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英語教師のママが綴るDWEの英語育児日記
~ゆーくん&あやちゃんの成長記録とママの心に残った出来事を綴ります♪~

【DWE・歌詞分析 128-2】 Now That I Have this Magic Hat : "won't" が持つ意味に注目!!

2016-12-28 | DWE・歌詞分析 【イエロー】
ゆーくん、4歳 9か月 6日
あやちゃん、2歳 8か月 3日
DWE歴は、4年 1か月 23日になりました
   
DWE教材は、歌とストーリーがリンクしていることに魅力があります
そこで、良質な英語表現をインプットするために、作詞・作曲され、
長年、愛され続けている Sing Along! の歌詞に注目して、
どこまで考えられた歌詞なのか、私なりに分析をしてみたいと思います

今回は、前回に引き続き、Sing Along! 12 のDVDに収録されている
"Now That I Have this Magic Hat" について取り上げてみます

歌詞は、"Songs Guide" か "Sing Along!" の Book でご確認ください 
   
この曲は、魔法使いの弟子 ミッキーが、魔法の帽子をかぶり、
「これで仕事をする必要がなくなった」と喜んでいる様子を描いた歌です

前回も紹介しましたが、この曲で取り上げられている文法事項は、以下の通りです
  従位接続詞の構文(Now that 構文) 「(今は)もう~が…だから」 :
      Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore.   など
  助動詞 will の否定形 won't : Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore.   など
  have to ~ : Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore.   など



今回は、"won't" が持つ意味 に注目したいと思います


歌詞で言うと――

     Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore. 
     Now that I have this magic hat, I won't have to sweep the floor. 
     Now that I have this magic hat, I won't have to wash another wall! 
     Now that I have this magic hat, I won't have to work at all! 


という部分で登場しています



中学校で習う「助動詞 will」の主な意味は、「~でしょう」「~するつもり」です。
実は、この「助動詞 will」は、英語のニュアンスを和訳で表しにくいなぁ、と私が思うもののうちの1つです。


たとえば、『ターミネーター』の有名なセリフに、
 "I'll be back." (※I'll = I will) というものがあるのですが、
中学校で学んだ意味で直訳すると――
「また戻ってくるでしょう」となり、意志の弱さが見え隠れするセリフになってしまいます。
「また戻ってくるぜ」というニュアンスの力強いセリフであるはずなのですが。。。


もう1つ例を挙げてみます。
結婚式で、牧師(プロテスタントの聖職者)や神父(カトリック・東方正教会の聖職者)
新郎新婦に向かって――

  Will you have this woman as your lawfully wedded [ husband / wife ] , to live together in the estate of matrimony?
  Will you love [ him / her ] , honor [ him / her ] , comfort [ him / her ] , and keep [ him / her ] ,
  in sickness and in health; forsaking all others, be true to [ him / her ] , as long as you both shall live?


といった内容の英文を尋ねてきた場面を想像してください。
"Do you ~?” と尋ねられれば、"I do." (誓います)と答えればいいのですが、
この場合は、"Will you ~?" で尋ねられているので、"I will." と答えます。

これも、中学校で学んだ意味で直訳すると、「誓うでしょう」になってしまいます。
結婚式の誓いは、そんなに意志の弱そうな和訳では しっくりきません。
「誓います!(絶対に愛し続けます!)」という決意を込めて言うセリフであるはずです。


実は、「助動詞 will」には、「絶対~する!」という強い意志を表す意味があるのです。
ちなみに「名詞 will」にも「意志・決意・命令」などの 力強い意志を感じさせる意味があります。

ここで、「助動詞 will」の一般的な意味を確認しておきます。

    意志 「~するつもり」
    推量 「~するでしょう」
    習慣・習性 「~する習慣・習性がある」
    (否定文で)拒絶 「絶対に~しない」



例文を挙げながら、詳しく見ていきます。

    意志 「~するつもり」

   【例】 I will study English tonight. (今夜、[絶対] 英語を勉強するつもりだ)

