一日の始まりはいつだってこうだ。
掃除機の音。
まるで、虫になってしまったような気がする。
そう、小さな羽虫。
コーヒーとリンゴとヨーグルト。
もうすっかりこの朝食には慣れてしまった。
特に不満などはない。もともと、食べ物に変化やコダワリがあるわけではない。
ただ差し出されたものを美味しそうな顔で食べる。
満足することでもなければ、不満をまき散らすこともない。
そして、ゆっくりと朝刊を読む。無駄口は聴きたくない。朝から・・・
運よく、僕には毎日行くべき場所があるし、やるべきこともある。
恵まれているのだろう。
それなりに、頼りにされている・・・ところもある。
しかし、必要とされているかどうかは別。
仕事があるだけなのだ。
つまり、その仕事は僕でなくてはならないコトではないのだ。
他の誰かがやってもおかしくはない。
そう、誰でもができるのだ。
仕事というものは、オオヨソ、そのようなものなのだ。
仕事が「先」にあるのだ。
仕事は世の人々の必要があるから成り立つもののことを言うのだ。
だから、あせってはいけない。
生意気を言ってはいけない。
謙虚の意味も、思いやりも、厳しさも、優しさも、そして、愛さえも教えてくれたりもするのだ。
だから、
不満があったとしても、しばらくはみんなの言うことに耳を傾け静かに言われたことをキッチリやればいい。
毎日毎日が同じ繰り返しであったとしてもだ。
修行僧のように過ごす日々があったかなかったか・・・・
そんな日々を懐かしく思えるときが来れば、
人生めっけものなのだよ。