moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

ブレイク前夜?モダーン今夜

2004-11-30 23:54:14 | コラム、というか
楽レーベルMOTEL BLEUを主宰する佐久間サンが、moiにひさびさの登場。いま業界で「ブレイク寸前」と囁かれる要注目バンド「モダーン今夜」の12/8発売の2ndアルバム『青空とマント』をこっそり聴かせてもらっちゃいました。そこで、「早耳」なアナタのためにさっそくご紹介!

ひとことで言って、勢いあります。飛行機が離陸する瞬間の、あの気分、あの高揚感、です。サンバやカリプソ、ジャズ、歌謡曲(?)などさまざまな要素が混在する独特のスタイルもさることながら、なんといってもホーンセクションやヴァイオリンまでふくむ総勢11名(!)というビッグバンドがはなつキップのいいサウンドが魅力的。ほとんどの曲の作詞作曲をこなす永山マキさんのボーカルも、歌うことのよろこびにあふれてます。そして最高の美点はといえば、とにかくポップなところ。理屈ぬきで楽しめる音楽って、やっぱりいいじゃないですか?なんかご近所の人気者って感じで、「若いコからお母さんまで、ファン層広いですよ」という佐久間サンの言葉にも納得です。

ちなみに、このアルバムに収録のナンバー「あのフレーズ」は、ことしのUNITED ARROWSのクリスマスキャンペーンCMソングとして現在J-WAVEでオンエア中とのことなので、すでに耳にされた方もいらっしゃるかもしれませんね。

来年にむけてちょっとガス欠気味というアナタは、ドリンク剤より「モダーン今夜」のCDを聴いていますぐ元気を取り戻しましょー!

電線に鳥

2004-11-29 23:43:54 | コラム、というか
つのころからか、「電線に鳥」というモチーフがやたらと目につくようになった。文字どおり電線に鳥がとまっている、ただそれだけのデザイン。べつだん珍しくもないのに思わずみとれてしまうのはどうしてだろう。空を横切る「電線」にちょこんと止まる「鳥」の黒いシルエットは、どこか「音楽」を連想させる。その眺めが五線譜の上の音符を思わせるからだろうか。

画像にうつる3枚のレコード(CD)はそれぞれ時代もジャンルも異なるけれど、「電線に鳥」というスリーブデザインで共通している。それにすこぶる音楽的という意味でも。

電線にとまる4羽の鳥を、4人のアルト・サックス奏者にみたてているのはフィル・ウッズ、サヒブ・シハブら4人のプレイヤーによる競演盤『Four Altos』。イタリアのピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ率いるスペース・ジャズ・トリオの『メレディーズ』は、よくよくみれば写真。幾何学的なレイアウトがうつくしい。ワールドワイドに活躍するエレクトロニカのアーティスト高木正勝『ジャーナル・フォー・ピープル』には、凝視しているうちにぜんぜんちがうものにみえてくる不思議な力のようなものを感じる。電線で小休止する小鳥たち同様、ぼくらが目にしているこの世界もまた瞬時にして飛び立ってしまう、安定をしらない一瞬の眺めにすぎないのかもしれない。

そういえば、去年のちょうどいまごろ吉祥寺のギャラリーfeveでみたひらいみもさんの作品にも、「電線に鳥」のモチーフがたくさん登場していたっけ・・・。「電線に鳥」のこと、こんどみもさんにも訊ねてみようかな。

シベリウスの歌曲

2004-11-28 23:59:40 | コラム、というか
ィンランドで研鑽を積んだピアニストの水月恵美子さんが、ひさしぶりにmoiをたずねてくださいました。

水月さんは桐朋学園大学を卒業、ソリストとして国内で活動の後、フィンランド政府給費留学生としてフィンランドにわたりシベリウス音楽院に入学します。シベリウス音楽院では舘野泉さんに師事し、同校のソリストコースを最優秀の成績で修了した後、サヴォンリンナ音楽祭、オウルンサロ音楽祭などへの出演のほか、2000年には舘野さんとともにCD「タンゴ・デュオ!」を録音するなど内外でご活躍中です。

