moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

喫茶 茂井?!

2005-02-28 23:16:59 | コラム、というか
茶 茂井、と書いて「きっさ もい」と読む。って、いきなりなにを言いだすんだとお思いでしょうが、春、三月のmoiはこんなイメージでいってみようかな、といま思案中。

じつはさきほど、あすからはじまる柏木江里子さんの展示「パターンは踊る展」の搬入を終え、すっかりそんな気分になっているところなのです。柏木さんは、最近では井上由季子さんの著書『紙から生まれる暮しの愉しみ』のブックデザインなど手がけていらっしゃるグラフィックデザイナーで、その凛とした空気をたたえたデザインは、思わず姿勢を正したくなるようなきりりとしたうつくしさが印象的。「和」の意匠を連想させる柏木さんの作品ですが、そこにはまた、どこか北欧の空気を思い出させるものも・・・。そこで、「ぜひmoiで展示を」と無理を承知でお願いしたところ、晴れて今回の展示が実現したという次第なのです。

この「パターンは踊る展」は、先ごろ柏木さんのデザインによってつくられた「ブックカバーになるグリーティングカード(画像)」のモチーフとしてもつかわれている、シンプルでありながらとても緻密に考え抜かれたオリジナルの「パターン」作品の数々を展示するものです。ほかにも、オリジナルの「文様」をあしらった「てぬぐい」や「ぽち袋」、「文箱」といった小物、桜のはなびらや葉っぱをかたどった「コースター」や「ティーコジー」もあわせて展示・販売します。

より多くのみなさんにごらんいただきたいので、会期はおよそ一ヶ月間と長めに設定しました。いつもより、「和」のテイストざっと50%増量中(当社比)の「moi」、あ、いや「喫茶 茂井」をぜひよろしくお願いいたします!

アールト? アアルト?

2005-02-27 23:49:23 | コラム、というか
ョエテとは オレのことかと ゲーテ言い。

こんな、古い川柳を思い出させるような事態が、フィンランドの建築家「ALVAR AALTO」をめぐってもまた、おこっている。というのも、日本の雑誌などにこの建築家の名前があがるとき、それはおおよそ4通りの仕方で表記されているからにほかならない。

その1 アルヴァ・アアルト
その2 アルヴァ・アールト
その3 アルヴァー・アアルト
その4 アルヴァー・アールト

原因は、苗字、名前それぞれについてカナに変換する場合の見解が統一されていないことにある。じつは、ほかにも苗字をアルヴァル、アルバルなどと表記するケースもごくまれにあって、事態はますます混乱する一方だ。

では、いったいどれが「正しい」のかという話になると、これもまた意見の分かれるところでそうカンタンには答えはでないのである。フィンランド語の発音からすると、苗字についていえば「アールト」がより自然であるように感じる。一方、名前はというと、「r」の発音が巻舌になるのでこれをカナに直すというのはかなり困難だ。それだけにやはり、なにがしかの「きまりごと」をつくって統一したほうがよいのではないか、そう思っている。ちなみに、フィンランド大使館フィンランド政府観光局では「アルヴァル・アールト」で統一しているのか、おなじ表記をしている(当たり前か・・・)。

以前、『アールトとフィンランド-北の風土と近代建築』を著した伊藤大介先生moiに来店された折りにも、たしかそんな話をされていたように記憶している。ぼく個人は、「アルヴァー・アールト」という表記に統一していて雑誌等にもできるだけそのように表記してもらえるようお願いしているのだけれど、もしガイドラインのようなものが存在するのであればいつでもそれに変更する心づもりはできている。もちろんそのときには、moiの「ブレンド」の名前もまた変わることになるわけだけれど。

「Archi+Decor No.3」

2005-02-26 23:10:53 | コラム、というか
ック「Archi+Decor(アーキアンドデコール)」No.3(エイ出版社)の「その道の人がすすめるワザあり小物」というコーナーに、店主/岩間が登場しています。

「これさえあれば北欧風!」ということで、気軽に手にはいる雑貨2点をセレクトさせていただきました。休日を北欧のカフェ風にしてしまう小物ということでえらんだふたつは、フィンランドのティモ・サルパネヴァが手がけた傑作「Timoグラス」と、スウェーデンのピアニスト、ロニー・ヨハンソンのCD「Tenderly」。どちらもすでにこのブログで紹介済みのグッズです。

シンプルなフォルムと実用性に徹底的にこだわった「Timoグラス」は、いまmoiで取り扱っているアイテムのなかでもとりわけ人気の逸品。お求めいただいたお客さまからも好評です。ロニー・ヨハンソンのCDは、ジャズ=夜というおきまりのイメージとは裏はらに、冬の晴れた朝にこそききたい一枚。アールトの有名な花瓶「サヴォイ」をあしらったジャケットは、雑貨的にもアリですよね?

