今日の一枚

時折、季節の写真などを掲載します。

陀々堂の鬼はしり

2012-01-15 | 行事

 毎年この時期になると一度行ってみたいと思っていました奈良県南部吉野川沿いの五條市大津の念佛寺陀々堂へ行ってきました。毎年正月14日に行われています火の祭典「鬼走り」を見に。公園の駐車場に車を置き、真っ暗な道を1kmほど歩き吉野川にかかる橋を渡ったところに念佛寺はありました。茅葺きでそれほど大きくはありませんが、見上げる感じになります。

 午後7時からお堂の境内で本堂近くの場所で行者の方々によります護摩供が始まりました。色々な音が鳴らされ、儀式にのっとりお経の声の中、生木に火が点火されるとあたり一面白い煙でいっぱいになりましたが、しばらくするとそれもなくなり火が勢いよく燃え上がっていました。

 その後もパタンパタンと鳴り響く板に打ちつける棒打の音、時々鐘や太鼓も打ち鳴らされ、本堂では須弥壇裏で桧の生葉をくすべた煙がもうもうと堂内に立ちこめ、早口のお経、鐘太鼓、法螺貝などの音響の中、最後に3人の鬼役の方が大きな鬼の面をかぶり火がもうもうと燃え上がる大松明を持ちそれぞれの入口から前に出られました。

 その頃には境内は人で埋め尽くされ、私は左前の方にいましたが、前の人の間からしか写真は撮れません。
動きも早いしうす暗い中ですのでなかなか思うようにはいきませんでした。斧を振りかざした赤鬼、捻木を持った青鬼、槌を持った茶鬼それぞれ同時に何回も場所を変え、大松明を膝に載せ前に出られます。お堂の天井まで炎がとどいていました。一時それを落とされたか落とされそうになったかで観衆からワーという声があがるようなハプニングもありました。大松明の重さは60kgもあるらしい。その飛び散る火の粉で厄払いするようなことなのでしょう。飛び散った火の粉を消してまわる係りの人もおられたり、音響効果も含め迫力満点でした。

 国の重要無形民俗文化財の指定を受けている行事で500年以上前から続いているそうです。場所柄人が多いと言っても十分見ることが出来るのでお勧め行事です。

 ※ それぞれの写真のクリックで大きな写真も見られます。