その水月さんが、おなじくフィンランドで北欧歌曲の研鑽を積んだメゾソプラノ駒ケ嶺ゆかりさんとともにシベリウスの歌曲を全曲演奏するコンサートがひらかれます。水月さんによると、シベリウスは生涯に100曲ほどもの歌曲作品をのこしており、うつくしい曲も少なくないのですが、そのほとんどが「スウェーデン語」ということもあり実際に演奏される機会はきわめて少ないのが現実だそうです。フィンランドの自然や神話を愛したシベリウスの知られざる名曲の数々を、本場フィンランドの空気を知っているおふたりが演奏するこのコンサート、音楽好きはもちろんのこと、フィンランド好きな方にとってもまたとない機会といえるでしょう。

「シベリウス歌曲全曲演奏シリーズ」の第1回にあたる今回は、「気楽にお楽しみいただければ」というおふたりの意向から、コンサートスペースをもつチャイニーズレストランでの「飲茶ランチつきコンサート」というスタイルでひらかれます。ようやく冬らしいお天気になってきた今日このごろ、フィンランドに思いをはせつつシベリウスの音楽に耳をかたむけるなんて、なかなか有意義な日曜日のすごしかただと思いませんか?

●シベリウス歌曲全曲演奏シリーズ 第1回
出 演/駒ケ嶺ゆかり(M-S)、水月恵美子(Pf)
曲 目/5つのクリスマスの歌 op.1、7つの歌op.13
日 時/12月5日(日) 13:30~16:15
会 場/華空間 (東急東横線 学芸大学下車徒歩10分)
料 金/4,500円(飲茶つき)
ご予約・お問い合わせは会場(「華空間」)までお願い致します。

ポイ捨てやめようよ

2004-11-27 23:15:38 | コラム、というか
んて書くとちょっとエコなひとっぽいが、実際にはそんなことはなく、どちらかというと疎いほうだったりする。それでも思わずそう書かずにはいられないほどに、店の前を掃除していて目につくのはポイ捨てされたゴミ

最近では「路上喫煙禁止地域」になっているせいかタバコのすいがらはさほど目につかないが、かわりにひどいのがたべものの包装紙のたぐいである。路上に捨てられた、おにぎりやパン、お菓子などコンビニで買ったとおぼしきたべもののパッケージが、近ごろやたらと目につくのだ。思うに、ゴミをポイ捨てするってちょっと「良心の呵責」をともなう行為ではないだろうか?とりわけ、こうしたパッケージのたぐいは大きいし素材もビニールやプラスチックだったりするので、捨てるのにもそれなりの抵抗感があって当然だ。それでも捨てることをためらわないひとびと、それは想像力を欠いたひとびとにほかならない。そのゴミの一時間後、一日後、一年後の様子を想像してみてほしい。すくなくともイヤな光景だとは思わないだろうか?べつに、消えてなくなるゴミだったら捨ててもいいと言っているわけではない。いくらエコじゃないひとだって、せいぜいその程度の感覚は持ち合わせているものなんじゃないだろうか、そう言いたいだけだ。だいたい、そうした行為に対して他人がどういう思いを抱くか、まずそこからして想像できてないわけで、ことはかなりやっかいだ。

ある種の虫や動物は、しばしば「害虫」「害獣」として忌避される。たしかに、まったくもって迷惑千万な存在である。けれども、この自然界でリサイクルできないものを垂れ流しながら生きている生物なんて「人間」をおいてほかにいないのではないだろうか?とすると、地球にとってもっとも迷惑千万な存在とは、ほかならぬぼくら「人間」だということになる。とりわけエコなひとではないぼくだって、そのくらいのことはわかる。

せめてポイ捨てくらいはやめようよ。わたしは想像力を欠いた人間ですと看板をぶらさげながら歩いているような、なにもそんなイタいひとにみずから好き好んでなることもないと思うのだ。

お酉さま

2004-11-26 23:26:31 | コラム、というか
をしめた後、あるいて10分ほどのところにある「天沼八幡神社」へでかけた。

この日はちょうど「三の酉」、「酉の市」の立つ日である。「酉の市」といったところで、ピンとこないひともいるかもしれない。それは、江戸時代からつづく開運招福・商売繁盛を願うお祭りで、毎年11月の「酉」の日、大鳥(大鷲)神社の境内に縁起物として「福」を「かきこむ」熊手を売る「市」が立つことから「酉の市」とよばれている。関西で親しまれている「えべっさん」とおなじようなものである。

