moiのブログ~日々のカフェ

北欧&フィンランドを愛するカフェ店主が綴る日々のあれやこれや

京都‘楽’派

2004-08-08 23:23:32 | コラム、というか
に聴くべき音楽といえば、もちろんTUBEなわけですが、わずか50センチほどの幅の日陰ですらえらんで歩いてしまうぼくのような人間にとって、それは、うっかり聴いてしまうと音だけで熱中症になりかねない危険な音楽ともいえます。そんな、できるだけおとなしく日々の暑さをやりすごしたいとかんがえるぼくが、この夏moiでパワープレイ中のCD、それがsoraというユニットによるアルバム「re.sort」です。

soraは、京都在住のアーティストクロサワタケシのソロユニットで、世間ではラウンジ・エレクトロニカなどと称されているようですが、そんな能書きはともかく、適度な〈余白〉を感じさせるそのサウンドはデジタルでありながらオーガニック、いってみれば新鮮な酸素のような作品なのです。

毎日ずっと音楽を聴きつづけていると、だんだんと耳が抽象的な「音」ばかりを求めてゆくようになるのがわかります。人間の「声」や「旋律」ですら鬱陶しくなったり。そうしてかんがえるのは、最上のBGMとは、波の音、梢をわたる風の音、川のせせらぎや雨音といった自然の音ではないかということ。けっして直接的に自然の音をサンプリングしているわけではないにもかかわらず、soraの音楽はかぎりなく自然にちかい、そう思えるものです。

それにしても、このsoraのクロサワタケシをはじめ、高木正勝や、そしてもちろん竹村延和など京都を拠点に活動するアーティストの作品は、ほんとうにオリジナルで良質のものが多いですね。かつて、ペンギンカフェオーケストラのサイモン・ジェフスも暮してた町ですしね。京都という「場」がもつ底力を感じずにはいられません。