もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

「違うこと」をしないこと 吉本ばなな

2018-10-27 22:59:19 | BOOK
小説じゃないばなな本は久し振りに買いました。
エッセイでもない。
しかーし
スピリチュアル成分が私には多すぎで
一回では読み込めないのでした。

書いてる中身はうなづくことが多いんですが。

そう
どんなに好きな作家でも
「ここはちと違うな」と感じたらそのままに
嫌いになるわけではなく
違う人間だものそりゃ考えが違って当たり前。
面白いのは
嫌いな作家がたまに同意できること書いていても
「そーですねー」で終わること。

スピは本当に合わなくて
パワーストーンすら全く興味ない。
案外身に着けてる人が多くてびっくりよ。

秋の雨はなんだか切ない
はずが
何事?ってくらい降るとそれどこじゃないわ。
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結婚  橋本治

2018-08-16 23:45:59 | BOOK
図書館本

さすがに「桃尻娘」でデビューした橋本治。
28歳の倫子(りんこ)が結婚というものと対峙して自分のものと考えはじめ、
自分は結婚したいのか?
どうやってみんな結婚していくのだ?
と、一つ一つ問いにぶつかって解きほぐし
婚活もしてみて到達する小気味いいラストまで
見事である。

冒頭の倫子が27歳の花蓮に『卵子老化』の話をしだすところから
自分がその年でこれを聞いたら「なんだかわからないが、子供は早く産んだ方がいいのか」
と思っただろうな、という気持ち。
(実際は高齢出産の年齢で結婚した友人が多い)


以下抜粋

話はまた振出しに戻った。花蓮の結婚は決まったが、倫子の結婚は決まらない。それ以前に、
結婚相手の候補になる男がいない。「結婚て、なんだ?」と考えたって、それで相手が出て
くるわけではない。「どうすればいいんだ?」と考えて、話はまた振出しに戻った。

――――――「どうして私には”結婚”がやって来ないのだろう」

「私が結婚できないのは、性格やを容貌に欠点があるわけではなく、その相手がいないからだ」

「しようと思えば簡単にできるはずもの」だから、「結婚」というものを我が身に引き寄せ
てあれこれと考える必要がなくなった。そのおかげで「結婚」というものが我が身に備わら
なくなって、倫子と同じような「結婚に関するアマチュア」が増えてしまう。

