歳を重ねると楽しいとか賢くなるとか・・・・みんな戯言なんだよ。

感じるままに、赴くままに、流れて雲のごとし

春の嵐に身を晒して街を歩けば…

2018-03-06 | 映画
女の怖さは世に憚ることはなくて男を壊す。
暖かな1日があると思えば、突風が吹き雨が後を追ってくる。男が思いついた傘など万分の1ほどの役にも立たない。
優しく微笑んでも数秒後に夜叉の面をつけている。それをも愛おしく感じるのは男の傲慢な優しさなんだろうか…。

ちょいと、まあいいか?と思いつつ、映画「空海」を見た。
楊貴妃の死の謎を空海が解明する物語。
絢爛たる唐の時代に日本の僧侶が命がけで密教を学ぶ。でも、空海はすでにこの宗教の真髄を熟知してしまっているかのようだ。現実と幻想を見極めつつホンモノは何かを見極め行動する。薄笑いの奥に迷いはないかのようだ。

美しく生まれたがために普通に死ぬことができなかった楊貴妃。無駄な苦痛を強いられて恐怖までも与えられれば復讐心も芽生えるだろう。
しかし、そんな気持ちなど楊貴妃にはなかったのかもしれない。彼女を愛した男たちが復讐する。
愛する女を幸せにしたいと願うだけ憎しみは倍増する。男の浅はかさは国を滅ぼしたりもする。
憐れで哀しい。

現実と幻想の区別はないのかもしれない。
昨夜の夢は夢でしかない。誰も断言できない。

人はいつだって迷い続けて生きて行くのだ。