さて、ここからは「こぼれ話」。じつは「小物」ということでボツになってしまったのですが、今回セレクトしたなかにはもうひとつ、第三のアイテムが存在していました。アルヴァー・アールトの「スツール#60」です。アールトが設計した図書館のためにつくられたことから、しばしばその名前をとって「ヴィープリの小椅子」ともよばれるこのスツールは、一見なんの変哲もないよくありがちなスツールにもみえますが、全体のバランス、それに「挽き曲げ」というフィンランドの伝統技法を応用した美しいカーブをもつ脚など、みればみるほど、使えば使うほど愛着がわいてくるなんともチャーミングな椅子なのです。

いうまでもなく、アールトのスツールの魅力はそれだけではありません。最大の魅力は、その使い勝手のよさにあります。小ぶりで場所をとらないこと、スタッキングがきくこと、そして自由に持ち運びができることがそれです。つまり、部屋の中のいちばん陽あたりのいい場所に持ち運んで使えば、いつだって「特等席」で過ごすことができるというワケです。使わないときには、ちょっとしたオブジェを飾るのにも最適です。

椅子/音楽/ドリンクという《カフェの聖三角形》を念頭にセレクトしただけに、そのうちのひとつだけがボツってしまったのはなんとも無念・・・。本屋さんで手にした折りには、ぜひ「フムフム、これとあと『アールトのスツール』なワケね」とかんがえながら眺めていただけると、うれしいです。

現実逃避?!

2005-02-25 23:07:23 | コラム、というか
一番が吹いたかとおもえばそのあくる日には雪が降りつもるという、あいかわらず激しいお天気模様です。

そんなお天気に左右されてか、昼間はずっとひまだったのに夕方から急にお客さまがたてこんだりと、ヒトの動きもなにやら激しい一日です。店をやっているかぎり「確率論者」にはならないでしょうね・・・でも、「神秘主義者」にはなるかもしれない。ヒトの行動パターンはつくづく「ミステリー」です。

それはともかく、昼のあいだはひまにあかせて「あてのない旅」のプランを練っていました。それもかなり綿密に。もし荷物さえまとめれば、いますぐにでも出発できるくらいに。いや、ほんとうは、ひまならひまで「あてのない旅」よりも「さしせまった確定申告」の準備をしなくてはならないところなのだけれど・・・現実逃避とはまさにこのこと。

CLUB AURORA

2005-02-24 23:55:03 | コラム、というか
ィンランドのユースカルチャーに関心があるというかたに、うってつけのイベントがあります。

「テクノ界のエルトン・ジョン」ことジミ・テナーをはじめ、国内外で活躍するフィンランドのDJ、ミュージシャン、メディアアーティストらが一堂に会してくりひろげる一夜限りのクラブイベント「CLUB AURORA(クラブ・オーロラ)」です。ジミ・テナーのほかにも、Uusi FantasiaDJ ヨリ・フルッコネン、それに60年代から70年代にかけてのフィンランド産ジャズやレアグルーヴの復刻などでも知られるSahko Recordingsのレーベル・オーナーDJ TGといったメンツが登場予定。また、当日はメディアアーティストによる作品上映などもあり、フィンランドのクラブシーンに興味のあるひとにはたまらない内容となっています。

ところでこの「CLUB AURORA」、来月開幕する「愛・地球博~expo.2005」の関連イベントとしておこなわれるものだそうですが、こうしたイベントの場合、往々にしてふだんこの手のイベントとは無縁の「おエラいさん」のお客もおおくイベント的に盛り上がりに欠ける内容になりがち。というわけで、みなさんの力でぜひフロアを熱く盛り上げてください!


●CLUB AURORA@SDLX
2005年3月18日(金)スーパーデラックス(六本木)
前売3000円、当日3500円(ワンドリンク付き・税込)
前売お問い合わせ 「スーパーデラックス」
予約専用メールアドレス aurora@super-deluxe.com
tel 03-5412-0515 fax 03-5412-0516


春一番

2005-02-23 15:16:04 | コラム、というか
つうのひとがよろこぶべきところをよろこべないとなると、それはたいてい「あまのじゃく」と片づけられてしまうのだが、花粉症のひとが「春一番」をよろこべないのはどうしようもない。かなしい現実だ。

つよい南風が吹きあれたここ東京では、きょうついに「春一番」が観測された。気温も4月並みのあたたかさということで、いよいよ本格的なスギ花粉シーズンの到来となりそう。あるニュースによると、「花粉症」にともなって医薬品を中心に毎年かなりの「経済効果」があるらしい。たしかにぼく自身も、アレルギー症状を抑える薬、目薬、マスク、目の洗浄液といったアイテムがこの先、ゴールデンウィーク前後まで手ばなせなくなるし、またひとによっては空気清浄機や乾燥機つき洗濯機を購入するなんて話もあるだろうから、かなりの「効果」があるとしても不思議はない。ところがその一方で、花粉症のひとが無駄な外出を差し控えることにともなうマイナス効果のほうが、その「経済効果」をはるかにしのぐという調査報告もあるのだとか。実際、ぼくもこれからの季節プライヴェートで出かけるなら雨の日or寒い日ねらいだし、不必要な外出はできるかぎり避ける。花粉症にとっての「花粉」は「毒ガス」にひとしいからだ。

