moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

紙モノ好き

2005-01-31 19:56:30 | コラム、というか
モノ好き、そういう種族がいるらしい。っていうか、ほかならぬぼく自身がそうなのだけれど。

「紙モノ好き」というのは、よく店の片隅に無造作におかれているようなフライヤーのたぐいをチェックせずにはいられない、そういう人々のことである。ライブであろうと映画であろうと、あるいはさまざまなイベントであろうと、そのフライヤーが伝えようとする「情報」以上に、ぼくはもしかしたらフライヤーそのものがすきなのかもしれない。フライヤーに充溢する一球入魂な感じがすきなのだ。フライヤーは、いうまでもなく「目的」ではない。映画なりライブなりイベントなりに「関心」をもってもらい、そのうえ実際に足を運んでもらう、あるいは買ってもらうことこそが真の「目的」である。だからフライヤーのつくり手は、一枚のちいさな紙のうえであらゆる手練手管を尽くしその「目的」を果たさんとする。どんな写真、あるいはイラストを使うのか、どんなフォントをえらぶのか、そのひとつひとつに全神経を集中する。当然、そうしてつくられるフライヤーの完成度は高くなる。ときには、じっさいのイベント以上にフライヤーのほうが魅力的だったなんていうパラドックスだって起こりかねない。たとえばレコードやCDの「ジャケ買い」なんかも、そういう意味では「紙モノ好き」のなせるワザといっていいんじゃないだろうか。

さて、そんな「紙モノ好き」にとってはこのうえなく光栄な機会が先日めぐってきた。来月リリースされるあるCDのフライヤーのために、コメントを寄せてほしいという依頼だった。もちろん、快諾したのはいうまでもない。いやいや、このCDはホント内容も折り紙付きなのだから断る理由もなかろうというもの。「紙モノ好き」の名にかけて(?!)一筆入魂にてあたらせていただきましたよ。どうか、よりたくさんのひとの「耳」にとどきますように。

「FINLAND Pictures」展終了しました

2005-01-30 23:34:19 | コラム、というか
TOMOKO SASAKI写真展「FINLAND Pictures」は、おかげさまをもちまして無事終了いたしました。

会期中ご来店いただいたみなさま、どうもありがとうございました。フィンランドの「空気」と「色」、感じていただけましたでしょうか?

佐々木さん、一週間おつかれさまでした。また、新しい「book」ができあがったらぜひみせてくださいね。

気がかり

2005-01-29 23:58:35 | コラム、というか
がかりなことがある。あす、初めてのフィンランドへ旅立つというあるお客さまのことだ。

2月にまとまった休みがとれそうなのでぜひフィンランドに行ってみたい、という彼女は、けれどもしきりにフィンランドの寒さを気にしている様子だった。迷っているひとを見かけたら手を貸してあげなさい、そう親に厳しくしつけられ育った店主としては、ここはひとつ黙って見過ごすわけにはいかない。背中を押してあげた。「どうやらことしは『暖冬』みたいなのできっと大丈夫ですよ!」と。

「なんか大丈夫そうな気がしたんで、この前、帰りがけにチケットをおさえてきちゃったんです」、それから数日してふたたびmoiをおとずれた彼女は、一週間後の1/30にフィンランドへむけて出発することをそう報告してくれた。そして、笑顔で元気に店をあとにしたのだが・・・。

暖冬だったフィンランドにも、とうとう本格的な「寒波」が到来したのを知ったのはけさのこと。きのうはなんと、ヘルシンキでもマイナス15℃を記録したらしい。さっそく天気予報をチェックしてみたところ、いくぶん落ち着いたとはいえ、それでも日中の最高気温が氷点下になる日も多そうだ。彼女が、無事「フィンランド嫌い」にならずに帰国することをただ祈るばかりである。

どなたかもしもヘルシンキの街頭で、やけに薄着で当惑している若い日本人女性の姿を見かけたら、どうか親切にしてあげてください(笑)。moiからのお願いです。

キィニョンのあんぱん

2005-01-28 23:07:19 | コラム、というか
て、コーヒーのアテはやはり「あんぱん」にかぎるという話は、まえにこのブログでも書いたとおりですが、その後、なんにんかの方から「おいしいあんぱん情報」をおしえていただいたり、実際に差し入れしていただいたりして、ますますコーヒーとあんぱんの相思相愛ぶりを確信するにいたった次第。そしてついに、これぞ理想の「コーヒーのアテ」というべきあんぱんと出会いました。それがキィニョンのあんぱん(写真)です。