 実際的な現代人は「結婚」のことをあれこれと考えない。その結果、「結婚」というものが妄想的な方向に傾いて、
実際的とは懸け離れた「愛に満ちた美しいもの」になってしまう。

~~~~~


ごく一部だが
30代までの自分の内面を言語化されたのかと思った。
今だから読み物として終われるのだなぁ、うん。

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屍人荘の殺人 今村昌弘

2018-06-04 23:40:58 | BOOK
ミステリーは最近読んでなかったのですが
ゴロデラに出た時の作者の印象と
あまりにも絶賛されているので読んでみました。

面白い。
途中で止められない面白さ。
密室ものだけど
ミステリーを研究して書いたと作者が言ってただけある
『密室ってあんたそりゃあそうだけど、ギャー!』でした。

現実味のあるストーリーと非現実の接合点が
なだらかなんだよね。

ミステリーを読まなくなった原因の一つに
人が殺されるのを活字で読むのもキツい時期があったからなので
個人的に後味は良くないけれど
ポップすぎたりしないので
シリーズ化もあるのかなぁ。
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仏果を得ず 三浦しをん

2018-02-13 23:27:57 | BOOK
図書館本。

三浦しをんは、職業小説が好きだ(まほろも言ってみれば)
エッセイとの落差がスゴイので力のある人だと思う。

文楽に興味なんてゼロだったのに、テレビでやっていたら見てみようか
ぐらいになりました。
そういう読み手に文楽の演目、文楽界のシステムを伝えつつ
文楽に魅せられた青年の恋を描きひきつける。
人間国宝の大夫の人間臭さと素晴らしい芸の落差、などなど
読むのがとまらない。

ある職業に興味を持ったからといって
小説に書くためには深く取材をし、かみ砕き、物語にするのは大変そうだ。
三浦しをんはそういうことが好きなのだろう。

帯に書いてある
”好き”が過ぎるとバカになる
これ作者のことではないか?
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小泉放談 

2017-12-28 23:03:35 | BOOK
文庫で出してくれてありがとう、キョンキョン。
超緊縮財政で暮らしているので
1500円ぐらいだとすぐに買えなかったよ。

キョンキョンが40歳を過ぎたときに
「折り返しなんだな。来た道を戻るんだから怖くないかな」
というような話をしていて
『来た道を戻るなんてまっぴらだ』と思っていた私は
困ったな記憶がある。

でも、50歳は未知だから色々な人の話を聞きたい
そう思って様々な先輩と対談するなんてさすがだ。
ロールモデルがいそうでいないのが
働き続けた女の40代50代なんだよ。
それは前から思っていた。
少数の成功した人やスーパーウーマンしか雑誌では見られないし
ひとりで働き続けなければならなくて拗れた人ばかり見た。
社会が男社会だから拗れるかおっさん化するかしか
働き続けられないのだよね。
でも、どっちも無理だ。と思っていたから
小泉放談読んで、なんでもいいんじゃん、やっぱ。
楽になりました。
嫌いな人の言葉にもたまには聞くべきことが含まれていたりね。

とりあえず、年賀状どうしよう。
コメント

こんなわたしで、ごめんなさい  平 安寿子

2017-07-04 21:53:34 | BOOK
図書館本

たいら あすこ と読みます。
安寿と厨子王からかと思ったら大違いでした、すまん。
彼女の文章が好きで、6,7冊読んでいる。

婚活に興味がない
やっと結婚した弟の嫁がロマンチックフリル好きの中年女
胸が大きいことで悩みしかない人生
結婚したいのは本能だと悟った女
美人なのに残念な友人をモテ女にしたい

様々な女が描かれている。
会社や友達の友達、世間話をするぐらいの仲の人にいそうな気がした。
あるあるエピソードとキツイ現実にリアルを感じ、
それを蹴っ飛ばしたりあきらめたフリで乗り越えて
最終的には我が道を行く彼女たちは
たくましくてかわいらしくて、クセが強い。
そこが魅力的だ。
タイトル通り「こんなわたしで、ごめんなさい」といいながら
ずんずん進む。

面白く読めて、ワタシと社会について考えたりできる作品。



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きみは赤ちゃん  川上未映子

2017-06-24 01:23:54 | BOOK
先日の旅の途中で購入。
読むものが無いと不安な活字中毒者。

川上未映子は雑誌に載っているエッセイしか読んだことがなかったが
パラパラしただけで面白い本のにおいがしたので。

妊娠が自分の人生に関係なくても、読み始めたら止まらない面白さ。
子育てエッセイでは古いところで
伊藤比呂美「良いおっぱい 悪いおっぱい」が母性ファンタジーをぶち破る面白さでしたが
抜きました。

妊娠初期からの、ホルモンによる肉体と感情の変化
出生前診断をうけるまで、うけてからの葛藤と恐れ
つわりの実態
(個人差が激しいようですが、知り合いに出産間近までつわりがあって痩せていった人あり。
あと、TVで見てた「うっ!」となるだけかと思ってたよ~、そんなんじゃなくて大変だったよ(涙)という人あり)
無痛分娩を選択して病院を決めたのに、帝王切開になる流れの
”身体のいいなり”加減。
お腹に赤ちゃんがいる時点でのホルモンによる精神の乱れと
