牛込日乘

日々の雜記と備忘録

大地震から十日

2011-03-21 22:45:58 | Weblog

 勤務先は、オフィスでなければ仕事ができない一部の人々を除いて当面は自宅勤務となったが、私は毎日出勤組。箱根から西ではいつもと変わらない日常が続いているようで、社内外から呑気な依頼や問い合わせが入ってきたりする。まあ、そちらでは本当に必要なのだろうし悪気はないのはわかっているのだが、つい「何もこんな時にそんなことを頼まなくてもいいじゃないか」と思ってしまう。私が担当している部署は比較的フレキシブルに動けるのでまだいいが、流通などのオペレーションを担当している人たちは本当に大変である。常に最新の状況を把握し、時には代替となる手段を考えたり、そのためのコスト計算をしたりと、本当に頭が下がる。



 福島第一原発の状況を見て、西日本に移動する人々が身の回りにも何人かいる。私はさまざまな情報源や本で得た知識などから今のところ東京は大丈夫だろうと考えているが、万が一のことを思って退避する人が間違っているとも思わない。こういうときは後悔のないようベストを尽くすのが一番だろう。最終的にどうなるかは誰にも分からないのだから。帰宅時に駅前でヒステリックな声を上げて原発反対を訴え、募金活動をしていた左翼団体がいたが、「うるさいなあ、まあ落ち着けよ」という感じ。こんなことをこんなタイミングでしても不安をあおるばかりで、現実的に有効な手段だとはとても思えないのだが、正義好き、運動好きの人はそれが好きでやっているのだから仕方がない。



 同じ年頃の子供を持つ同僚が「怖がるのでTVのニュースは見せないようにしている」というのを聞いて、うちの娘はいまのところそんな素振りも見せないので意外に思ったが、考えてみれば確かにそういうものかもしれない。緊急地震速報のアラームが鳴ると、比較的安全と思われる寝室に行くようにしているのだが、確かに少し緊張した顔をしていた。二年ほど前にNHKで放送していた阪神大震災の検証番組を見たときは幼児なりにショックを受けたらしく、「将来はヨーロッパのケーキ屋さんになる!」と言っていたものだが(ヨーロッパには地震がなくてケーキが食べ放題だからという理由)、今は基本的に落ち着いている。



 私は元々甘党ではあるが、酒を飲むようになってからは昔に比べると甘いものを摂らなくなっていた。しかし、先週はとにかくイレギュラー続きで、心身ともに妙な疲れ方をしたせいか、やけに甘いものが食べたくなる。今日は一足早いバースデー・ケーキを買ってきてもらったので、あっという間に完食してしまった。