 | 甲信越
続いて訪ねるのは、新潟県最西端の市振駅です。ここから羽越本線の府屋まで、日本海縦貫線は300kmにわたって越後路を北上することになります。
庇のある木造駅舎は北陸らしい正統派で、広場の一角に立つソメイヨシノがよい点景になっています。それに加えて、踏切を渡って上がる島式のホームと、目の前に広がる日本海との取り合わせがよく、雁木のように張り出した駅舎のホーム側の造りが、風雪の厳しさを物語っているようです。
ちなみに、駅舎の裏手から、トンネルを飛び出して通過する列車を撮れることが分かったため、しばらくここでカメラを構えます。ここまでの道すがら、撮影に適した場所をあと二ヶ所ほど押さえたため、今日いっぱい注ぎ込むにはこれで十分でしょう。
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -越中宮崎駅-

2014-10-12 11:36:19 | 北陸
たら汁の看板が立ち並ぶ8号線から、線路の反対側へ渡ったところにあるのが越中宮崎駅です。無人化されてはいるものの、鉄筋コンクリートの駅舎には荷物窓口が残り、出札窓口の脇にある鏡には、開駅10周年記念の文字が。たら汁の看板を掲げた旅館があるのは国道側と同じながら、静かな雰囲気は好対照です。
さらに秀逸なのが、真正面に日本海が見えることです。駅舎を背に100mほど歩いて堤防を越えると、目の前には広大な砂浜が広がる一方、東の彼方で親不知の天険が海へ落ちる様子が手に取るように分かり、東日本と西日本の境にいるのを目の当たりにすることができます。
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -きんかい-

2014-10-12 10:38:44 | B級グルメ
生地では見事なまでの返り討ちに遭ったものの、当地にはたら汁という恰好の朝食があります。8号線を東進し、ドライブインが集まる越中境にやってきました。既出の「栄食堂」は前回立ち寄ってから間もないため、今回は趣向を変えて「きんかい」を選択します。
純然たるドライブインだった「栄食堂」に対し、こちらは旅館併設です。しかし、ドライブインにも旅館にも飾り気はなく、大型車が何台も止まれる広大な駐車場からしても、併設されたコインランドリーからしても、明らかに観光客向けではありません。小上がりにいるジャージ姿の先客は、駐車場に止まっているトレーラーの運転手でしょう。ドライバー御用達といった雰囲気は自分の好むところです。
一押しは、もちろんたら汁定食1100円也。それを素直に選ばないのが天邪鬼の習性で、600円の単品に200円のおにぎりを注文します。主役のたら汁はもちろんのこと、おぼろ昆布をまぶした大きなおにぎりが富山ならではです。

ドライブインきんかい
下新川郡朝日町宮崎25-1
0765-83-1870
900AM-2300PM(第二木曜定休)
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -魚の駅生地-

2014-10-12 09:35:28 | 北陸
開始早々まさかの誤算が。朝食がてら、毎度おなじみ「魚の駅生地」を目指したところ、あろうことか創業10年の感謝祭なるものに重なってしまい、駐車場へ入るにも難儀する空前の混みようで、逃げるように退散してきた次第ですorz
食堂に満席で振られた前回に続き、二度までも振られるとはさすがに予想できませんでした。祭は今日一日限りとはいうものの、これだけの誤算が続くと「二度あることは三度ある」の格言が否応なしに浮かんできます。そうなることは断じて避けたいのですがね…
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秋の北陸信越縦断ツアー 2014 -園家山キャンプ場-

2014-10-12 08:36:37 | 北陸
出発します。昨晩世話になったのは入善の園家山キャンプ場でした。駅でいうと西入善が最も近く、北陸本線キャンプ場こと朝日の海浜公園からは西へ二駅分という位置関係です。
海に面した松林のサイトは海浜公園と同様で、ブロックと護岸で固められた殺風景な海岸を含め、眺めはどちらもよく似ています。しかし、このキャンプ場で特筆すべきはなんといっても炊事場でしょう。というのも、かなり広めの炊事場に、水道代わりの湧水が引かれ、それが常時流れているのです。これほどの贅沢ができるのは、名水の宝庫である富山ならではといえるでしょう。海浜公園より二回りほど大きい、しかしほどよい規模のサイトとこの炊事場が揃って無料となれば、10月でも両手に余るほどのキャンパーで賑わうのは宜なるかなといった感があります。
しかし、これほど充実したキャンプ場ではありますが、高揚感にかけてはどうしても海浜公園に軍配を上げたくなります。こちらのサイトも線路には比較的近く、時折列車の通過音が聞こえてはくるものの、残念ながら行き交う列車は見通せません。設備はごくささやかでも、やはりあのキャンプ場は最高だったと改めて思いました。
もっとも、このように考えるのは汽車好きの習性以外の何物でもありません。老若男女を問わずに勧められるのは、紛れもなくこちらのキャンプ場です。一晩快適に過ごさせてもらったことに感謝します。
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