moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

こむらがえり

2005-04-30 23:10:41 | コラム、というか
けすかないのは、ちかごろよく深夜に足がつることである。別名こむら返り。だいたい「こむら」ってなんなんだ。「ミムラ」ならしっているが。

むかしもときどき、寝ていて足がつることはあった。けれども、ほとんど一日の大半を立ちつづけている仕事のせいか、ちかごろではそれが一ヶ月に一、二回の頻度でおこるようになってしまった。どうでもいいが、ウチの父親はかつて帰宅した玄関先でこれに見舞われ、おみやげに買ったケーキの箱を高々と放り投げて家族から大ひんしゅくを買ったことがある。教訓、「こむら返り」はときに「家族の絆」をもひきつらせる

それにしたって熟睡中の「こむら返り」は衝撃的である。「やばっ」と思うまもなく襲いかかる激痛、コンマ3秒後には飛び起き、苦悶の表情を浮かべて暗闇の中「アキレス腱」を伸ばすポーズでつった筋を伸ばそうと格闘する自分。ゆうべなんか、コーヒーをのもうとコーヒーカップを口にはこんだとたん、これだ。あ、もちろん「夢の中で」の話ですけど。

どなたか「こむら返り」の有効な防止策をご存じの方、あるいはそれを「おもいっきりテレビ」で観たよという方、ぜひおしえてください。

真夏日には。

2005-04-29 23:51:16 | コラム、というか
月ですよ、まだヒノキの花粉だって飛んでますよ、なのにそこかしこで「真夏日」。どうなっているんでしょうか、いったい。

そんな真夏日には、こんな音楽をききます。マリオ・アヂネー(Mario Adnet)の「リオカリオカ+ジョビン」。海の「青」、空の「青」、そんなジャケットそのままに、耳に涼やかな風をよびこんでくれる一枚です。BAR BOSSAのはやしさんが書いた『ボサノヴァ』(アノニマスタジオ)によると、マリオ・アヂネーは「現在のリオのボサノヴァ界を支える」人物。そしてこのアルバムは、カリオカ(リオっ子)でもある彼がリオデジャネイロに捧げた一篇のオマージュとなっています。じっさい、アルバムではマリオの自作曲のほか、ノエル・ホーザ、アントニオ・カルロス・ジョビン、それにオス・カリオカスのオリジナルメンバー、イズマエル・ネトらリオにゆかりの深いミュージシャンたちによる楽曲がとりあげられているほか、その「水」がカリオカたちの音楽的才能の源とされる「『カリオカ川』にこの作品を捧げる」というメッセージも寄せられています。

ただ、ここにきかれる「リオデジャネイロ」がけっしてリアルな「リオデジャネイロ」ではないということくらいは、実際にそこを訪れたことのないぼくでもおおよそ見当はつきます。それは、長い年月をかけて美しく結晶化した《リオのポートレイト》にほかなりません。そしてそのことが、ちょっとだけぼくのこころを「切なく」させます。マリオ・アヂネーはきっと、かつてノエル・ホーザやジョビンがいた「リオデジャネイロ」という都市の記憶をこうしてカタチに残しておきたかったのではないでしょうか?

青いフィルムのなか閉じこめられた都市が、真夏の白い光をうけてその残像を映します。

荻窪散歩 -その1-

2005-04-28 22:55:16 | コラム、というか
よいよGWということで、地味な街「荻窪」をしみじみ歩く(笑)「お散歩ガイド」をさせていただこうかと思います。

さて、中央線における荻窪の最大の特徴(?)はというと、駅が高架じゃないという点にあります。それはイコール南北の移動がめんどうということでして、結果的にそのことが駅の南と北とでぜんぜん雰囲気がちがう「荻窪」という街の個性を生みだすことにつながっています。わかりやすく言うと、南は「山の手」、北は「下町」といった感じでしょうか。そこで今回は、ここmoiのある駅の北側エリアをご紹介します。

