ゆーくん、4歳 9か月 6日
あやちゃん、2歳 8か月 3日
DWE歴は、4年 1か月 23日になりました

DWE教材は、歌とストーリーがリンクしていることに魅力があります
そこで、良質な英語表現をインプットするために、作詞・作曲され、
長年、愛され続けている Sing Along! の歌詞に注目して、
どこまで考えられた歌詞なのか、私なりに分析をしてみたいと思います
今回は、前回に引き続き、Sing Along! 12 のDVDに収録されている
"Now That I Have this Magic Hat" について取り上げてみます
歌詞は、"Songs Guide" か "Sing Along!" の Book でご確認ください

この曲は、魔法使いの弟子 ミッキーが、魔法の帽子をかぶり、
「これで仕事をする必要がなくなった」と喜んでいる様子を描いた歌です
前回も紹介しましたが、この曲で取り上げられている文法事項は、以下の通りです
従位接続詞の構文(Now that 構文) 「(今は)もう~が…だから」 :
Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore. など
助動詞 will の否定形 won't : Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore. など
have to ~ : Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore. など
今回は、"won't" が持つ意味 に注目したいと思います
歌詞で言うと――
Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore. 
Now that I have this magic hat, I won't have to sweep the floor. 
Now that I have this magic hat, I won't have to wash another wall! 
Now that I have this magic hat, I won't have to work at all! 
という部分で登場しています
中学校で習う「助動詞 will」の主な意味は、「~でしょう」「~するつもり」です。
実は、この「助動詞 will」は、英語のニュアンスを和訳で表しにくいなぁ、と私が思うもののうちの1つです。
たとえば、『ターミネーター』の有名なセリフに、
"I'll be back." (※I'll = I will) というものがあるのですが、
中学校で学んだ意味で直訳すると――
「また戻ってくるでしょう」となり、意志の弱さが見え隠れするセリフになってしまいます。
「また戻ってくるぜ」というニュアンスの力強いセリフであるはずなのですが。。。
もう1つ例を挙げてみます。
結婚式で、牧師(プロテスタントの聖職者)や神父(カトリック・東方正教会の聖職者)が
新郎新婦に向かって――
Will you have this woman as your lawfully wedded [ husband / wife ] , to live together in the estate of matrimony?
Will you love [ him / her ] , honor [ him / her ] , comfort [ him / her ] , and keep [ him / her ] ,
in sickness and in health; forsaking all others, be true to [ him / her ] , as long as you both shall live?
といった内容の英文を尋ねてきた場面を想像してください。
"Do you ~?” と尋ねられれば、"I do." (誓います)と答えればいいのですが、
この場合は、"Will you ~?" で尋ねられているので、"I will." と答えます。
これも、中学校で学んだ意味で直訳すると、「誓うでしょう」になってしまいます。
結婚式の誓いは、そんなに意志の弱そうな和訳では しっくりきません。
「誓います!(絶対に愛し続けます!)」という決意を込めて言うセリフであるはずです。
実は、「助動詞 will」には、「絶対~する!」という強い意志を表す意味があるのです。
ちなみに「名詞 will」にも「意志・決意・命令」などの 力強い意志を感じさせる意味があります。
ここで、「助動詞 will」の一般的な意味を確認しておきます。
意志 「~するつもり」
推量 「~するでしょう」
習慣・習性 「~する習慣・習性がある」
(否定文で)拒絶 「絶対に~しない」
