監督:李相日、出演:松雪泰子、豊川悦司、蒼井優、岸部一徳、富司純子、日本、2006
やっと観てきました。良い意味でも、悪い意味でも、ものすごくベタな映画でした。泣けるところは泣け、笑えるところは笑えますので、安心して観られます。この映画は突っ込みどころがほとんどありません。あっと驚くような展開もありません。最大の見せ場であるハワイアンセンターでのフラダンスシーンも想定内です。
「素人であった登場人物たちが練習に励み、ラストシーンの晴れ舞台をものにする」というパターンの映画が、最近よく上映されています。ちょっと思い浮かべてみても、2001年の『ウォーターボーイズ』、2004年の『スウィングガールズ』、2005年の『リンダ リンダ リンダ』などがあげられます。これらの映画のラストシーンの特徴は、音と光と躍動感です。観客はこれらの要素に本能的に弱いため感動してしまいます。
音と光と躍動感だけでは『フラガール』が日本アカデミー賞をとるには足りません。『フラガール』には、ノスタルジックや懐かしさ、家族愛、友情、師弟愛、故郷愛、プロ意識、カッコイイ女性像などなど、様々なものが付加されています。詰め込みすぎのようにも思えますが、これらがきちんと作品の中で消化されていたことが、日本アカデミー賞受賞に繋がったと思います。消化できればできるほど、多くの観客の共感を得ることができます。
あまり突っ込みどころのない映画でしたが、2点あえてあげてみます。豊川悦司と蒼井優が兄妹であるという設定に無理があると思いました。蒼井優が演じる紀美子は高校生ですが、豊川悦司が演じる洋二朗は何歳という設定なのでしょうか。スクリーンでみるかぎり、かなり年の離れた兄妹に見えました。
もう一つ、どうしても気になる点ですが、クライマックスで豊川悦司が演じる洋二朗が、借金取りとケンカするシーンがあります。このケンカの決着がどのようになったのかよく分からないのです。編集の都合でケンカシーンがブチギレています。このシーンのあとに洋二朗が少し笑顔で炭鉱で働くシーンがありましたので洋二朗がケンカに勝ったことは分かるのですが、どのように勝ったのでしょうか。ケンカの決着を編集で切ってしまっているので、洋二朗が借金取りを殺してしまったのではないかと心配してしまいました。ほんの少しのフォローが足りなかったと思います。
蒼井優は『男たちの大和/YAMATO』でも思ったのですが、いい役柄でした。若手女優で、メジャー感たっぷりに、いなたい娘を演じられる人は少ないです。そのため、邦画では欠かせない女優さんになるのかもしれません。
松雪泰子も良かったと思います。松雪泰子の演技を観るのは、実は今回が初めてでした。役がはまっていたと思います。
やっと観てきました。良い意味でも、悪い意味でも、ものすごくベタな映画でした。泣けるところは泣け、笑えるところは笑えますので、安心して観られます。この映画は突っ込みどころがほとんどありません。あっと驚くような展開もありません。最大の見せ場であるハワイアンセンターでのフラダンスシーンも想定内です。
「素人であった登場人物たちが練習に励み、ラストシーンの晴れ舞台をものにする」というパターンの映画が、最近よく上映されています。ちょっと思い浮かべてみても、2001年の『ウォーターボーイズ』、2004年の『スウィングガールズ』、2005年の『リンダ リンダ リンダ』などがあげられます。これらの映画のラストシーンの特徴は、音と光と躍動感です。観客はこれらの要素に本能的に弱いため感動してしまいます。
音と光と躍動感だけでは『フラガール』が日本アカデミー賞をとるには足りません。『フラガール』には、ノスタルジックや懐かしさ、家族愛、友情、師弟愛、故郷愛、プロ意識、カッコイイ女性像などなど、様々なものが付加されています。詰め込みすぎのようにも思えますが、これらがきちんと作品の中で消化されていたことが、日本アカデミー賞受賞に繋がったと思います。消化できればできるほど、多くの観客の共感を得ることができます。
あまり突っ込みどころのない映画でしたが、2点あえてあげてみます。豊川悦司と蒼井優が兄妹であるという設定に無理があると思いました。蒼井優が演じる紀美子は高校生ですが、豊川悦司が演じる洋二朗は何歳という設定なのでしょうか。スクリーンでみるかぎり、かなり年の離れた兄妹に見えました。
もう一つ、どうしても気になる点ですが、クライマックスで豊川悦司が演じる洋二朗が、借金取りとケンカするシーンがあります。このケンカの決着がどのようになったのかよく分からないのです。編集の都合でケンカシーンがブチギレています。このシーンのあとに洋二朗が少し笑顔で炭鉱で働くシーンがありましたので洋二朗がケンカに勝ったことは分かるのですが、どのように勝ったのでしょうか。ケンカの決着を編集で切ってしまっているので、洋二朗が借金取りを殺してしまったのではないかと心配してしまいました。ほんの少しのフォローが足りなかったと思います。
蒼井優は『男たちの大和/YAMATO』でも思ったのですが、いい役柄でした。若手女優で、メジャー感たっぷりに、いなたい娘を演じられる人は少ないです。そのため、邦画では欠かせない女優さんになるのかもしれません。
松雪泰子も良かったと思います。松雪泰子の演技を観るのは、実は今回が初めてでした。役がはまっていたと思います。