予想外の素晴らしい作品に出会うからこそ何かしら書きたいと思う訳で、特定の作品が良作だったとしても予想された範囲内で多少のぶれが生じていただけであれば、その良作が私に特に何を与えるでもなく、私にして何を思わせるでもなく、それを無理に文字にした所で読む価値のない空虚な文字列にしか成り得ないのは明白です。
放置していた言い訳としてはこんな所で良いでしょう。
TantricのThe End Beginsを買いました。
近頃名前を聞かなくなっていたので、とうの昔に解散したと思っていたのですが、The AlmightyのLive盤が出た頃かと久しぶりに立ち寄ったTowerで偶然見つけた2004年以来の新作です。
このレベルの売れているでも売れてないでもないロックバンドというのは動向を全く掴めていないので、新作がリリースされても2年間知らないままというのは往々にして起こり得、買っていたとしても印象に全く残っていなければ、また新しいアルバムだと勘違いしてもう一度買う事も往々にして起こり得る為、扱いには細心の注意を要する危険な連中です。
しかし当該作品のリリースは2008年の4月であり、新作の看板に偽りなしの新作です。
2曲目、Down and Outからが凄いです。
2曲目、Down and Outが特に凄いです。
生々しいバイオリンが絶品ですが、
シンセでもゲストでもなくメンバーにバイオリンが居ます。
5人編成なのにバイオリンが居ます。
2ndまでは居なかったと思います。
多分居なかったと思います。
シンガー以外は総入れ替えみたいですが、勢いで紛れ込んでしまったのでしょうか。
しかし、それで発散してしまっているわけでも色物になってしまっているわけでもなく、従来の路線に従いながらも調和が取れてしまっている所は、やはり楽曲のセンスの良さの成せる業でしょう。
「シンガーの声が生理的に嫌」という方にはcandleboxとのデュエット、The Oneが3曲目に用意されています。
両極端な個性の激突で、大方の予想される通りクリスタル・キングみたいになってしまいましたが、これはこれで格好良いです。
百聞は一見に如かず。
聴くべきものは
ここで聴けます。