物流王の物流徒然

物流に関するブログです

物流と金融その2:信用状の役割

2007-11-05 23:50:06 | Weblog
大分間があきましたが、金融の話になります。

前回(10月18日)の記事にも書きましたが、取引のはじめの段階では、仕入れ料金は前払いが原則のようです。

ところが、輸入者としては商売を回転させるため、仕入れから販売までの資金負担を小さくする事が必要となってきます。

更に、海外との取引の場合、発送(船積み)から商品到着までに日数がかかります。

輸出入において、この間(貨物が運送途上にある間)の代金負担を銀行経由で立て替えてもらうのが信用状の基本的な役割です。

信用状(Letter of Credit; L/C)は、輸入地の銀行から輸出地の銀行へ代金支払いの確約をするものであり、
「信用状に記載された通りの書類と引き換えに代金を支払う」
ものです。

輸入者は銀行へ信用状開設の依頼をし、信用状をもらったら輸出者へと送ります。輸出者は信用状に書かれている通りの書類を揃え、輸出地の銀行へ提示し、書類を買い取ってもらいます。
書類は輸出地の銀行から輸入地の銀行へと売り渡され、商品が到着する頃に、輸入者が銀行へ書類を買い取りに行きます。
当然ながら、銀行としても紙切れを買い取るわけにもいかないので、商品そのものを担保とする必要があります。この担保を証券化したものが船荷証券です。

信用状はあくまで船積みの間の立替ですが、場合によっては船積みの後も販売まで輸入者が輸入地の銀行に代金を立て替えてもらうこともあります。

「なぜわざわざ銀行を経由するか」については、一番大きな問題は「信用力」だと思います。輸出者にとってみれば取引関係のない(もしくは少ない)輸入者よりは輸出地の銀行から代金をもらう方が確実です。また輸入者側にしてみれば、自身で輸出地の銀行へ支払い保証できるだけの信用力がないので、輸入地の銀行を経由して支払い保証をします。

また、この取引には「為替手形」を用いるため、国内の手形と同様、輸入者は必ず支払わなければなりません。

次回は信用状なしの代金決済について話します。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« お勧めの本紹介:通関士試験対策 | トップ | 物流と金融その3:D/PとD/A »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事