MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

フラガール

2007年02月17日 | 日記
監督:李相日、出演:松雪泰子、豊川悦司、蒼井優、岸部一徳、富司純子、日本、2006

 やっと観てきました。良い意味でも、悪い意味でも、ものすごくベタな映画でした。泣けるところは泣け、笑えるところは笑えますので、安心して観られます。この映画は突っ込みどころがほとんどありません。あっと驚くような展開もありません。最大の見せ場であるハワイアンセンターでのフラダンスシーンも想定内です。
 「素人であった登場人物たちが練習に励み、ラストシーンの晴れ舞台をものにする」というパターンの映画が、最近よく上映されています。ちょっと思い浮かべてみても、2001年の『ウォーターボーイズ』、2004年の『スウィングガールズ』、2005年の『リンダ リンダ リンダ』などがあげられます。これらの映画のラストシーンの特徴は、音と光と躍動感です。観客はこれらの要素に本能的に弱いため感動してしまいます。
 音と光と躍動感だけでは『フラガール』が日本アカデミー賞をとるには足りません。『フラガール』には、ノスタルジックや懐かしさ、家族愛、友情、師弟愛、故郷愛、プロ意識、カッコイイ女性像などなど、様々なものが付加されています。詰め込みすぎのようにも思えますが、これらがきちんと作品の中で消化されていたことが、日本アカデミー賞受賞に繋がったと思います。消化できればできるほど、多くの観客の共感を得ることができます。
 あまり突っ込みどころのない映画でしたが、2点あえてあげてみます。豊川悦司と蒼井優が兄妹であるという設定に無理があると思いました。蒼井優が演じる紀美子は高校生ですが、豊川悦司が演じる洋二朗は何歳という設定なのでしょうか。スクリーンでみるかぎり、かなり年の離れた兄妹に見えました。
 もう一つ、どうしても気になる点ですが、クライマックスで豊川悦司が演じる洋二朗が、借金取りとケンカするシーンがあります。このケンカの決着がどのようになったのかよく分からないのです。編集の都合でケンカシーンがブチギレています。このシーンのあとに洋二朗が少し笑顔で炭鉱で働くシーンがありましたので洋二朗がケンカに勝ったことは分かるのですが、どのように勝ったのでしょうか。ケンカの決着を編集で切ってしまっているので、洋二朗が借金取りを殺してしまったのではないかと心配してしまいました。ほんの少しのフォローが足りなかったと思います。
 蒼井優は『男たちの大和/YAMATO』でも思ったのですが、いい役柄でした。若手女優で、メジャー感たっぷりに、いなたい娘を演じられる人は少ないです。そのため、邦画では欠かせない女優さんになるのかもしれません。
 松雪泰子も良かったと思います。松雪泰子の演技を観るのは、実は今回が初めてでした。役がはまっていたと思います。

ライフハックス─鮮やかな仕事術

2007年02月17日 | 
佐々木正悟、毎日コミュニケーションズ(MYCOM新書)、東京、2006

 「Life Hacks」という言葉をご存知でしょうか。1~2年前からネット上を中心にして目にするようになった言葉です。「効率良く仕事をこなし、高い生産性を上げ、人生のクオリティを高めるための工夫」という意味の言葉でして、やや大胆に言い換えると「仕事や生活における裏技」といえると思います。
 この本は筆者自身がオススメする「Life Hacks」的ツールと活用方法(Gmail、remember The Milk、Googleカレンダーなど)が紹介されています。
 私事ですが、昨年10月に異動し、職場環境が大きく変わりました。食品工場の中で仕事をする機会が多くなりました。食品工場内には、備え付けのボールペン、紙などの筆記具は持ち込めないことが常識です。そのため、今まで使っていた手帳、メモ、ペンを常に持ち歩くことができなくなりました。また、自分のパソコンが使えない場所での業務も格段に多くなったため、不便で仕方がありません。つまり、これまでの仕事のやり方を、大きく変えなければならない状態です。
 残念ながら、そのような状態の私にとっては、この本に参考となるようなことは、ほとんどありませんでした。「Life Hacks」入門書としては、おもしろいかもしれません。