例文を挙げながら、詳しく見ていきます。
意志 「~するつもり」
【例】 I will study English tonight. (今夜、[絶対] 英語を勉強するつもりだ)
実際に勉強するかどうかは関係ありません。
もしかしたらテレビを見てしまうかもしれないし、
好きな雑誌を読んでしまったりして、全く勉強しないかもしれません。
でも、今この瞬間は、「必ず勉強するぞ!」という意志があることを表すのが、
「助動詞 will」 なのです。
推量 「~するでしょう」
【例】 It will rain tomorrow. (明日は[絶対]雨が降るだろう)
これも、実際に雨が降るかどうかは関係ありません。
暗い雨雲を見て、「これは高確率で雨が降る」という、
話し手の確固たる予測を表すのが、「助動詞 will」なのです。
習慣・習性 「~する習慣・習性がある」
【例】 Gasoline will float on water. (ガソリンは水に浮く習性がある)
この意味の場合、習慣・習性を表すわけですから、
「絶対~する」というニュアンスがしっくりくると思います。
ガソリンが水に浮くという、絶対的な科学の真理を言うには、
「助動詞 will」を用います。
(否定文で)拒絶 「絶対に~しない」
【例】 Emily won't meet Jim. (エミリーは、絶対にジムに会おうとしない)
「助動詞 will」が、「絶対~する」というニュアンスであるのは前述の通りですが、
否定文になると、「絶対~しない」というニュアンスになります。
エミリーとジムの間に何かがあって、エミリーが絶対会おうとしない――
これを表すのが、「助動詞 will」の否定形 "will not [won't] " です。
「助動詞 will」が持つ意味合いについて確認できたので、
否定語である "don't / doesn't" と "won't" では、どういったニュアンスの違いがあるのか見ていきましょう。
これまで述べてきたように、"won't" は、「人の意志」 を表す単語です。
一方、"don't / doesn't" は、意志とは関係なく、「一般的な話」や「事実」「規則」を表す単語です。
具体的に、例文を挙げて 比較してみます。
【例1】 She doesn't go to Australia. (彼女は、オーストラリアに行きません)
【例2】 She won't go to Australia. (彼女はオーストラリアに行きません)
上の例文は、2つとも和訳が同じですが、ニュアンスがまったく異なります。
"doesn't" を用いた【例1】の英文の場合、
彼女自身がオーストラリアに行きたいかどうかという意志は分からず、
「彼女がオーストラリアに行かない」という情報・事実だけを伝えています。
"won't" を用いた【例2】の英文の場合、
「彼女はオーストラリアに行きたくないので、行きません」というニュアンスになります。
飛行機が嫌いだから 行きたくないのかもしれませんし、
オーストラリアの蛇とクモが怖いから 行きたくないのかもしれませんし、
とにかく、彼女には「行きたくない」という意志があるということが分かります。
"don't / doesn't" は、シンプルに 「事実」「規則」を表しますが、
"won't" を使うと、誰かの意志を表すことが出来るので、より繊細なニュアンスを伝えることができるのです。
歌詞に戻ってみましょう
Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore. 
Now that I have this magic hat, I won't have to sweep the floor. 
Now that I have this magic hat, I won't have to wash another wall! 
Now that I have this magic hat, I won't have to work at all! 
この魔法の帽子を持っているからには、もう働かなくてもいいだろう 
この魔法の帽子を持っているからには、床を掃かなくてもいいだろう 
この魔法の帽子を持っているからには、壁を洗わなくてもいいだろう! 
この魔法の帽子を持っているからには、まったく働かなくてもいいだろう! 
この歌詞は、魔法使いの弟子 ミッキーが歌っているのですが、
「この魔法の帽子を持っているからには、絶対に働きたくない」という意志から、
「もう働かなくてもいいだろう」と言っていることが分かります。
このニュアンスを日本語で「和訳」として表現するのが難しい。。。
プロの翻訳者だったら、どんな和訳をするのか気になるところです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました



あやちゃん、2歳 8か月 3日

DWE歴は、4年 1か月 23日になりました


DWE教材は、歌とストーリーがリンクしていることに魅力があります

そこで、良質な英語表現をインプットするために、作詞・作曲され、
長年、愛され続けている Sing Along! の歌詞に注目して、
どこまで考えられた歌詞なのか、私なりに分析をしてみたいと思います

今回は、前回に引き続き、Sing Along! 12 のDVDに収録されている
"Now That I Have this Magic Hat" について取り上げてみます

歌詞は、"Songs Guide" か "Sing Along!" の Book でご確認ください


この曲は、魔法使いの弟子 ミッキーが、魔法の帽子をかぶり、
「これで仕事をする必要がなくなった」と喜んでいる様子を描いた歌です

前回も紹介しましたが、この曲で取り上げられている文法事項は、以下の通りです


Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore. など


今回は、"won't" が持つ意味 に注目したいと思います

歌詞で言うと――








という部分で登場しています

中学校で習う「助動詞 will」の主な意味は、「~でしょう」「~するつもり」です。
実は、この「助動詞 will」は、英語のニュアンスを和訳で表しにくいなぁ、と私が思うもののうちの1つです。
たとえば、『ターミネーター』の有名なセリフに、
"I'll be back." (※I'll = I will) というものがあるのですが、
中学校で学んだ意味で直訳すると――
「また戻ってくるでしょう」となり、意志の弱さが見え隠れするセリフになってしまいます。
「また戻ってくるぜ」というニュアンスの力強いセリフであるはずなのですが。。。
もう1つ例を挙げてみます。
結婚式で、牧師(プロテスタントの聖職者)や神父(カトリック・東方正教会の聖職者)が
新郎新婦に向かって――
Will you have this woman as your lawfully wedded [ husband / wife ] , to live together in the estate of matrimony?
Will you love [ him / her ] , honor [ him / her ] , comfort [ him / her ] , and keep [ him / her ] ,
in sickness and in health; forsaking all others, be true to [ him / her ] , as long as you both shall live?
といった内容の英文を尋ねてきた場面を想像してください。
"Do you ~?” と尋ねられれば、"I do." (誓います)と答えればいいのですが、
この場合は、"Will you ~?" で尋ねられているので、"I will." と答えます。
これも、中学校で学んだ意味で直訳すると、「誓うでしょう」になってしまいます。
結婚式の誓いは、そんなに意志の弱そうな和訳では しっくりきません。
「誓います!(絶対に愛し続けます!)」という決意を込めて言うセリフであるはずです。
実は、「助動詞 will」には、「絶対~する!」という強い意志を表す意味があるのです。
ちなみに「名詞 will」にも「意志・決意・命令」などの 力強い意志を感じさせる意味があります。
ここで、「助動詞 will」の一般的な意味を確認しておきます。




例文を挙げながら、詳しく見ていきます。

【例】 I will study English tonight. (今夜、[絶対] 英語を勉強するつもりだ)
実際に勉強するかどうかは関係ありません。
もしかしたらテレビを見てしまうかもしれないし、
好きな雑誌を読んでしまったりして、全く勉強しないかもしれません。
でも、今この瞬間は、「必ず勉強するぞ!」という意志があることを表すのが、
「助動詞 will」 なのです。

【例】 It will rain tomorrow. (明日は[絶対]雨が降るだろう)
これも、実際に雨が降るかどうかは関係ありません。
暗い雨雲を見て、「これは高確率で雨が降る」という、
話し手の確固たる予測を表すのが、「助動詞 will」なのです。

【例】 Gasoline will float on water. (ガソリンは水に浮く習性がある)
この意味の場合、習慣・習性を表すわけですから、
「絶対~する」というニュアンスがしっくりくると思います。
ガソリンが水に浮くという、絶対的な科学の真理を言うには、
「助動詞 will」を用います。

【例】 Emily won't meet Jim. (エミリーは、絶対にジムに会おうとしない)
「助動詞 will」が、「絶対~する」というニュアンスであるのは前述の通りですが、
否定文になると、「絶対~しない」というニュアンスになります。
エミリーとジムの間に何かがあって、エミリーが絶対会おうとしない――
これを表すのが、「助動詞 will」の否定形 "will not [won't] " です。
「助動詞 will」が持つ意味合いについて確認できたので、
否定語である "don't / doesn't" と "won't" では、どういったニュアンスの違いがあるのか見ていきましょう。
これまで述べてきたように、"won't" は、「人の意志」 を表す単語です。
一方、"don't / doesn't" は、意志とは関係なく、「一般的な話」や「事実」「規則」を表す単語です。
具体的に、例文を挙げて 比較してみます。
【例1】 She doesn't go to Australia. (彼女は、オーストラリアに行きません)
【例2】 She won't go to Australia. (彼女はオーストラリアに行きません)
上の例文は、2つとも和訳が同じですが、ニュアンスがまったく異なります。
"doesn't" を用いた【例1】の英文の場合、
彼女自身がオーストラリアに行きたいかどうかという意志は分からず、
「彼女がオーストラリアに行かない」という情報・事実だけを伝えています。
"won't" を用いた【例2】の英文の場合、
「彼女はオーストラリアに行きたくないので、行きません」というニュアンスになります。
飛行機が嫌いだから 行きたくないのかもしれませんし、
オーストラリアの蛇とクモが怖いから 行きたくないのかもしれませんし、
とにかく、彼女には「行きたくない」という意志があるということが分かります。
"don't / doesn't" は、シンプルに 「事実」「規則」を表しますが、
"won't" を使うと、誰かの意志を表すことが出来るので、より繊細なニュアンスを伝えることができるのです。
歌詞に戻ってみましょう

















この歌詞は、魔法使いの弟子 ミッキーが歌っているのですが、
「この魔法の帽子を持っているからには、絶対に働きたくない」という意志から、
「もう働かなくてもいいだろう」と言っていることが分かります。
このニュアンスを日本語で「和訳」として表現するのが難しい。。。
プロの翻訳者だったら、どんな和訳をするのか気になるところです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました




