いつか南の島で暮らしたい

ハワイ大好きな夫婦です。ふとっちょ嫁、ももなとんの日ごろのつぶやきです。

いただきますということ・・・

2009年11月21日 | その他いろいろ
ども



「坂本さんは、食肉加工センターに勤めています。
 牛を殺して、お肉にする仕事です。
 坂本さんはこの仕事がずっといやでした。」

そんな文章で始まる

まめさんから、素晴らしい本をいただきました


牛を殺す人がいなければ、みんながお肉を食べられない。
だから、大切な仕事だということを分かっている。

でも、「いつかやめよう、いつかやめよう」と思いながら働く坂本さん。

牛と目が合うたびに、その思いが・・・・


そんな折
学校で授業参観があった


息子のしのぶ君は、お父さんの職業を聞かれ
「普通の肉屋です」と・・・

お父さんの坂本さんは、「そうかあ」とつぶやくのだけど

帰宅したしのぶ君から思いもかけない言葉が


「お父さんが、仕事ばせんと、みんながお肉ば食べれんとやね。」



「お父さんの仕事はすごかとね」

この時点で私の目から、大粒の涙が出ておったのですが・・・

そう
このしのぶ君の気づきは学校の先生が素晴らしかった

「なんで、普通の肉屋って言った?
 お父さんが仕事ばせんと、先生も校長先生も、会社の社長さんも
 肉ば食べれんとぞ。
 すごか仕事ぞ」

しのぶ君を呼び止め、話してくれた担任の先生。

坂本さんは「もう少し仕事を続けよう」と思うのです


もうひとつのエピソードは、もっと、号泣必死で
わんわんって感じに近いほど泣いた私


でも、この本は、そうやって、泣かせるためのものじゃありません

本来
人が生きるということ

いろんな角度から考えねばならないけれど
人が生きるためには、食べることが必要であり・・・

帯に書いてあるように
<想像してみてください
 食卓に並べられたその肉に、その野菜に輝く命があったことを>

なわけです。

実際に、教育現場で本当にニワトリだったかな?
自分たちで、命に終止符を打ち、
料理し、いただく・・・

その実習を行い、物議をかもしたことがありましたね。

私は、今、してみなさいと言われても、ちと、辛いので
必要な教育だろうけど、大変じゃないだろうか・・・
と思ってニュースを聞きました。

実際に行為を行うか、否かより
こうした本を読み聞かせることでも、
食育は行なえるのだと思っていたりもします。


「自分が生きることに欠かせない何か」に気づくこと・・・

すると自然と感謝もしていく・・・

それは、食べ物から波及し、

勿論、自分に生を与えてくれ、育んでくれる両親
そのまた、両親(祖先へと繋がりますか・・・)
自分を支えてくれる友達、先生、職場の人たち・・・
その他いっぱい
自分のまわりに存在する何か・・・社会全体へも頭がめぐりますか・・・

そうしたことに、一瞬でも
気づくことができると思います


この本は、

そうした何かを忘れて毎日を慌しく生きる大人へ

未熟ではあるが、未来が広がり、
いろんなことを吸収しなければならない子供たちへ

難関な文章でもなく、活字数も少なく

すっと、胸に入るようになってると思います


坂本さんは、娘さんもいらして
介護士をされてるそうですが

「お父さんと私の仕事は似とるね」と言うのです。

そんなことあるか!という坂本さんに

「あんね。お父さん。
 私は、最期に会った人間が私でよかったなあって、
 お年寄りに思ってもらえるように、毎日お世話してる。
 お父さんも、馬や牛やブタが最期まで気持ちよく生きてほしいと
 思っとるけん、なでたり、話しかけたりするんやろ。
 最期に会った人間がお父さんでよかったなあって、
 思ってもらえるようにしとるんやろ? だけん、同じなんよ」


号泣・・・


坂本さんの気持ち、私は考えたことがなかったわけではない。

でも、こんな風に思ったことはなかったですよ。
みんなが嫌がる仕事をしてくれてありがとうとは思ったことはあるけれど・・・


人って、とても、素晴らしいんだって
娘さんの言葉を読んで思いました


心があるって、どんなに素晴らしいことか・・・


だから、心の目を閉じないようにしないといけませんね

この本、ぜひ、多くの方に読んで欲しいなと思いました。


まめさん
ステキなご本をありがとう



本来の「いただきます」という言葉を噛みしめながら・・・

今年も無事に誕生日を迎えております


私のまわりのいろんなことへ
ありがとう