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もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

パピヨン 田口ランディ

2009-03-15 21:07:53 | BOOK
やっぱり、田口ランディは
”距離は近いけれど風習の違う村”の人。

もともと、スピリチュアルな要素のある作品が多くて、
そこが壁なんだ、私には。
『なんでそっち?』
読んでいていつもひっかかる。
今回もそう。

アルコール依存症の父親の看取り。
隙間だらけの現代の医療制度。
死との向かい合い方。
蝶に表される魂の行方。

興味のあることばかり。
なのに、うーん、
文章としては解るけど
心に落ちていかないんだよなぁ。
相性会わないとは、こういうことか。

上記のことに興味のある人は、
読むといいと思います。

豊かで複雑な、僕たちのこの世界  森達也

2009-01-19 22:22:02 | BOOK
森達也の対談集。
お正月にずっと読んでいた本。

たまたま、図書館で森達也で検索して棚にあったので借りたのだが、
右から左まで、意見の異なる人とも対談していて面白い。
そもそも同じ考えの人とばかりする対談なんて意味が無いでしょ。
それじゃプロパガンダじゃん。
(顔ぶれに一貫性が無いとかいう、とぼけたレビュー読んじゃったんで)

というわけで、
しばらく使っていなかった脳の部位がフル回転。

森達也の発言には全くブレがなくて、
なので相手が違っていても同じ話題の時は同じ言葉を使う。
いかに本人の中に根付いた考えなのかが解る。
借り物の言葉は浮くから。

別に森達也にシンパシーを感じるとかいうことはなく、
ある物事に関しては同じ意見だったり、
『そりゃどうかね』ということもあるが、
いかに『そうそう!』『そうだったのか!』があるかでしょう。
自分と100%同じ考えの生きものなんて、
自分しかいないんだから。
いたら気持ち悪いし。
(思想・信条とか面倒なこと意外のあらゆることも)

手元に本が無いんで正確じゃないですが、
「モンゴルで放牧している羊の群に何頭か山羊が混ぜてある。なんの為かと聞いたら『羊は草を食べつくしてもなかなか移動しようとしないので、気ままに移動する山羊を入れると群が動くから』それは山羊がミスリードしてしまうと大変なんですけど、いい方にも誘導してくれる可能性があるということ」
何を例えているかは、本を読めば明らかですし、
考えれば解ると思うな。
山羊のミスリードかぁ、と苦笑しましたけど、ワタシ。
(これって山羊と羊を間違えていたらどうしましょ・笑)

異なる意見を封殺するなんて意味ないんだよな。

久々に本の話

2008-12-22 23:23:44 | BOOK
PCの前には”熟成酒 招膳 一の蔵”
古酒です。
仙台じゃなく、札幌で購入。
古酒のクセはありますが、
ちょこっと飲むには良いです。


「服は何故音楽を必要とするのか」菊地成孔
その昔”ハイ・ファッション””装苑””流行通信”などのモード誌が好きで、
着たいわけではなく、
アートのように洋服を見るのが好きでした。
もちろんTVの”ファッション通信”も。
パリ・コレも東・コレも楽しかったよなぁ。
そして、今や菊地さんの文章が大好きな私には、
『なんでコレ私の本じゃないのかな?』
ほど、読み進むのが楽しく、装丁も美しい宝物のような本。
高いからウチの本棚にはいないんですが。
(活字中毒者は活字の分量と金額を比例させがち)
ちなみに、洋服の写真は1枚もなし。

「ロックとフォークのない20世紀」菊地成孔
そうか。
菊地さん個人の音楽史には、ロックとフォークはないのか。
紹介されているCDのページを全てコピーしたくなりましたが、
JAZZだけでもすごいあるので、挫折。

「鳥はみずからの力だけでは飛べない」
「ほつれとむすぽれ」
田口ランディ2冊
本当に、すごく近い村に住んでいて、
考え方も近く、
共感するところも沢山あるのに、
決定的な何かが全く違う人だと、何を読んでも思う。
そこのズレっぷりの違和感がスゴイくて、
好きな作家にならない。

「東京ロマンチカ」中野翠
この人は、ガンコさとこだわりが好き。
でも、友達にはなれなさそう。

「あなたがパラダイス」平安寿子
週間朝日に連載してたんじゃなかったかな。
本人達は知らずに、ジュリーで繋がる微妙な年頃の女たちの物語。
最近のジュリーを聴きたくなります。
この人の小説は、私には外れなし。
女という生きものの描き方が、
若いコからおばさんまでバリエーション豊かなのに、
共感度が高い。