キィニョンはmoiのお客様にも「ファン」がおおい、国分寺のパン屋さん。おなじみ(?)、西尾さんが差し入れてくださいました。それにしたって、どうです?見てくださいよ、このツヤと張り。くんくんと鼻を近づければ、麹種のいい香りがフワリと立ちのぼってきます。生地のかたさもちょうどいいあんばい。これがなんだか水っぽくてベチャっとしているとがっかりしてしまうところですが、ヘンに口に残らないのでコーヒーの味も邪魔されません。そして肝心なポイント、皮と甘さ控えめのあんことのバランスもいい感じです。

至福のコーヒータイムのお供に「キィニョンのあんぱん」、おすすめします。

学閥

2005-01-27 23:20:34 | コラム、というか
ょんなことから、お店によく来てくださるanzuさんとおなじ大学の出身であることがわかった。たしか、シネクラブ「Kino Iglu」を主宰する渡辺さんもそうだったはず。そのときは、大学の近所にあった「映画館」という名前のジャズ喫茶の話から判明したのだった。
おなじ大学の出身だからといって、べつになにがどうしたというワケでもないのだけれど、都心にあるわりにはこじんまりとして地味な大学ゆえ、日ごろ世間で同窓生と遭遇する機会なんてまずめったにない。それだけに、たまにこういうことがあるとやけにうれしくなってしまうのだ。そういえば、以前の職場でも社員の数が少ないわりにはぼくをふくめて3人おなじ大学の出身者がいて、ときどき「OB会」と称した秘密結社めいた「飲み会」をコソコソと催したりしたものだった。「学閥」とよぶにはあまりにも権力の匂いにも強力な人脈にも無縁な集団ではあったけれど、ちょうどそれくらいの、罪のないくらいの「つながり」加減が気楽で、心地よかった。

ところで、そのぼくの通っていた大学はいま「大学の案内パンフレット人気ランキング第一位」なのだそうだ。メイド・イン・フィンランドの超有名キャラクターをイメージキャラクターに採用したのが効を奏したらしいのだが、卒業生としては「そんな『第一位』でいいのか?」と言いたいところではある。

それにしても、気がつけばここにもフィンランドの影・・・

飲食業界のあるあるネタ

2005-01-26 18:07:31 | コラム、というか
ごろいらっしゃらないけれどあのひと元気かなぁ?とふと思ったり、不意にあるひとのことを思い出したりすると、なぜかご本人がその当日お客さまとしてやってくるなんていうことが、よくある。いわゆるひとつの「第六感」ってやつである。接客業にたずさわった経験のある方なら、たぶん思い当たるふしがあるのではないだろうか。

ほかにも、「日によってあるメニューにオーダーが集中する」とか「一万円札で支払うお客さまが続く」とか「お客さまはかたまってやってくる」とか、飲食業界にはその世界ならではの《七不思議》が存在している。とはいえ、まだ4つしか「発見」してないけれど・・・。それ以外でも「食べ物を口にいれるとお客さまがやってくる」とか、おなじく「トイレに行くとお客さまがやってくる」などという、ひとりで切り盛りしていなければべつだん問題とはならないようなジンクスもある。
オープン当初は、このレコードをかけるとお客さんがくるなんていうのもあったけれど、最近ではその効果はほとんどみられない。使い過ぎたせいかもしれない。「賞味期限」は守りましょう
もっといろいろありそうだが、いまは思いつかない。残りの3つもはやく「発見」しなければ。どなたかご存知でしたら、ぜひおしえてください!

ところでいま気づいたのだけれど、「七不思議」というよりはほとんどこれ、「あるあるネタ」だな。

TOMOKO SASAKI/FINLAND Pictures

2005-01-25 22:13:08 | コラム、というか
々木知子さんがフィンランドを撮った写真展が、きょうからはじまりました。

いままでにも佐々木さんにはいろいろな写真をみせていただいていたのですが、個人的にはその《空気》ごと閉じこめてしまったような写真世界がとても気に入っていたので、今回こうしてmoiで展示することができうれしくおもっています。
展示されている9点の写真はどれもフィンランドで撮影された風景写真です。とはいえ、あるいは言わなければそうとは気づかないような、それらは「ありふれた光景」でもあります。それでもやはりそこにはまぎれもなく、あのフィンランドの空気が息づいているようにおもわれるのです。日々フィンランドのひとびとが目にしているだろうようなリアルな「景色」を、ぼくは佐々木さんの写真にみているのかもしれません。

