宮川歯科医院 院長ブログ

堺市西区の宮川歯科医院 院長の宮川和人がブログで色々なことを語ります。

「ヤギとヤギ飼い」(イソップ物語より)

2010年03月04日 | 気まぐれ日記
 個人的に大好きなイソップ物語の中でも、この話はいつ読んでも新鮮な感覚に
なれる。最初読んだ時、そんなに深い意味があるとは気付かなかった。いまでは
何かの問題にぶち当たった時に繰り返し読むことにしている。
 
 昼寝をしていて寝過してしまったヤギ飼いが、あわてて放していたヤギたちを
オリに戻そうと呼び寄せました。しかし、数頭のヤギが草を食べたりグズグズしていて、ヤギ飼いのいうことを聞きません。腹を立てたヤギ飼いは石を投げつけました。
すると、偶然にも一頭のヤギのツノに当たって折れてしまいました。
びっくりしたヤギ飼いは、そのヤギに向かって、こう懇願しました。
「ごめん。痛くなかったかい?このことはご主人様に内緒にしてほしんだ。そんな
ことが知れたら、ボクはどんな仕打ちを受けるかわからない。それにボクはキミのツノを折るつもりなんかまったくなかったんだからね」
すると、そのヤギがいいました。
「ボクが黙っていたって、この折れたツノをみれば、キミの不注意を隠すことなんてできるわけないさ」 へたな人生論よりイソップ物語(植西 聡著)

最初この物語を読んだ時、真っ先に思い浮かんだ言葉が「悪事は必ず暴かれる」という単純なイメージだった。しかし、何度か読んでいるうちに、ある日ふと気付かされた事があった。
それはいくらポジティブな考えや生き方をしようとしても、必ずと言っていいほどネガティブな出来事が起こってしまうことがあるという事実。そういう感じ方や考えそのものが「ヤギ飼い」の心情と一致するのでは…
身の周りに起きてしまう様々な出来事に対して、その時どのような姿勢で向き合えばいいのか、そのヒントをいつも示してくれているようにも思える。
「どんな人間になりたいの?」という自分自身への問いかけも与えてくれた
いい話だと思う。とても奥深さを感じてしまった。

「人間とはその人が一日中考えていることの体現であり、人の一生とは、その
人が人生をいかに考えたかなのです」
               ジョセフ・マーフィー