以上返却してきたのに、
また6冊借りて来てしまった。
図書館本ごと親のところに行くよりほかないか。
なにせ、返却日の守れないブラックリストさん。

まぼろしハワイ/ よしもとばなな

2008-08-03 23:20:42 | BOOK
昨日行ったら図書館にあったので。

やっぱこの人は本当のことしか書かないな。
それが自分にしっくりくるかこないか、それだけ。

ハワイには行ったことがないし、
これから先もどうか解らないけど、
なにかスペシャルな土地なんだろう。
沖縄は本当にそうだったもん。

負けがこんでくるのは自分の中からだし、
他人の曲がった意識は人を傷つけるし、
ねたんでもいいことない。
どんな環境や境遇でも、
それをして幸不幸は決まらない。
が、
他人は決め付けたがる。
負けないためには、
自然や様々のパワーも重要。
ご飯を食べることがどんなに重要なことかも。



いやぁ、ずっと本はガツガツ読んでいて、
なんでBOOKカテ増えないんだろう?と思っていたとこでした。
結論は、
映画を観ることは日常から少しはみ出てるけど、
本を読むことはご飯食べるのと同じで、
動機付けもなんもないからなんだね、私は。
感想を書き留めるとか、考えるより
ただ日々読んでくモノ。

売男日記 ハスラー・アキラ

2007-05-26 20:58:01 | BOOK
ヘンリー ダーガー を観に行った原美術館
常設の奈良美智のドローイングルームも目的。

奈良さんのグッズはないかしら、
と覗いたミュージアムショップで
何気なく手に取った一冊に釘付けになる。
表紙には「売男日記」の文字。
自らを売春夫とよぶゲイのアーティスト
ハスラー・アキラの写真と文章。
本当に何も知らずにただ
彼の綴る
客の話やボーイフレンドの話や愛の話に
心つかまれた。

国際買売春会議!での場面
(そういうものがあるとは全く知らなんだ)
学者さんの質問
「あなた達は客に対してセックスを売るだけじゃなくて、
まるでカウンセラーのように、
またはヒーラーのように接しているように感じるのですが~」
色々な国からきていたセックスワーカーは皆、
自分の仕事にそういう側面があることを意識していたという。

アキラさんは愛を配る仕事をしているんだ。
愛の形や表現はひとつじゃないし、
性を売る仕事の意味も、それぞれなんだ。
そして、本当の言葉はそれぞれの心にキラキラ輝いて届く。

偶然であった一冊が
とても大切な一冊になった。
これからも何度も読み返す。

週末には本を読む

2007-02-18 20:53:59 | BOOK
酒飲んでばっかじゃないのよ。
ということで、
ここ2週間で読んだ本。

「アキハバラ@DEEP」 石田衣良
ああっ、こういう話だったのか!スゲーおもしろい。
ドラマ見ておけばよかった。
まあ、映画館まで行くのはどうかってカンジですが。
石田衣良は本当にビジュアルの描写がうまいなぁ。
もちろん文章も。

「東京DOLL」 石田衣良
これもゲーム絡みの話だけれど、
「アキハバラ~」とは描いている人たちが全く違う。
ブランド物を着こなし、高級マンションに住まう人々。
そして、ベッドシーンも結構出てきて、
ふむ、
と思うと小説現代連載もの。
そーか、サービスなのか。
これ映像化するとちょっとエロ入るよなぁ。
この人の文章っててだれで、ぐんぐん読んでしまう。

「しゃばけ」 畠中恵
うん。おもしろい。
でも、軽いカンジがする。

「無銭優雅」 山田詠美
ドラマや映画でみるような”オトナノレンアイ”なんてものではなく、
その分リアルな中年の、端から見ると
おたおたと愚かしい恋の話。
だいたい恋愛なんて本人達以外には、
オロカシイものですが、
なんだか心の温まるお話。
多分ハーレクインとかの対極にあるのでは。
(全く読んだことないけど、図書館にも沢山ある)

「ひとがた流し」 北村薫
そうそう、長いことこと女性だと思っていたっけ。
繊細な文章で綴られる女たちの友情と人生。
なんでこんなに女の気持ちが解るんでしょう、
と思いつつ、
泣かせるためにしつらえられたのではないことのわかる
登場人物の死にぐっとくる。

「チエちゃんと私」 よしもとばなな
またしても風変わりな登場人物たち。
浮世離れした人ばかりなのに、
『そうそうそう』と思うフレーズが多々あるのもいつも通り。

今考えると、
後半三冊はどれも中年女性の話で、
恋愛がちゃんと出て来て、
なんとシンクロしてるんだろう?