まず、荻窪の駅でホームに降り立ったあなたを最初に歓迎してくれるのは焼き鳥の匂いとけむりです。ホーム新宿寄りの階段から改札を出て左、地上に出るとすぐ右手にその原因「鳥もと」があります。いつもにぎわっていますが、なぜか地元の人からは行ったという話をあまり聞かない不思議なお店でもあります。その「鳥もと」をふくめ、ロータリーの右側一帯は戦後の面影がそのまま残るエアポケットのようなエリアです。金物屋、履物屋、中古レコードの月光社など昔ながらの商店にまざって、ちいさな居酒屋や風俗店がひしめいています。隣接して「HP」の本社ビルがあるところが好対照でおもしろいですね。行列のできる中華そば「春木屋」、地元のひとに人気があるラーメン「十八番」、それに昔ながらの喫茶店「邪宗門」もこのエリアです。ちなみに青梅街道をはさんで向いがわ「寿通り」は商店街というよりも、ほとんど昭和の町並みを再現した映画セットのようだったりします。

駅を背に、ロータリーのむこうを走るのが青梅街道。青梅街道を渡る信号の左手には、「むらさき×黄色」という狂人的カラーセンス(笑)が冴える交番があります。道を渡ると「ブックオフ」。広い。くまなく見ると「掘り出し物」が見つかったりと案外あなどれない。ただし、かなり疲れますけど。「ブックオフ」を正面にみて左手、最初の角をはいるとそこが「教会通り」商店街。moiに行くつもりが迷ってしまった...というひとのほとんどはまず間違いなくここに迷い込んでしまったひとです(笑)。乗用車がやっと一台通れるか通れないかといった細い道がうねうねと続きます。入ってすぐの右手には、若いコに人気のショップ「PX」の支店があります(本店はmoiからほど近いところに)。さらに進んで右手の路地の奥には、「バブ」のCMでもおなじみ(?)「さとうコロッケ店」があります。あげたてをぜひ。さらにうねうね歩くと、人気の「ラーメン二葉」、となりはカレー屋さん「フェリスフー」です。沼田元気なアナタが泣いてよろこびそうなレトロなクリ-ニング屋さんもこのあたり。そしてやはりなんといっても、ハチミツ専門店「ラベイユ本店」ですね。ちなみに、昨年リニューアルした「ラベイユ」さんのサイトを手がけたのは、moiとおなじくデザイナーの遠藤悦郎さん。ぜひ、みくらべてみて下さい。アンティークなたたずまいのヘアサロン「荻窪美粧」をすぎ、ぐいっとカーブを切るとそこが終点、道なりに進むと右手に東京衛生病院があらわれます。なにをかくそう、ぼくがうまれた病院です。moiの照明プランをお願いした梅田かおりさんがうまれた病院でもあります。病院食がベジタリアンフードであることもよく知られています。1Fの売店では、「黒ごまペースト」や「ピーナッツクリーム」など、系列の三育フーズがつくる食料品が売られていて人気です。それにしても、荻窪の駅北エリアはまさに「昭和のテーマパーク化」していますね。

衛生病院をすぎると、すぐ「若杉小学校」につきあたります。いまや杉並区でいちばん生徒数の少ない小学校だそうで、廃校になるとのウワサも...。その若杉小につきあたったら左へ、ちょっと歩けば、ハイ、いらっしゃいませ!moiへ到着。一服しましょう。

せっかくですので、駅までのジモティ御用達のルートもお教えしましょう。moiを出たら、そのまままっすぐ青梅街道を渡りましょう。渡ったら左折、最初の角(酒屋さんのところ)を右折です。そして左手に「路地」がみえたら、左折。ちいさなスナックや居酒屋がひしめく細い「路地」です。ずんずん歩くと、荻窪駅の「西口」に到着。たぶん駅からの、これが「最短ルート」です(駅からくるときは、西口改札を出て右、階段を降りて正面の「セガミ薬局」左横の「路地」を入ります)。

というわけで、いずれ駅の南側エリアもご紹介させていただきます。

旅講座、受付終了しました

2005-04-27 23:19:28 | コラム、というか
講座*フィンランドですが、おかげさまをもちまして満席につき受付を終了いたしました。どうもありがとうございました。

