Nutshell

PMRCがある限り。

Trickster -Kidneythieves (2003)- (その3)

2006年04月13日 23時37分33秒 | 2003
(また続き)

箱を開けてサイコロを取り出してみます。
やはりふてぶてしい事極まりありません。
摘むと何かミシミシ言って壊れそうだし・・。

判った。
この安っぽい作りのサイコロは3軸、各軸方向の剛性が一様ではない。
力を加えた互いに向かい合う2つ面が、赤、青、黄のどの面であったかは
箱の上から蓋越しに強く押さえつけることによって、
そのタワミ具合、及び軋む時に発せられる音の違いにより判別できる。
指先の繊細な触覚と聴覚を取り入れた新時代のマジック。すげえ。

違う様です。
4歳児にそこまでの力はありません。


「もう一回やろうか?」
同じ手品を人を変えずにやる事はタブー中のタブーと思いますが、こちらから頼むでもまなく彼の方から言い出したので、ここは素直にもう一度やってもらう事にしました。

彼は後ろを向いて、なにやら自作の数え歌を歌い始めました。
9/8拍子です。
プログレな数え歌です。
さすが私の親類です。
聴いてて頭がくらくらして来たので、今度は見られない様に細心の注意を払いながら、早々にサイコロを中に入れて蓋を閉めます。
「入れたぞ。」

私から箱を受け取ると、McDonaldのCMでハンバーガーを持つかの様に両手で箱をつかみ、先程と全く同様に目の前まで持って行き、食い入る様に見ています。

「また黄色。」

なぜ判る?

おかしな動きはしていませんでした。
いや、正確には"彼にとっての普段以上の"おかしな動きはしていませんでした。

「違う色にしてよ。」

素直に従っておきます。

再度後ろを向いて、輪をかけて奇怪な数え歌を歌い始めたので
さっさと蓋を閉めてさっさと渡します。

箱を受け取り、前の2回と同じ動き。
「また黄色~?」
小馬鹿にした様な言い草です。

違います。
今度は確かに赤を上にしました。

こいつ、使いこなせてねぇ・・・


...to be concluded

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