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シンガポールは今日も暑いなあ。

シャルマさんの日本考察。

2009-08-13 | 本、映画、音楽


この1年に読んだ本で、おもしろかったベスト3に入るのがコレ
M.K.シャルマ著「喪失の国・日本」(文春文庫)

インドの市場調査会社から、調査員として日本に派遣された
ビジネスエリート・シャルマさんの日本滞在記。

滞在当初、インドとあまりに違う日本文化に接して彼が戸惑う
様子・・・

ウォシュレットに慌てたり、両替で受け取った新札のピカピカさに
ニセモノではないかと疑ったり、アパートでお香を焚いて管理
組合にとがめられたり、湯豆腐の鍋を他人同士がつつきあう
ことに呆然としたり

語り口があくまで真剣なため、日本人の私たちには相当笑える。

しかし日本に馴染んでゆく中でシャルマさんは、その深い知性・
洞察力、豊かな感性で日本人の本質を次々と看破してゆく。

彼の展開する日本文化論は、そのすべてが、鳥肌がたつほど
鋭く的を射ている。

インド人からみた日本の姿。その文化の素晴らしさ、問題点、
そしてインドの文化との違いが、シャルマさんの観察・分析を
通し手に取るように理解できる。

そして、壊れかけの日本人が再生するためのヒントがここに
あふれています。

この本に書かれていること全てが深くて鋭くしかも楽しくて、
何度も何度も読み返しています。

オススメです。

ちなみに私はこの本の中の「インド人は混ぜ、日本人は並べる」
の章を読んで



ホーカーセンターのインド系ストールで注文するとフライド
チキンの上にごはんが山盛りてんこ盛り状態で登場し

「ギャッ」となるチキンビリヤーニが

何でこんな風に山盛りてんこ盛りで登場するのかも、理解できよ・・・

インド映画をみてて、私たちには理解しづらかったり、不思議に
感じられるような場面のことが、この本のおかげで腑に落ちたりも
して・・・ホントにすごい本なのです。

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