なお、今後参加をご希望の方には日程等が決まり次第ご連絡させていただきます。連絡を希望される方は、メール[ info@moicafe.com ]にてその旨お知らせください。

よろしくお願いいたします。

ジョージ・シバンダ

2005-04-26 23:37:02 | コラム、というか
そらくは、世界でいちばんイノセントな音楽。

ジョージ・シバンダ。ローデシア(現ジンバブウェ出身。陽気で楽天的、突きぬける青空のように開放的な声、そしてギター。カントリー、ジャグ、ラグタイム...あらゆる音楽が、かれにかかればシバンダというひとの「色」に染まってしまう奇蹟。でも、声はバカボンのパパ。

活躍したのは、1950年前後のわずか10年あまり。イギリスの音楽学者ヒュー・トレイシーに見い出されたのをきっかけにラジオを通じ曲がヒット、アフリカ各地で人気をよぶもギャラはすべて「飲み代」に消え、けっきょくアルコールがもとでこの世を去ってしまったという、まさに正調「ボヘミアン」。写真一枚すら残っていない。

でも、声はバカボンのパパ。なのだ。

●試聴はココで。

無題

2005-04-25 23:24:27 | コラム、というか
るフリーライターが書いた本にmoiの話がでてきたよとおしえてくれたのは、先週まで展示でお世話になった作家のカクタさん。

それは、31歳という若さで肺がんにおかされ余命2年の宣告をうけた著者が、自身の闘病の日々を赤裸々につづった一冊の本である。日記によると、このあたりに暮らしていたかれが偶然ネットでこの店を知り、たずねてくださったということらしい。去年の6月の話だ。そのときのことは、残念ながらよくおぼえてはいないのだが、文章をよんだ限り、moiのことを気に入ってくださったようである。その後、ふたたび足を運んでくださることがあったかどうか、それはわからない。入退院をくりかえしながらも、残されたエネルギーのすべてを執筆に捧げる日々だったようだ。そしてきのう、その方が17日の日曜日にお亡くなりになられたとのことを耳にした。33歳だった。

カフェをやっていていちばんよかったことは?とたずねられれば、月並みだが「たくさんのいろいろなひとたちと出会えること」と答える。ことばをかわす、かわさないにかかわらず、この小さなカフェですこしでも時間と場所とを共有したひとはみな、すべてぼくにとっては等しく「出会い」なのだと感じている。「出会い」が多いということは、しかしまた同時にそれだけ「別れ」も多いということである。そしてそれは、カフェをやっていていちばん悲しいこと、でもある。

心よりご冥福をお祈りいたします。


カクタミチコ作品展、終了しました

2005-04-24 23:34:43 | コラム、というか
クタミチコさんの作品展「a message from anoher cosmos 2005」は、本日をもちまして無事終了いたしました。会期中ご来店くださったみなさま、どうもありがとうございました。

抽象なのだけれど、けっして無機的ではなくてどこか体温のぬくもりを感じさせるようなカクタさんの作品・・・まさに、そのお人柄が作品ににじみでているような印象を受けました。なお、カクタさんの作品はArt Addiction Medial Museumのサイトでもごらんいただくことができます。ぜひそちらもチェックしてみてください。

黄金週間

2005-04-23 23:38:13 | コラム、というか
「いいですねぇ~、ゴールデンウィーク」と言ったら、「いや、けっこう微妙なんですよぉ」と返されてしまった。

マスコミは9連休だ10連休だ、さぁ山だ!海だ!海外だ!とあおりたてるけれど、じっさいのところはそんなに甘くないのだという。つまり、一ヶ月間でしなければならない仕事量というのはだいたい決まっていて、大型連休があるからといってそのぶん仕事量が減るわけではない。よって、連休があるおかげでいつもより少ない日数で同じ分量の仕事を片づげなければならない。当然、その前後がめちゃくちゃ忙しくなってしまうのだ、と。「たぶん、連休中も何日かは会社にいかなきゃダメかも」、そのひとはあきらめ顔でそう言った。ご苦労さまです。

