田熊みうま会 尾道市因島から発信中

昭和40年度生まれで 田熊小学校・田熊中学校に通った人のブログ

因島・田熊の方言・慣用句(54)「かばち」2種類

2022年02月23日 | 因島・田熊の方言・慣用句
広島はもちろん西日本でよく使われる「かばち」は「たれる」「こく」「くる」などをくっつけて「大物を言う」「大言壮語」「大文句を言う」「大理屈を述べる」などの意味ですね。
元々は、上下の顎(あご)の骨、或いは頬から顎のあたりにかけての部分の意味で使われた古語のようで、口を連想させることから方言として残ったものだと思います。
さて因島で「かばち」とは、「物の端や縁(ふち・へり)」のことも表します。
床の間や玄関など段差がある部分の高い方の端に横向きに取り付けられる化粧材を框(かまち)と言いますので、これが訛って「かばち」となったのでしょう。
上がりかまちとか、床框、縁框などは建築用語として普通に使われています。框があることで見た目も良くで強度も保てることから転じて「家の主人」を表すこともあるようですが、「うちの旦那は"かばちこき"じゃけ」みたいな使われ方もされたりします笑。

母「堤防の"かばち"に立って遊んだら危ないで」
子「大丈夫よ。ワシは運動神経がエエけぇ、上手に飛び降りるわ」
母「ホンマにあんたは"かばちをこく"子じゃ」
みたいな感じで使われます。。。

「かばち」をたれる・こく・くる
島内での常用度★★★★★(常用語)
島外での難解度★★☆☆☆(通じると思う)

「かばち」(框)
島内での常用度★★★★☆(頻出)
島外での難解度★★★☆☆(微妙)

ではまた次回
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因島・田熊の方言・慣用句(53)「やけちんがん」

2022年02月17日 | 因島・田熊の方言・慣用句
方言というより慣用句的な言葉でしょうか。
「無理難題を言う(する・或いはその状態)」「無茶苦茶な事を言う(する・或いはその状態)」のことで、今風に表すと「クレーマー」的な人や現象を指します。

例1 客と店主の電話
客「のこぎりが何所に仕舞うたか判らんようになったんじゃ」
店主「そりゃ、困りましたねぇ」
客「ウチに探しに来い! お前の店で買うたんど! 」
店主「そがぁな"やけちんがん"言われても困りますよ」

例2 酒屋にて
客「さっき買ったワインを持って帰る途中に落として割ってしもんたんじゃ。まだ家には帰ってないんじゃけぇ、当然交換できるじゃろ?」
店主「マジか!? "やけちんがん"言う客じゃ」(心の声)

例3 スーパーにて
客「先週買ったバナナに黒い斑点が出てきた。腐っとるんじゃないか?返品するど !

店員「食べごろだと思いますよ("やけちんがん"言う人じゃ)」

キリがありません(笑)
最後に、
「なんぼメダルが欲しいけぇいうて、ドーピングはいけんよ。ありゃ"やけちんがん"じゃ」

島内での常用度★★★★☆(使われてます)
島外での難解度★☆☆☆☆(伝わるでしょう)
ではまた次回
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因島・田熊の方言・慣用句(52)「がに」「がぞう」

2022年02月08日 | 因島・田熊の方言・慣用句
いわずと知れた「カニさん」のことですね。
もう少し訛って「がね」とか、あるいは「がんつう」とも聞いたことがあります。
大きさによって、(小)「がに」→「がぞう」→「がざろう」(大)みたいな使い分けもあったりします。あくまで感覚的なものですが。。。
本来は生息場所や種類によって区分があったのかも知れませんね。

昔聞いたことがある小話
A「勘平衛川(神戸川)の河原で大喧嘩しょうるど!」
B「誰が?」
A「"がに"が(笑)」
ちなみに勘平衛川(神戸川)とは、田熊の東区から明治橋にかけて流れる川で現在は暗渠になっています。川の名称の由来は干拓や川の付け替えに尽力した人の名前のようです。良質の水だったようで、造り酒屋の「白冠」や「太平洋」が大正8年に創業しています。

「がに」「がぞう」
島内での常用度★★★★☆(まだ現役)
島外での難解度★☆☆☆☆(大抵伝わる)
ではまた次回
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