本が読めること

《私がよく質問することのひとつに、
本やテレビ番組を指して、
「これ、前に見たかしら？」というのがある。
そして
「見た」という答であっても、
私には話しが新鮮で面白く感じられるのだ。
私は前に起きたことについての記憶がない。
人の顔や名前が見分けられず、
話の展開も覚えられないので、
本を読むのにも、
テレビの話について行くのにも大変な努力がいる。》
とクリスティーンさんは書いておられます。
『私は私になっていく』（クリエイツかもがわ）Ｐ137



私は、本を読んでもその筋道を覚えている・・・・
ということはまずありません。

ある場面に感動して・・・
そこを繰り返し読んだとしても・・・・
いつも新しい文章を読んだように思えるのです。

記憶の上にさらに記憶を重ねていくのですから
「ここだけは・・・覚えた」となるはずなんですが・・・
10の内、8は記憶されないようです。

それでも・・・
本を読みたい・・・といつも思います。
本屋さんに並んでいる本を手にとって・・・
真ん中辺と終わりにざらっと目をとうし・・・・！
と感じた時には・・・たいてい買っていました。
しかし・・・
最近は、本を買うことが難しくなっています。
先日のように、
すでに買ってある本を又、買ってしまうことがあるからです。

この楽しみを・・・取り上げられたら・・・
と思うと悲しくなります。

その点でいえば・・・テレビは・・・
無責任感覚で見てもなんのさわりもありませんから、
気楽に見れます。
しかし・・・気楽に見れる・・・ということは、
そのほとんどが記憶されないということでもあります。

「この病」と言われる前と後とでは・・・
本ひとつとっても環境が変わってしまったのです。
でも・・・・
まだ読めますから、
私は不幸だとは思っていません。