ねこやま

徒然備忘録

風のターン・ロード / 石井敏弘

2012-04-10 07:47:59 | あ行作家















芹沢顕二、29歳。オートレースの写真家。自身もZⅡの750に乗っている。

出身地は神戸。
今回8年ぶりに帰ってきたのには、理由があった。
それは、彼の種違いの妹のことだった―――・・・

彼の母親は彼が6つの時に若い男と蒸発、その後行方不明に。
父は精神的ショックからいつまでも立ち直れず、酒に溺れ、事業に失敗した。
その挙句、ふたりの息子と無理心中を図り、無責任に逝ってしまった。
少年の彼だけが救われたのは、奇跡という他ない。
が、それをラッキーだったとは、少しも思わなかった。
自分をこの世に送り出し、そして勝手に去っていた両親を憎み、この世を呪うことを覚えた。
そうでもしなければ、とても生きていく力を得ることはできなかっただろう。
その憎悪は、二十数年が過ぎた今でも、癒されることなく胸の奥に燻っている。

その母親が産んだと思われる娘が、事件の関係者として彼の耳にはいった。
調べると、母親と地元の名士との間にできた子供だということがわかった。


母は5年前に腎不全で死亡していた。


彼の妹まで事件で亡くなっていた。


事件から1年が経った今も犯人はつかまっていない。
警察もお手上げ状態。
芹沢は、探偵よろしく捜査に乗り出した。


























感想など。
うーん、バイクばっかり。
作者はバイク大好きっぽい。
バイクの描写はとても躍動的に書かれていて分かりやすい。
しかし、なぜか、いまひとつ。(なんか偉そうだな;)
一つ一つの表現がけっこうキザ。
おもしろく、かつ自分で推理しながら読めた。
途中殺害現場の図であるとか、容疑者の絞込みの図がでていて、いかにも推理小説、という感じ。
昔の推理小説ってのは、そういうもんだったのかな?
なんだか、さぁ、推理したまえ。
といわれているようで、乗せられてしまった。
あたしの推理は外れたけど。


なんつーか、おもしろいんだけど、いまひとつ。
設定なんかがありがちって感じで。

でも、まー乱歩賞にあまり外れはない。
だらだらしておもしろくなかったというわけではないのだから。


2005.04.14



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