生まれ育った家庭はべつに「商売人」ではなかったが、なぜか物心ついたときから「お酉さま」へはでかけていた。「初詣」は欠かしても「酉の市」は欠かさない、ぼくにとってそれは唯一の「年中行事」なのだ。でかける先はいつも新宿の「花園神社」ときまっていたのだが、「拝むならやっぱり地元の神様でしょ」ということで、去年からご近所の「天沼八幡」へでかけるようになった。

去年の熊手を納めて、一年間の商売繁昌と無病息災を願いあたらしい熊手を買いもとめる。えっ?ご利益?たとえ首の皮(しかも「薄皮」)一枚でも、こうしてなんとか生き延びているのはまさに「ご利益」、ってことで。

白夜の時を越えて

2004-11-25 16:52:55 | コラム、というか
ネクラブ「キノイグルー」のイベントに、フィンランド映画が登場です!

フィンランドの映画というと、まっさきに思い出すのはやはりアキ&ミカのカウリスマキ兄弟ですが(というか、ほかに知らない!)、今回上映されるのはフィンランドを代表する女性監督ピルヨ・ホンカサロ(Pirjo Honkasalo)の作品『白夜の時を越えて』(1998年 98min.)です。

双子の姉妹ヘレナとイレネ、サーカス小屋を舞台にふたつの魂がつむぎだす、悲痛なほどに清冽なちいさないのちの物語。撮影は、ヘルシンキをはじめフィンランド国内でのオールロケーション。サーカスの団員として各地を巡業するという設定なので、当然、フィンランド好きのかたには見逃せないいろいろなフィンランドの景色がスクリーンに登場するのではないでしょうか。

なお、今回は下北沢のCD SHOP併設のカフェ「mona-records」さんで開催されるクロセユカリ写真展「ぽつり ぽつり」のイベントとして上映されます。したがってこの作品も、クロセさんの透明感あふれる写真をイメージしてセレクトされたものとのことで、当日は写真の展示とともに映画をたのしめるというなかなかにぜいたくな仕掛けとなっています。興味のあるかたは、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう?

●日時:12/5(日) 16:00~、19:00~
●会場:mona records(モナ・レコード)[下北沢]
●定員:各回30名(先着順)
●料金:1,800円(嶋崎工房特製お土産つき)+1オーダー
●予約:Kino Igluのサイトよりメールにてお申し込みください。

「森」をつくる

2004-11-24 23:37:06 | コラム、というか
ジオのニュースきいていたら、東京湾に浮かぶ「ごみ埋め立て地」を人工の森として再生させようという東京都の計画について紹介していた。

とてもいい計画だとおもう。ここは、昭和48年から62年にかけて家庭用の一般ゴミなどが運びこまれてできたいわゆる「ごみの島」で、広さはおよそ88ヘクタール。「人工の森」をつくることは自然環境の再生のみならず、ヒートアイランド現象の緩和にもつながるという。東京にはすでに、明治神宮の「代々木の森」という大正時代につくられた「人工の森」の前例があり、今回の計画でもそれを《モデル》にボランティアの都民による植樹などもかんがえられているようだ。

そのニュースによると「森」の整備には30年間が費やされ、中央にはイベントにも利用できる草地の広場ももうけられるという。ぼく個人の意見をいわせてもらえば、イベントにも利用できる草地の広場なんて、いらない。願わくば、そこは「立ち入り禁止」にしてほんとうの「森」として育ててはもらえないものだろうか。いってみれば、そこは東京湾に浮かぶ《都会のサンクチュアリ》。そしてその手つかずの「都心の秘境」のなかを、森の生態系にくわしい専門家が案内するツアーがあったり、こどものためのサバイバル教室がひらかれたり、そんなふうに活用されたらどんなにかいいだろう。すくなくとも、「都民の日」の安っぽいイベントのための会場になるよりははるかに「都民」にとって有意義だとおもうのだけど・・・。