えがおのつくりかた all about矢野顕子

2007-01-13 22:39:33 | BOOK
ムックですけどね、矢野さんの。

HPで見かけて、
AKKOちゃん本を網羅しているファンとしては
買う気満々で紀伊国屋に出向いたら、
売り切れだった・・・。
増刷予定も無し、と言われ在庫を探してもらったら
東京の新宿の高島屋タイムズスクエア店にあったので、
取り寄せてもらいました。

オレンジページ発行だし、
NYでのお家のこととか暮らし方とか書いてあるのかな、
なんて軽く考えていたら、
本当に”all about矢野顕子”じゃないですか!
素晴らしい!
これは編集の方がディープな矢野さんファンと思われます。
じゃなきゃ作れないもん。

アルバムリストを見ながら、
お財布事情で買えなかったここ何年のものをメモ。
「いままでのやのあきこ」は絶対買うから!
上記の2枚を除けば全アルバム持ってるけど、買う!
なんてったって「行け 柳田」が入ってるんだもん。

最近は”さとがえるコンサート”の日程に札幌が入ってないのだが、
お金ならなんとかなるようになったので、
ぜひ来ていただきたい。

あたしの成分の何パーセントかは、
間違いなく矢野さんの歌で出来ているよ。
青春どころか人生と共に聞き続けてきたもん。
どんなアーティスト没頭しようと、
離れることはなかったなぁ。
デビュー30年かぁ。
ハッ!あたしは幾つなの?
うふ。

イッツ・オンリー・トーク 絲山秋子

2006-10-10 23:40:24 | BOOK
映画「やわらかい生活」の原作。

本ではフツーじゃない車を乗り回しているのは、優子の方だった。
市会議員の同級生も、痴漢もウツ病のヤクザもほぼ原作通りだけれど、
祥一には妻子もいなければ、映画みたいな暖かエピソードはない。
優子の両親も生きている。
重要なポイントが結構違っていて、
映画のほうが優子も祥一も10倍くらい魅力的。
壊れっぷりもだが。
これは脚本の力でしょうな。
あとはもちろん監督とキャスト。

この本には「第七障害」とい馬術の障害競技の話もあって、
結構面白い。
絲山秋子、ぜひ「沖で待つ」を読みたい。
それから好き嫌いを決めたいと思う。
でも、図書館順番待ちだわ。

なんか、プロフィール写真を見るたびに
(この本には載っていない)
『固そうというか、高村薫チックというか・・・』
と思っていたら、2001年までサラリーマンだったんだ。
高村薫もお勤めが長かったから、似た雰囲気なのかな?
OLを長くやっていた(自分で書いている)内館牧子なんかは、
全然感じが違うのは個人差だけじゃない気がする。
仕事の形に人間がなる、というのあるもん。

性悪猫 やまだ紫

2006-09-13 21:30:22 | BOOK
なんで今「性悪猫」か。
弘前で偶然であったフリマで、
青林堂版を100円で購入できたので。
私が持っているのは文庫だったのだ。

猫の目線で描かれる猫の生活。
90年発行の文庫版を読んだ時に深く深く印象に残ったのが、
母猫の語り。
~わたしはね 子を産むとき 「母親のわたし」も 一緒に産んだよ
子を育てつ 「母親のわたし」も育てるよ~
その時は、
母親というのはそういうものかも、
と思ったけれど、
「母親」じゃなくても「仕事」でもなんでも、
時間のかかるものは一緒に育つものだろう、
と今は思っている。
はなから上手く出来ることなんて、何もない気がする。

そして、今回は
拾われてなお安心できぬ野良猫の語り
~わたし野良だもの なんだって平気よ
衣はすりきれて 食はすえて 住いは朽ちて
持たないことは 恐くないよ
持ってしまうと 恐くなるよ 失くすのが 恐いよ~
この言葉が胸にぐいぐい押し寄せる。

孤独は質を変え顔を変え、いつも隣にいるから
温かいものに寄っていくのが恐いのは
あたしが野良だってことかしら。

沼地のある森を抜けて/梨木香歩

2006-09-05 21:42:39 | BOOK
先祖伝来の”ぬかどこ”から、
次々と人が生まれてくる。
その不思議を淡々と受け止める主人公。

毎日かきまぜないとならない”ぬかどこ”は生きているのだろうか?
残念ながら、我が家には糠づけを漬けると言う習慣が無いので
よく解らない。

人の命が連綿と繋がることの不思議。
細胞レベルで語られる生き物としての本能。

梨木香歩を読むのはは6冊目ですが、
奥深いファンタジー作家です。

あと、
姫野カオルコ(この人の評価って不当に低い気がする)
「ハルカ・エイティ」

戦前戦後を生き抜いた女の一代記。
といえば、よくがんばりました話になりそうだけれど、
そうならずにフツーに人生を生き抜いて、
痛快な老後を送っている女性の話。

実在の人物をモデルにした小説ですが、
戦争の描写が細かく、
絨毯爆撃といわれた爆撃で落とされた爆弾の数が書いてあり、
ぞわっとする数。
もう本を返してしまったので正確に解らないけど、
本当に恐ろしい数だった。

彼女の本は数々読んでますが
作風の全く違う「受難」は大爆笑本で、女子限定オススメ本。
「ツ・イ・ラ・ク」はエロいです。