MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

中国でも「一杯のかけそば」があったのか

2009年07月18日 | 日記
 日本で『一杯のかけそば』という物語を私が知ったのは、今から20年前です。昼のテレビでこの物語を朗読している番組があったり、ラジオや新聞でも紹介されており、空前の『一杯のかけそば』ブームでした。
 先日、中国人の新人さんから「イーワン・ヤンチュンミァンを知っていますか?」と質問されました。何のことか聞き取ることができず、紙に漢字で書いてもらうと「一碗陽春面」という文字であることが分かりました。それでも理解することができず、知らない、と答えると、新人さんはものすごく不思議そうな顔をして、何やら話しだしました。
 話からは「母」「兄」「弟」「一碗」「面(麺料理のこと)」というキーワードが出てきました。何かの物語のようです。推測してみると、どうやら『一杯のかけそば』のことを話しているようです。私は日本人なので、その新人さんは当然「一碗陽春面」を私が知っているだろうと思っていたので、知らないを答えた私を不思議そうに見たのだと思います。
 「陽春面」については詳しく知りません。てっとり早くGoogleの画像検索を行なって調べたところ、具がほとんど乗っていない麺料理のようでした。なるほど、「かけそば」を「陽春面」に置き換えたのですね。
 ドラえもんや、ちびまる子ちゃん、クレヨンしんちゃんにとどまらず、『一杯のかけそば』までもが中国へ伝わっているとは……!

 蛇足ですが、『一杯のかけそば』は「かけそば」だったので日本でブームになったのだと思います。「かけそば」ではなく「すうどん」ではヒットしなかったと思います。『一杯のすうどん』では、語呂と音感が悪いです。
 また、「かけそば」はひっそりそすする、というイメージが合います。しかし、「すうどん」では、ひっそりとすする、というイメージが浮かびません。豪快にずるずるっと食べるイメージがあります。よって、「かけそば」を作者が選択したことが良かったのだと思います。
 ひょっとしたら、「陽春面」は中国人にとっては「かけそば」のようなイメージが浮かんでくる食べ物なのかもしれません。