計画の最終的なまとめは、来年2月にでるらしい。

のぞく人、多数。

2004-11-23 23:25:17 | コラム、というか
雀洞雑貨舗(クジャクドウザッカテン)のワスレモノ設置展vol.2「リカキョウシツ ノ ワスレモノ」がはじまりました。

試験管をもちいた「液式万華鏡」、「乾式万華鏡」は、ガラス片が幾何学模様をつくりだすおなじみのものや底部にガラス玉やビー玉をはめこんだものなどさまざまな独創的な「万華鏡」が設置され、コーヒーを飲みながら手にとって楽しむことができます(店内にいる全員が目に「万華鏡」をあてがっている光景には思わず吹き出してしまいましたが・・・)。ほかにも「標本箱をイメージさせるオブジェ」「豆本」、ゼリーのような透明でプルプルした「鑞」をつかった「キャンドル」など、人気の消えた理科室のような孔雀洞の静謐な小宇宙が展開されています。

孔雀洞雑貨舗とmoi化学反応(?)がはたしてどんな空間を生みだすのか、それはぜひご自身の目でお確かめください(12/5まで開催中)。

※画像提供/孔雀洞雑貨舗

深層心理

2004-11-22 23:51:40 | コラム、というか
かごろ、くだらない夢をよくみる。くだらない夢をみるのはきまって、ブログのネタに窮しているときである。つまり、ネタがないという強迫観念が自身の深層心理にはたらきかけた結果、「夢」を介してネタをねつ造している、というのがぼくの《仮説》だ。

きょうもまた、あまりにくだらなすぎてゲラゲラ笑いながら夜中に目がさめた。ぼくはどこか異国で、「やくざな仕事」をしていた。リクエストに応じて、適当に「漢字」を書いては小銭を受けとるという、それは相当にしょぼい仕事であった。相手はわからないが、ぼくが夢の中で書いたのはこんな文字だった。

禅寺 北京 赤蛇 黄蛇

訳すと、ゼンジー北京 レッドスネーク イエロースネーク カモ~ン! となる。

くだらない。あまりにくだらないのでそこで目がさめた。そして、じぶんの「深層心理」はこの程度のレベルかとおもったら悲しい気分になった。それはそうと、なにか腑に落ちない気がしていたのだがその理由がようやくわかった。「レッドスネーク、カモ~ン!」といえば「東京コミックショー」だが、「東京コミックショ-」はゼンジー北京ではなくショパン猪狩である。なんという初歩的なミス!はぁ~、すっきりした。

・・・また、カフェとも北欧とも関係ないネタでお茶をにごしてしまった・・・。

馬木の耳かき

2004-11-21 23:43:38 | コラム、というか
タがないなぁとおもって視線をおとした先に、これがあった。馬木の耳かき

耳の穴がせまいのか、はたまた曲がりくねっているのか、耳かき選びには苦労してきたクチ(?!)である。どれも同じじゃん?とおもわれるかもしれないが、それはとんだ思い違いだ。おなじ耳かきといえども、サジの幅、大きさ、形状、角度はまさに千差万別。ぼくの場合、ふつうに売っている耳かきだとちょっとした角度の加減で、耳の穴にサジが引っかかって「やべぇ、抜けねぇ」みたいなプチ・パニック状態に陥るのが毎度のことだった。耳かきは、だからいつも戦々恐々とおこなっていたのである。

「馬木の耳かき」と出会ったのは、かれこれ10年ほども前のことだろうか。スス竹をつかったこの耳かきは、一本一本手作りで、しかもこちらのリクエストに応じてサジの角度や幅を微調整してくれる。もちろん値段もそれなりではあるけれど、気持ちいい耳かきタイムのためならばがまんできないほどではない。こうして、サジの幅は細く、角度はできるだけゆるやかにという世界で一本の「マイ耳かき」が完成した。以後、ぼくは毎日この耳かきの世話になっているし、旅先へもかならずもってゆくほどに気に入っている。

ところで、この耳かきをつくった職人の馬木健一氏は2年ほど前にお亡くなりになっている。もはや代わりはない、ほんとうの意味で「幻の逸品」になってしまった。スペアをつくっておかなかったのが悔やまれる。