水の丘交通公園

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西武鉄道 4000系電車

2011-06-28 22:23:49 | 電車図鑑・私鉄電車(関東)
西武秩父線の輸送体質改善と秩父鉄道への直通運転開始に伴い登場した車両である。
昭和63年~平成4年にかけて4両編成×12本=48両が製造された。
製造を担当したメーカーは東急車輛である。
編成の組み方と構成形式は以下の通り。

クハ4000形(奇数)+モハ4100形(奇)+モハ4100形(偶数)+クハ4000形(偶)

クハ4000形:奇数車が飯能側、偶数車が西武秩父側に運転台を持つ。
 奇数車は連結部分に便所と車椅子スペースがある。
モハ4100形:中間電動車。奇数車に集電装置と主制御装置、奇数車に補助電源装置、
 エアコンプレッサーを装備する。

車体は普通鋼鉄製で同時期に登場した新2000系と似た雰囲気ながら独自のスタイルと
なっている。
正面は貫通型で全体に丸みを帯びた形状となっており、正面窓も曲面ガラスを
用いている。
塗装はホワイトにレッド、グリーン、ブルーの細帯が入るいわゆる「レオカラー」で
山口線「レオライナー」8500系以来の採用となっている。
行き先表示は正面と側面にあり、いずれも字幕式である。

車内は戸袋部分をロングシート、それ以外を4人向き合わせのボックスシートとした
セミクロスシート配置である。
飯能側先頭車の車端部には便所(和式・車椅子未対応)があり、その向かいに飲み物の
自動販売機とくず入れが設置されていた。
天井の照明は関東の私鉄電車としては珍しくグローブカバー付きとなっている。
また、車端部妻面を除いて広告スペースを廃しているため、ひじょうにすっきりとした
見付となっている。
ドアは片側2箇所で自動モードの他、冬季や夏季の長時間停車に配慮して
半自動モードに切替可能で、半自動モード用のドア操作スイッチが各ドア横に
設置されている。
側面窓は2連式の1段下降窓である。

主制御装置は抵抗制御でブレーキは抑速ブレーキ機能付き発電ブレーキ併用
電磁直通ブレーキである。
台車は軸箱支持をペデスタル式としたダイレクトマウント式空気バネ台車で
モーターの駆動方式は中空軸平行カルダン方式である。
これらの機器は101系電車の廃車発生品を流用している。
運転台はツーハンドルで西武鉄道用の保安装置の他、秩父鉄道用の保安装置も
搭載している。

登場後、池袋線池袋口で試験的に運用されたり、臨時列車で新宿線で運用された
ことがあったが、基本的に西武秩父線の各駅停車と池袋発着の秩父鉄道直通の
快速急行で運用されている。
基本的に4連単独であるが、秩父鉄道直通列車は2本を繋いだ8連で運行される。
秩父鉄道直通列車は横瀬で4両ずつに分割され、前4両が西武秩父経由三峰口行き、
後4両が御花畑経由長瀞行き(直通開始当時は野上。程なく寄居まで延伸するも
平成19年に長瀞まで短縮)となる。
秩父鉄道でワンマン運転が開始されるまでは寄居~影森間の区間列車にも
充当され、当時、急行用の3000系以外非冷房車ばかりだった秩父鉄道において
冷房付きクロスシート車という破格のサービスを提供した。
平成14年より西武秩父線のワンマン運転開始に伴い、運転台へのドアスイッチ設置、
運転士マイクの設置、マスコンへのデッドマン装置装備、各車両車端部の
ボックスシートのロングシート化、便所向かいの自動販売機撤去と車椅子スペース化、
車内監視カメラ設置、ドア開閉放送機能付き自動放送装置設置などの
改造を受けている。
平成15年~19年にかけては検査時に集電装置のシングルアームパンタへの交換が
行われた。


○車内。ボックスシートは枕カバーこそ無いもののヘッドレスト付きで
 長時間の乗車でも疲れにくいよう工夫されている。


○秩父から戻ってきた池袋行き快速急行。「北辰の梟」号のヘッドマークを
 付けている。昨今はイベントの度にヘッドマークを付けていることが多い。