生活時間が世間と違う爺
９月１日の午後２時
爺は寝てたのです
鳴り響く携帯電話
見慣れない発信者番号
それはフリーダイヤルでした
簡単に取得できる
フリーダイヤル
そのため
色んなトラブルが発生
確かそんな記事を見た記憶が
無視してると
２時間ばかりの間に５回
どれも
呼び出し時間が３０秒以上
そして昨日も
同じ時間にかかってきました
たまらず電話に出ると
女性の声
「〇〇銀行サリュでございます」
つまりＡＴＭ担当
「お世話になってます」
銀行と名が出れば
つい口に出てしまうフレーズ
弱小自営業者の本能
用件は実に単純
３０日にコンビニから振込み
その振込先名
ＵＦＪ銀行〇〇〇〇〇〇
そのユウエフジエイ
爺のはユウエフジエとなってる
つまり爺のは「イ」がない
温厚な爺もちょっときれた
今まで数回同じところに振込み
「イ」なんてつけていない
なぜ今回だけ問題なの？
おそるおそる聞くと
「それはわかりかねます」
「今回相手先銀行から
問い合わせがありましたもので」
さよですか
そして続く言葉に驚いた
「今回は振り込み手続き
済ませましたが
次回は正確にお願いいたします」
あくまで丁寧
あくまで慇懃
だったら
電話なんかいらないじゃん
それもしつこく数回も
ぶちきれた爺は
その後
何を言ったか覚えていない
今までの経験から
卑猥な言葉も一つや二つ
いや三つや四つ
はいはい
たくさん言いました
でも全て
「わかりました」と
電話を切った後の言葉
今度振り込むときは
「イ」を三つつけてやろう