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英語教師のママが綴るDWEの英語育児日記
~ゆーくん&あやちゃんの成長記録とママの心に残った出来事を綴ります♪~

WFマガジンから ~ 知られざる(?) 公立中学校の "All English" の授業の舞台裏!! ~

2014-02-28 | 英語教育
ゆーくん、生後708日
1歳11か月6日
DWE歴は、1年 3か月 23日になりました
   
先日、World Family マガジン(以下WFマガジン)の 3/4月号が届きました
2か月に1回のペースで発行される、このWFマガジン
DWEの活用方法を振り返ったり、「また頑張るぞ」と意欲を取り戻すのに、
ちょうど良いペースだなぁと思います

今号では、「小学校英語の "現在" と "未来"」というテーマが取り上げられていました
     
私は、公立の小学校教師を経て、中学校で英語教師をしています
第1子の育休期間中に、第2子を妊娠したので、
さらに、長く教育現場を離れることになったのですが、
その間は、「英語教師」という視点以外にも、
「親」という視点から「英語教育」について考える機会にしたいと思っています

そんな私にとって、今号のマガジンのテーマは、とても興味深いものでした

小学校の学級担任は、英語が専門とは限りません
その上、(英語の授業で使う教材は、各校共通とはいえ)カリキュラムは、各校で異なります
    
私が小学校勤務をしていた頃、近隣の小学校とカリキュラムのすり合わせをしたことがありますが、
この作業は、とても重要だと思います

というのは、近隣の小学校の児童が、同じ中学校に進学したときに、
入学前から 足並みがバラバラでは、生徒・教員ともに スタートで戸惑います


  (多少の差なら良いのですが、私が勤務した地区では、
   「英語教育研究校に指定されている小学校」
   「英語教育研究校に指定されていない小学校」が
   同じ中学校に進学することになっているのです
   大きな差があると、本当に大変なのです

     
おまけに、中学校・高校では、"All English" の授業が推進されています

小学校卒業後、中学校では どんな英語教育が待っているのか――
中学校の公開授業などで "All English" の授業が展開できる仕掛け――


今回は、(育休中とはいえ)公立中学校の現役の英語教師としての私の視点から、
その「舞台裏」について紹介したいと思います

私立の学校で特別な英語のカリキュラムを組まれている場合を除いて、
普通の公立の学校では、英語習得状況の異なる生徒が 1つのクラスに混在している中で、
授業を "All English" で行うことは、かなりハードルが高い――
このことは、誰しも予想がつくと思います

さらに、英語教育に熱心な英語教師であれば、
「英語の授業は、何でもかんでも英語でやればよいというわけではない」
という考えの方が大多数だと思います
公立の学校で、「"All English" 至上主義」の英語教師は、まだまだ少数派な気がします

とはいえ、現在の英語教育の最先端ともいえる
SELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)や
国立大附属学校の公開授業などを参観すると、
"All English" の授業が展開されていることが多いです

そういった公開授業の場で、下手に日本語を使おうものなら、
公開授業後の研究会・講評会の場で、
「なぜ、あそこは英語で授業展開されなかったのですか?」
という種の質問がされることを覚悟しなければならないような雰囲気があります

こういった "All English" の公開授業の研究会・講評会などに参加すると、
よく話題になることの1つに、
「教科書の内容理解はどうされていますか?」というものがあります
質問者がこう尋ねる裏には、以下のような思いがあります

  たしかに、英語教師は流暢な英語でテキパキと指示を出し、
 生徒も授業展開に しっかりとついていって、自分たちでも英語を使っている。
 それ自体は素晴らしい。

  でも、この公開授業の段階に至るまでには、
 やっぱり教科書の語彙を教えたり、内容理解をしたり、という作業があるはず。
 それが前提になって、この活発な授業があるのだ思う。
 じゃあ、"All English" の授業を行うまでの過程の部分はどうなっているんだろうか…?


こういったことを考え、お互いの実践を交流して、
さらに高い指導力を身につけようと考える
英語教師が多いのだと考えられます

私が参加した授業研究会で、授業者の先生が答えられたのは、以下のようなことでした

  "All English" の授業を展開することが大事なのではなくて、
  生徒が理解できることの方が大事なこと
です。

   ですから、本校では『和訳先渡し方式』を採用し、
  生徒は、授業前に、本文の全体和訳を読んでから 授業に臨んでいます


   また、英文法・語法に関しては、教科書のレッスンごとに
  『文法解説プリント』を作成して、生徒に配布しています。
   それを読めば、授業で 英文法・語法を扱わなくても、
  生徒自身で理解できるようになっています。

   "All English" の授業を含めて、
  授業中に英語を使った活動をする時間を確保するためには、
  このような準備が必要だと考えています」




「うちの学校は、"All English" の授業を行っています」と言うときに、
そこには、いくつかの重要な前提あるいは仕掛けが隠されています
案外見落とされがちなことですが、これを見落とすことが
"All English" に対する重大な誤解を生むことに直結する危険性があるように思います

この授業者が明らかにした "All English" の授業の「舞台裏」には、
とても大事なことが見て取れるように私は思います

それは、「"All English" の授業をする」と言うとき、
その言葉が意味するのは、
「英語の全学習過程を、"All English" でする」という意味ではなく、
基礎知識・予備知識を事前に日本語で抑えてから、"All English" の授業をする
というだけのことに過ぎないということです

この授業者は、内容理解は、和訳先渡しで、文法説明はプリントで、というように、
どちらも日本語の補助を入れてやっているわけです

授業が "All English" だからといって、
日本語を介した内容理解や文法理解が不要だということではありませんし、
逆に、そういった内容理解や文法理解こそが、
"All English" を支え、成り立たせているものだとも言えると思います


  単語や熟語も覚えさせなければいけないし、文法も理解させなければならない――
  目の前にある英文の内容を理解させなければ授業が進まないし、
  理解させるには日本語を介在させた方が効率的なことだって多い――

そういったことは全部必要ですし、
今までどおり、指導の過程の中に組み込んでおかなければならないのです

ただ、その組み込み方や組み込む内容・分量を少し変えてやる
(=解説プリントを使ったり、ALTに助けてもらったりという手法を用いる)ことで、
「授業では」という限定付きで、 "All English" でやる、ということなのです

"All English" の授業で大切なのは、
効果的な英語の使い方ではなく、効果的な日本語の使い方
だと私は考えます

何でも英語で教えるのがいいわけではなく、
子どもたちにしっかり理解させるべきところは、
私たちの第一言語である日本語で教えることが必要だと思いますし、
そうすることで、本当の英語の運用力を高められるのだと思います

一言で "All English" の授業といっても、
教育現場では、このような「舞台裏」があることが多いです

小学校から英語の授業が始まるといっても、
「学問」としての英語の授業が始まるのは、中学校からです

「学問」としての英語入門期の中学校で、
子どもたちにどう英語を学ばせるかは、今後も大きな課題になりそうです

英語教師に復帰するまでに、
親子英語を楽しみながら、私自身の英語力を磨き上げることを含め、
「親として望む英語教育」・「英語教師として望む英語教育」について
さらに熟考したいと思います






最後まで読んでくださり、ありがとうございました
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