生んでしまってからもまた、ホルモンに支配されるあのれの描写が興味深い。

友人たちから聞いていた話は、極々わずかな部分だったのだな。
もちろん、言語化する回路も必要ないからでしょうね。
「子供は血が繋がっているけれど、旦那は他人」
何人からも聞いていた言葉は、生き物の本能&ホルモンが言わせていたのか!
あと
お腹にいたときは「早く出てきて~」(赤ちゃんに会いたい&肉体的にキツイ)と思っていたが
いざ子育てに突入すると
身ひとつで移動できて、眠れていた時「お腹の中にいたほうが楽だった・・・」
というのもいろいろな人から聞いたな。

さらに、出産による肉体的、精神的負荷が
女性にばかりかけられる社会の仕組みのいびつさ。
呪い、といってもいいぐらいだ。
何せ女性が、女性であることによって自分を追い込んでしまうのだ。
それは子を成しても成さなくても同じ呪いだが
母性、という大きい呪いがひとつ増える。

本当にリアルな、妊娠子育てエッセイ。
しかし、全編シリアスの加減が絶妙で、
時折はさまる関西弁や独特の言葉遣いが作用して
大変面白い読み物になっております。
ここひと月で2回読んでしまったぐらい。
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晴れても雪でも 北大路公子

2017-06-08 23:03:09 | BOOK
先日の旅のお供にした本。
友人が絶賛していたので一冊図書館読みしてましたが
この新刊、移動などの人前で読むのは危険!
みなとみらい線の中で
肩をふるふるし続けて腹筋も鍛わさったかもしれない。

北海道を常夏に、と願うほど雪を憎み
除雪に追われる一戸建てでの両親との生活。
そして、一年を通して酒に飲まれまくる日々
(どんだけ酔ったらヤケドに気が付かないのだ?!)
果てしなく広がる妄想の世界
それらを赤裸々に綴った日記に爆笑させられる。

私もそこそこ酒飲みだが
土下座して後ずさりしたいくらいの酒飲み人生。
お風呂に入る面倒くささを
”家出少女転落記~思えば遠くに来たものだ”に例えちゃうんだ。

今二回目読んでますが笑える。



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みんな彗星を見ていた  星野博美

2017-05-19 17:15:21 | BOOK
私的キリシタン探訪記
そうサブタイトルがついている通り
日本にキリスト教を広めに来た人々(宗派で呼び名が違うことを初めて知った)
キリスト教徒となった日本の人々
彼らに対する権力の弾圧
人々のその後を調べてゆくうちにスペインにまで旅をした筆者。

星野さんはキリスト教徒ではない。
ただ疑問に思ったことを調べ始めると納得するまで止まれない人なのだ。
あきれるほど頑なな部分を隠さずに、愚直に答えを探していく。

私は星野さんの文章が好きで読んだ。
キリスト教の日本での布教にもリュートにも興味があったわけではなく
教科書でさらりと習った知識しかなかったので
本の中に書かれている残酷な弾圧と
殉教者に対するキリスト教の考えに初めて触れてげっそりしてしまった。
それでも400ページ以上を読み通せたのは
星野さんが自分の感じたままに行動し、綴った文章にひっぱられたからだ。

~私個人はカトリック教会の教義にはついていけない部分がある・しかし少なくとも、この「あなたの存在を忘れない」というすさ
 まじいほどの 執念には目を見開かされる。
 列聖調査の複雑なシステムや度重なる神学的議論は、突きつめれば殉教者を「記憶する」という一点に行き着く。
 記憶するために、調査し、記録する。そして、伝え続ける。
 それはそっくりそのまま、私たち日本人が最も不得意、あるいは意図的にやろうとしないことではないだろうか。~

何百年も前に海路で遠い異国に布教に出向き、迫害をうけ殉教した聖人を今でも敬う地元の信者たち。
それは彼らの異国での行いが記録され、後にその事実を調査し裏付けたからだ。

布教ではなく、国策で海外移住させられた人々の記録、
大空襲で殲滅された東京やほかの都市の人々でさえ確実には記録として残されないこの国。
それを考えてしまった読後。

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長い長い殺人  宮部みゆき

2017-05-09 23:35:01 | BOOK
図書館本 結構前の出版です。


財布が語りの主人公というユニークさ。
保険金目当ての交換殺人か?
疑惑をもたれた当事者たちが
マスコミに出て喋りまくるうさんくさ。
広がってゆく殺人。

「模倣犯」より前の作品なのね。
宮部みゆきの作品には、
人間の底にある悪意を煮詰めたような犯罪者が描かれることがある。
どうやっても理解できない残忍な殺人者、犯罪方法。
なのに、読後、暗黒に引き込まれることはない。
被害者家族や事件に関わった人々の描き方に
光があるのかもしれない。

私は人の悪意を書いている作品はあまり好きではない。
現実に悪意を沢山目の当たりにしていると
読書ですら息苦しくなってしまうから。
だからイヤミスの類はあまり読まない。
宮部みゆきだけは、何故か別なんだよね。
そして、長編が多いうえ途中で辞められないので
夜に読み始めると寝不足の危険しかない。

ご本人、ほんわかしている見た目なのに
人の悪意をみっちりと読み応えのある作品を書くというのは
やはり、才能ですね。

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