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ねこやま

徒然備忘録

不連続の世界 / 恩田陸

2010-11-19 06:57:51 | 恩田陸
抜粋

『月の裏側』の塚崎多聞、再登場!
詩情と旅情あふれる、恩田陸版「怖い話」。

夜行列車の窓に映る顔は、デスマスク。
音楽ディレクター塚崎多聞のフランス人の妻ジャンヌが突然、
里帰りし、そのまま音信不通になって、
そろそろ一年になろうとしていた。
多聞はジャンヌの実家を訪ねたが妻はおらず、
家族は「いまヨーロッパ中を旅していて連絡が取れない」という。
多聞は途方にくれ、奇妙な別居生活は続いた。
そんなとき三人の友人が多聞を「夜行列車で怪談やりながら、
さぬきうどんを食べに行く旅」に誘う。
四人はそれぞれ怖い話を披露し合うが、途中、
多聞の携帯電話に何度も無言電話がかかってくる……。
(「夜明けのガスパール」)























中身を見たら、目次が。
5つのお話が入っていた。
最近短編続いたし、そろそろ長篇、と思っていたのに。。
ならば、と。
帯に宣伝されていた『夜明けのガスパール』
何なに、なんだか不穏なムードのお話じゃないの。

―俺さ、おまえの奥さんは、もうこの世にいないと思う。
―おまえが殺したから。


え~、なにそれ~。
と、いうことで、別に短編ならこれから読んじゃえ~ってことで。
夜明けのガスパールから読み始めた。
さてと。
次は最初から読もうかな。
・・・・・?!
登場人物がさっきと、同じ。
あちゃ~。
短編連作だったのね。

『月の裏側』に登場した塚崎多聞が主人公の身の回りで起こる、
ミステリーやホラーやファンタジーな出来事。
一話目で20代中盤をちょっと過ぎた頃だった多聞は、
五話目では結婚して"いい年"になっている。
はっきりと文中に年齢がでないから何歳なのかは不明。
さて、と。
では『月の裏側』での多聞はいったい何歳だったんだろう?
あんまり覚えてないんだよね。
舞台はすごく素敵だったんだけど、中盤までなかなかハマれなくて。
やっぱり『盗まれる』のが激しくなったあたりから加速して、
何々?!どうなるのどうなるのー!!!?
って期待してたら、あれ、そうなんだ。
あー、でもすごかったわー。みたいなお話だったと思う。
気味の悪い、読み手を動揺させることの出来る本だったよな。
今手元にないからアレだけど。
結婚してたかな、この時・・・。
『月の裏側』は、この短編集ならどの位置に入るんだろ。
まぁ、どうでもいいか、そんなこと。


短編連作。
全部面白かった!
なんでスラスラ読めちゃうんだろ。
本当に不思議。
好みとしかいいようがない。
たまに好みとはかけ離れたものも書くけれど。
こういう気味が悪いとか、怖いとか、軽いミステリタッチのは大好き。
なんでこんな不思議な話がつくれるんだろう。
恩田女史が見る夢をわたしにも転送してくれないかな。
夢の中まで小説の小話になるなんて、すごいなー。








●木守り(コモリ)男
木のてっぺんに痩せこけた男がしがみついている
―髪と髭をのばし、茶色の着物を纏った、骸骨のような男が。

放送作家の男が見ていた夢は、筆者の見た夢がそのまま使われている。
なにそれー。
夢の続きを教えてほしい。
舞台は神田川沿い。
なんか、わかりそうで、わかんないんだよなー。
でも雰囲気だけは確かに伝わってくる。


●悪魔を憐れむ歌
「死にたくなる音楽、というのがあるよね」
誰かが勝手に読んだ名、セイレン。
セイレンを探しに友人を連れて、奈良に向かう多聞。

おもしろかった。
というか、怖かった。
なんなの、山が鳴るって。こえ~。


●幻影キネマ
デビュー目前、実家に里帰りを許されたミュージシャンの憂鬱。
どこか浮かない顔をしている真相は?

怖かった。
ミステリとホラーの合体?
多聞の周りではいつも変なことがおこる。
あとがきによると舞台は広島の尾道。
あー、いってみたい。


●砂丘ピクニック
消える砂丘の消失トリックの真相は?

お互い既婚者で、翻訳家の女性と多聞との二人旅。
多聞の妙な体質(彼の周りでは何か変わったことが起きる)
を聞きつけた彼女の言葉に乗ったのが発端だった。
彼女の翻訳する本の中に、砂丘が消失するという表現がでてくる。
本当に砂丘は消えるのか?
謎が解けるときは存外あっけないもので、
しかも拍子抜けするようなことがままある。
今回もなぁんだ。と思うような内容だった。
この砂丘で、もう一つ不思議な出来事が起こった。
美術館に入った人物が、入ったままでてこないのだ。

ミステリータッチのお話だった。
舞台はもちろん、鳥取砂丘。


●夜明けのガスパール
妻が里帰りから1年以上かえってこない。
毎月航空便で送られてくるポラロイド写真。写真の意味は?

ガスパール。
どっかできいたことある、ガスパール。
それって、リサとガスパールじゃん!
なんだろ、このタイトルは。
そのガスパールとは違うのかしらん。
タイトルは意味がないことが多いし、あんま考えなくてもいいか。

不穏な帯の文句に誘われて、一番最初に読了。
ちょっと胸が熱くなる、そんなラストだった。
夜行列車で怖い話をする、いい年した4人の男。
このひとりひとりの怖い話、本当に気味悪いわー。

あと「チェイサーさ」と二回ほど登場するこの言葉、チェイサー。
なんのこっちゃで、調べてみた。
どうやらお冷のことらしい。
そんなおしゃれな言い方したことないから初めて知ったよ。


















好みなのは悪魔を憐れむ歌と、幻影キネマかな。
気味悪いし、怖かった。
しかしまぁ、多聞てこんな人物だったっけ。
読んだの恐らく5年ぐらい前だと思うから覚えてないんだよね。
でも、すごかったのは覚えてる>月の裏側
んー。
こんな突拍子もない話をしたりする人だったっけ・・・
そういうキャラ嫌いじゃないけど、まるで自分みたいだと思った。
話してるそばから違う話ふったり。おざなりな返事したり。


























さっき、アマゾンみてたら、恩田陸の新刊がもう出る!
明日だ!
早速図書館でリクエストしてみるかな♪
ミステリーランドも新しいのが出た!
それもリクエストだー!
きっとどっちも買ってくれるから一番乗りだな・・・むふ


2008.09.14



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