  実際に勉強するかどうかは関係ありません。
  もしかしたらテレビを見てしまうかもしれないし、
  好きな雑誌を読んでしまったりして、全く勉強しないかもしれません。
  でも、今この瞬間は、「必ず勉強するぞ!」という意志があることを表すのが、
  「助動詞 will」 なのです。



    推量 「~するでしょう」

   【例】 It will rain tomorrow. (明日は[絶対]雨が降るだろう)

  これも、実際に雨が降るかどうかは関係ありません。
  暗い雨雲を見て、「これは高確率で雨が降る」という、
  話し手の確固たる予測を表すのが、「助動詞 will」なのです。



    習慣・習性 「~する習慣・習性がある」

   【例】 Gasoline will float on water. (ガソリンは水に浮く習性がある)

  この意味の場合、習慣・習性を表すわけですから、
  「絶対~する」というニュアンスがしっくりくると思います。
  ガソリンが水に浮くという、絶対的な科学の真理を言うには、
  「助動詞 will」を用います。



    (否定文で)拒絶 「絶対に~しない」
 
   【例】 Emily won't meet Jim. (エミリーは、絶対にジムに会おうとしない)

  「助動詞 will」が、「絶対~する」というニュアンスであるのは前述の通りですが、
  否定文になると、「絶対~しない」というニュアンスになります。
  エミリーとジムの間に何かがあって、エミリーが絶対会おうとしない――
  これを表すのが、「助動詞 will」の否定形 "will not [won't] " です。

 



「助動詞 will」が持つ意味合いについて確認できたので、
否定語である "don't / doesn't" と "won't" では、どういったニュアンスの違いがあるのか見ていきましょう。

これまで述べてきたように、"won't" は、「人の意志」 を表す単語です。
一方、"don't / doesn't" は、意志とは関係なく、「一般的な話」や「事実」「規則」を表す単語です。

具体的に、例文を挙げて 比較してみます。


  【例1】 She doesn't go to Australia. (彼女は、オーストラリアに行きません)

  【例2】 She won't go to Australia. (彼女はオーストラリアに行きません)


上の例文は、2つとも和訳が同じですが、ニュアンスがまったく異なります。

"doesn't" を用いた【例1】の英文の場合、
彼女自身がオーストラリアに行きたいかどうかという意志は分からず、
「彼女がオーストラリアに行かない」という情報・事実だけを伝えています

"won't" を用いた【例2】の英文の場合、
「彼女はオーストラリアに行きたくないので、行きません」というニュアンスになります。
飛行機が嫌いだから 行きたくないのかもしれませんし、
オーストラリアの蛇とクモが怖いから 行きたくないのかもしれませんし、
とにかく、彼女には「行きたくない」という意志があるということが分かります。

"don't / doesn't" は、シンプルに 「事実」「規則」を表しますが、
"won't" を使うと、誰かの意志を表すことが出来るので、より繊細なニュアンスを伝えることができるのです。




歌詞に戻ってみましょう

     Now that I have this magic hat, I won't have to work anymore. 
     Now that I have this magic hat, I won't have to sweep the floor. 
     Now that I have this magic hat, I won't have to wash another wall! 
     Now that I have this magic hat, I won't have to work at all! 


     この魔法の帽子を持っているからには、もう働かなくてもいいだろう 
     この魔法の帽子を持っているからには、床を掃かなくてもいいだろう 
     この魔法の帽子を持っているからには、壁を洗わなくてもいいだろう! 
     この魔法の帽子を持っているからには、まったく働かなくてもいいだろう!
 


この歌詞は、魔法使いの弟子 ミッキーが歌っているのですが、
「この魔法の帽子を持っているからには、絶対に働きたくない」という意志から、
「もう働かなくてもいいだろう」と言っていることが分かります。

このニュアンスを日本語で「和訳」として表現するのが難しい。。。
プロの翻訳者だったら、どんな和訳をするのか気になるところです。






最後まで読んでくださり、ありがとうございました
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