今回の展示、会期が今週いっぱいと短かめではありますが、どうぞ機会がありましたらご覧ください。

※画像は、けさ仕込みをしていたところ、朝日が投じたシルエットが佐々木さんの作品と「競演」していてきれいだったので撮ってみたものです。

◆ TOMOKO SASAKI/FINLAND Pictures 1/25(火)~30(日)
全10席のちいさな空間のため、週末は混雑が予想されます。可能な方は平日のご来場をおすすめします。

Charles Williams

2005-01-24 23:55:52 | コラム、というか
い話で申し訳ないのだけれど、フィンランドのレコードショップ「Lifesaver」じつに「いい仕事」をしてくれたので、ここはひとつ、やはり書かねばならぬということで。

軽快に刻むギターのイントロにのって走りだすコンガとソフトなコーラス、そしてなんといってもメロウなボーカルの心地よさ・・・そんなフリーソウルな名曲「Standing In The Way」を歌うのは、無名のシンガーCharles Williams。1975年にリリースされたこの曲を発掘し、2002年7inchシングルとしてリイシュ-したのが冒頭にのべたLIfesaver Recordsである。では、はたしてなぜフィンランドなのか?

じつはこのレコード、フィンランドのみでひっそりとリリースされたものだからというのがその理由。Charles Williams自身はジョージア出身のアメリカのシンガーなのだが、どういう理由があったのかはともかく、かれはフィンランドにやってきた。そしてこの曲を吹き込んだというワケである。このあたりのいきさつはどうやら裏ジャケにびっちり書かれているようなのだが、フィンランド語ゆえまったく理解できないのが残念である。

ところでジャケットにはこんなフレーズが記されている。いわく「Charles Williamsはフィンランドから出たがっている」。リリースから30年の時を経て、どうやらかれの願いは叶えられたといっていいかもしれない。

●残念ながらすでに入手はむずかしくなっているようですが、Lifesaver Records Oyのサイトにて試聴できます。

フィンランド気質、なのか?

2005-01-23 23:28:44 | コラム、というか
ころで、moiでは毎週末の午前中フィンランド語教室を開催しているのだけれど、ただいま一時帰国中のSanna先生にかわり今週からLiisa先生が「リリーフ」として登板している。

フィンランドでは、あいさつにつづいて「Mita kuuluu?」とか「Miten menee?」、つまり相手にたいして「お元気ですか?」と訊ねることになっている。で、この場合の模範回答としては「Kiitos hyvaa」もしくは「Hyvin,kiitos」、つまり「ありがとう元気です」ということになるのだけれど、これはあくまでも教科書的な回答例。Liisa先生によれば、この問いかけにたいする回答としてはつぎのような3つのパターンがあるという。

パターン1 「Kiitos hyvaa」「Hyvin,kiitos」(「ありがとう元気です」)
パターン2 「Ei mitaan erikoista」(「べつだん何もないです」)
パターン3 「Olen viela elossa」(「まだ生きてます」)

前出のパターン1はよいとして、残りのふたつは・・・どうなのよ?ていうか、ぜんぶで3つあるうちのふたつまでが、なんかむっちゃ「うしろむき」な感じがするんですけど・・・(笑)。まあ、ぼくらも「まあまあだね」とか「なんとか生きてるよ」とか使ったりするのでフツーといえばフツー?!

ちなみに、Liisa先生はいつも「パターン3」だそう(笑)。あ、誤解のないようつけくわえさせていただくなら、Liisa先生はとても陽気で楽しいかたですよ。

文中のフィンランド語表記について
表示の関係上kaksoispiste(でいいのかな?文字の上につく「・・」です)は省略させていただいています

フィンランド大使館のサイト

2005-01-22 23:36:57 | コラム、というか
日フィンランド大使館のサイトがリニューアルしました。あ、みなさんもうとっくにご存知でした???ぼくは最近チェックを怠っていたもので、きょうmoiのウェブサイトをつくっていただいたえつろさんにおしえていただいて、はじめてしりましたよ。

正直なところ、以前のTOPページのデザインすらよく思い出せなかったりするのですが、シンプルながら情報提供の面でより強化された今回のリニューアルによって、いっそう多くのひとに役立つサイトとして変身したのではないでしょうか。

ちなみにmoiも、「フィンランド関連機関」→「その他:フィンランドの食べ物」というコーナーにてリンクをはっていただいています。まだのかたはぜひ、いちどフィンランド大使館のサイトをたずねてみてくださいね。

駐日フィンランド大使館のサイトはこちら。

余談ですが、いまmoiでごらんいただいている『ムーミンママのお料理の本』は、以前フィンランド大使夫人からプレゼントしていただいたもの。関心をお持ちのかたはぜひ、これを参考にフィンランド料理作りに挑戦してみるなんていかがでしょう。