ところで、ここにきて林野庁がようやく「スギ花粉対策」にのりだした。雄花のおおいスギを優先的に伐採することで花粉の飛散を半減できるという調査結果がえられたというのだ。もともと国の植林政策の失敗が引き起こしたいわば《公害》であるだけに、国はきっちり責任をもって国民の「花見する権利(?!)」も守っていただきたいものである。

国立へ

2005-02-22 23:39:12 | コラム、というか
立(くにたち)へ。

以前、銀座においしくてカジュアルなフレンチのレストランがあったのだけれどいつのまにかなくなってしまい残念におもっていたところ、その店のシェフがあらたに国立に店をかまえたという話を聞きつけ、散歩がてらランチにでかけてみた。駅から6,7分ほどあるいたところにあるルミエール・デュ・ソレイユという店。手ごろな値段で、素材をいかしたシンプルな味つけのおいしいフレンチにありつける。ご近所のかた、ぜひ行かれてみてはいかがでしょう。おすすめ。

そして、その後は腹ごなしの散歩もかねて(といいつつ、じつのところ道に迷ってめちゃくちゃ歩くはめになったのだが・・・)WILL cafeへ(写真)。おなじみ、moiのスゥイーツをお願いしているパティシエ来栖さんのお店。あかるい店内でゆっくりすごす早春の昼下がりは、やはり最高。「むらさき芋チーズケーキ」は、「むらさき芋」のまったりした舌ざわりとチーズのほどよい酸味がブレンドされて絶妙な味わい。う~ん、ごちそうさま。

きくところでは、中央線高架工事にともない「原宿駅」に次いで古いという国立の駅舎も近い将来なくなってしまうのだとか・・・。「大学通り」の桜もうつくしいこれからの季節、郊外の趣きがいまものこる「国立」の街をのんびり散歩するのもよいのでは?

bar bossa

2005-02-21 23:44:18 | コラム、というか
谷の「バール・ボッサ」へ。

かつて職場が目と鼻の先だったころにはよく寄せてもらっていたものだけれど、その後渋谷へでかける機会もめっきり減り、いまではすっかりごぶさた気味である。思えば、この店のおかげでずいぶんたくさんのひとたちと出会うことができた。音楽家の高橋ピエールくん、ギタリストのゴローさん(aka.moose hill、naomi&goro)、ウッフコック号、ボッサ51の小嶋さん、先日このブログでも紹介したThe Sleeping Beautyのおふたり、それにCINQ DESIGNの保里さんやグラフィックデザイナーのAくん、インディーズレーベル「MOTEL BLEU」を主宰するSさん、Kさん、雑貨などのスタイリストとして活躍中のKさんなどなど挙げていったらきりがない。ごく親しいというわけではないけれど、イベントを手助けしてもらったり、ひさしぶりにどこかで顔をあわせれば「どうもどうも」なんていいながら話がはじまるようなひとたちである。そんなわけで、bar bossaという店はぼくにとってどんなカフェよりも「カフェ」といえるような場所だった。そしてこんなふうにしてひととひととがつながっていられたのは、ひとえにマスタ-林さんの手腕によるところである。

ぼくにとって林さんというひとはブラジル音楽の先生であり、また「とっておきの話」(笑)をこっそりおしえてくれる同業の先輩であると同時に、ひととひととをつなぐことにかけてはまさに「名手」と呼べるようなひとである。ということは当然、つなぐべきではないひとたちをつながない「名手」でもまたあるわけで、そのあたりの絶妙なさじ加減にはひたすら感服するしかない。

「客あしらい」ということばが正しいか否かはべつとして、「よい店」にはこうした目配りのきく「主人」の存在が不可欠なものである。なんて、この店ではいつもほろ酔い気分のあたまでかんがえている。

一連の「手続き」

2005-02-19 23:38:39 | コラム、というか
ーンテーブルの針を、まだ交換してそれほど間がないにもかかわらずうっかり折ってしまった。

腹立たしいのでそのまましばらく放置していたところ、「フィンランド語教室ただいま休学中」のN本クンが「家に眠っていたので・・・」と言いつつ、あたらしいカートリッジを手にやってきた。「えらい、えらいぞN本クン。さすがは4月から『新社会人』だ」というわけで、ひさしぶりに店でアナログレコードをきいている。いいねぇ、アナログは。いかにも音楽をきいている、という感じがする。

コーヒーを淹れたり、レコードをかけたり、しょせんぼくはその一連の「手続き」がすきなのかもしれない。