むかしもいまも「ゴールデンウィーク」とは無縁な仕事についているおかげであまりよくかんがえたことはなかったけれど、言われてみればなるほど、そういうことなのかもしれない。なにごとにもウラとオモテ、光と闇が存在するという話ですね、これは。とはいえせっかくの大型連休、みなさんにはなんとかやりくりをつけてぜひ満喫していただきたいもの・・・。もし、これといって予定がない方はぜひmoiへ。話し相手くらいにはなれるか、と。

というわけで、moiはゴールデンウィークも営業します。

● 5/2(月)は定休日。なお、土日祝日は12時openです。

セロニアス・モンク

2005-04-22 23:45:16 | コラム、というか
ロニアス・モンクについてぼくが知っていることは、おどろくほどすくない。家を探すとモンクのCDが二枚でてきたが、これはぼくではなく奥さんの趣味。

映画「真夏の夜のジャズ」はぼくにとって《心のベストテン》にはいる作品だが、そこにもモンクは登場する。ずんぐりとした指が奏でるのは、気のぬけたサイダーのような音楽。ツルの部分が竹(?)でできているサングラスが格好いい。

そういえば、吉祥寺の井の頭公園のちかくには「モンクス・フーズ」というオーガニックレストランがある。割り箸ではなく、ふつうの塗り箸がびっしり入った茶筒のようなものが各テーブルに置かれているのが、当時まだ中央線沿線の住人でなかったぼくにはいかにも中央線っぽくて新鮮だったことを記憶している。ところで店名だが、セロニアス・モンクにちなんでそうしたのか、「修道僧」、あるいはまさかとは思うけれど「トリカブト」という意味からとったのか、それともそのぜんぶにひっかけたのか、そのあたりは不明。ただ、むかしレコードジャケットを飾っているのをみたことがあるので、やっぱりセロニアス・モンクなのだろうとにらんでいる。

不意にリズムがギクシャクしたり、突拍子のない和音がひょっこり顔をだしたりするモンクの音楽は、なんだかやけに中央線っぽい。唐突ではあるが。もしもセロニアス・モンクが東京で暮らすことになったら、かれはきっと中央線沿線をえらぶにちがいない。昼下がり、西荻あたりのひっそりとした一戸建て(しかも築四十年以上の純和風平屋)からあの独特のピアノがもれきこえてくるなんて、いかにもハマるシチュエーションではないだろうか?「ゆうべ戎(えびす)で見かけたよ」なんてね。

未来型ククサ

2005-04-21 23:45:23 | コラム、というか
レリア地方の街ヨエンスーから、「クピルカ [kupilka]」が再入荷しました。

「森の民」フィンランド人が愛しつづけてきた伝統的なマグカップ「ククサ」。白樺の「こぶ」から彫り出されるそれはまた、《しあわせを呼ぶカップ》として「おみやげ」にも大人気です。そしてそんなククサの「未来型」といえるのが、この「クピルカ」なのです。

「クピルカ」は、樹脂とプラスティックを50%ずつ配合してつくられています。丈夫で軽く(80g)、しかも衛生的というだけでなく、リサイクルという視点からも考えぬかれているところが、まさに北欧的(!)。容量は、ふつうのコーヒーカップよりもひとまわり大きく使いやすい200ml。もちろん耐熱仕様で、マイナス30度からプラス100度まで使用可能です。つまり、冷たいものから熱いものまでなんでもござれ、ということですね。

オフィスでマイカップになんていうのもしゃれてますが、とにかく軽いしルックスもかわいいので、これからの季節バッグにぶらさげてアクセサリーっぽく見せてしまう、なんていうのも北欧的オススメです。

フィンランドでもカレリア地方を中心にごく限られた地域でしか販売されていないこの「クピルカ」、もちろん日本ではmoiだけ(たぶん)でのお取り扱いとなります。ぜひ手にとってごらんになってみてください。

2008.9.15追記 現在は取り扱っておりません。今後も予定はありません。