moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

旅のカフェ日記 (1)

2005-06-12 20:40:27 | 旅日記
ヘルシンキを経由して、夕方ストックホルムにたどりつく。ヘルシンキではどんよりと曇っていた空も、もうすっかり晴れあがっている。日射しは強いものの空気はまだ相当につめたい。ホテルではまずトイレをチェック。はじめてフィンランドを訪れたとき、便器が「アラビア」製なのにひどく感激(?)したものだが、案の定ここスウェーデンでは「グスタフスベリ」製なのだった(写真)。だからといって、でてきたコーヒーカップに「TOTO」のロゴがはいっていたら、うれしいというよりむしろイヤな気持ちすらおぼえるのだから、人間なんて勝手な生き物である。


とりあえず荷物をひろげると、あとは一息つこうという話になってさっそく街にでた。日曜日の夜(とはいえ、まだまだ昼間の明るさなのだが)にしては若い子たちを中心に人出が多い。少ないながら営業している店もある。このあたり、ヘルシンキとはだいぶ様子がちがうようだ。セルゲル広場の界隈をぶらぶら歩いていると、チェーン系を中心としたさまざまなカフェが目につく。さすがは「fika (お茶する)」という言葉をもつお国柄である。

飛行機の中で食べてばかりいたせいで、残念ながらあまりお腹はへっていない。そこでヒョートリエットにほどちかい「マクドナルド」でお茶を濁すことに。じぶんたちをふくめ、店内はなぜか「外国人」だらけ。さまざまな言語、さまざまな肌の色にあふれた「移民」のおおい街なのだ。出発前、いろいろなひとから聞かされていた「ストックホルムは都会だよ」という言葉の意味が、そんなところからも実感される。


コーヒーを頼むと、スティッグ・リンドベリの「アダム」をモチーフにしたカップで出てくる(写真)。そう、「便器」を、ではなくて「便器」も(笑)作っているあの「グスタフスベリ」社を代表するデザイナー、リンドベリの不朽の名作をこんな気のきいたやりかたでリメイクしているのだから感心してしまう。どうやら、ラージサイズでオーダーすると「葉っぱ」の図柄で人気の高い「ベルソ」で出てくるらしいのだが、さすがに胃がガボガボなのでやめておく。ほかにも、かなり早い時期から店舗デザインを若手のデザイナーに任せたりと、スウェーデンのマクドナルドはおもしろい試みをいろいろやっている。ただし、サラダはまるで「鳥のエサ」のようだし、店内にはやたらとゴミが目立つしで、なんか「基本」が抜けてしまっているあたりがちょっと問題のような気がしないでもないが。

まだまだ沈みそうもない夕陽のなか、ホテルへと帰る。思えば、ながいながい一日の終わりである。